エピソード7(脚本)
〇原っぱ
甲冑を着た大勢の侍達が睨み合っており、その中に泥だらけの円城寺もいる。
いけー!
円城寺敏郎「うおおおー!」
〇刑務所
大勢のゾンビがフェンスに押しかけており、ゾンビ姿の円城寺もその中にいる。
警官の制服を着た人たちが銃を発射する。
円城寺敏郎「ぐわー」
〇広い改札
「祐子さーん!」
円城寺敏郎「おはようございます。 今日はちゃんと15分前に来ましたよ、祐子さん」
丸山祐子「急に何? その呼び方。気持ち悪いんだけど」
円城寺敏郎「あれ? まだ早すぎますかね?」
円城寺敏郎「ってかこないだは、どもでした。 俺あんなことになるなんて思ってもなくて」
丸山祐子「はあ?」
円城寺敏郎「もう。照れちゃって」
〇川に架かる橋
仁科と20名ほどの撮影スタッフがいる。
その後ろで撮影を眺めている祐子。
橋の上ですすり泣く三好美和(みよしみわ)にカメラが向いている。
美和の後ろを歩く人々の中に、スーツ姿の円城寺もいる。
カーット!
〇川に架かる橋
仁科孝信「うーん」
AD「どうですか?」
仁科孝信「もう少し悲しさを出したいな」
AD「美和さんにもう少し強めに演技してもらいましょうか?」
仁科孝信「・・・ここは演技よりも画でみせたい」
仁科孝信「そうだ、一人ぼっちを際立たせよう。 後ろの通行人をカップルにする」
AD「なるほど。それはいいですね。 ちょっと篠宮プロダクションさんに聞いてみます」
AD「丸山さーん!」
〇川に架かる橋
祐子の前に集まる3人のエキストラ達。その中には円城寺がいる。
丸山祐子「急きょ、この中で一組、カップルを作ることになったの」
円城寺敏郎「え! それって台詞ありですか?」
丸山祐子「簡単な演技があるから、アドリブで台詞もOKとのこと。 女性は山崎さんしかいないので決定ね」
山崎葵「ラッキー」
丸山祐子「あとは山崎さんの恋人役を・・・」
円城寺敏郎「はいはいはい! 俺、やりたいです!」
エキストラ俳優「いや、君スーツだし。服装的にどう考えても俺でしょ」
丸山祐子「・・・」
凄まじい形相で祐子を見つめる円城寺。
丸山祐子「円城寺、行ってみよう」
円城寺敏郎「おっしゃー!」
エキストラ俳優「え、なんで・・・」
円城寺敏郎「あー、あー」
〇川に架かる橋
よーい、スタート!
円城寺敏郎「お姉さん。どうかしましたか?」
カーット!
仁科孝信「君、表情が硬いよ」
〇川に架かる橋
円城寺敏郎「へい姉ちゃんどうしたんだい?」
カーット! チャラすぎる!
〇川に架かる橋
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