美少女転性♂♀(脚本)
〇一戸建て
〇学生の一人部屋
莉央「んん~」
莉央「もう朝か・・・」
莉央「早く起きないと・・・」
莉央「何だ? なんか声が変──って・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
莉央「うわああああーッ!!」
母「まったく、莉央は 朝から何騒いでんのかしら」
父「元気だねぇ」
莉央「父さん母さん大変だ!!」
莉央「俺、女になっちまった!!」
母「おはよう莉央」
母「先に顔洗ってらっしゃい」
莉央「まさかのノーリアクション!?」
父「おはよう莉央」
父「ずいぶん可愛くなったねぇ」
莉央「え、そうかな」
莉央「──じゃねえよ!!」
莉央「もっとこう・・・ 正しい反応の作法があるだろ!?」
母「例えば?」
莉央「どうしたの、何があったんだ、 あなた誰、うちには息子しかいないetc.」
母「ドウシタノ」
父「何ガアッタンダ」
莉央「大根!!」
莉央「何でそんな普通なんだよ!!」
莉央「息子が娘になっちゃったんだぞ!?」
母「女の子でも通用する名前で良かったわね」
莉央「だから、そうじゃなくて──」
母「佑斗君じゃない?」
莉央「何でこういう時に限って 時間通り迎えに来るんだ・・・」
母「はい、いってらっしゃい」
父「気を付けてね」
莉央「送り出すの!?」
莉央「病院とか連れてかないのかよ!?」
母「病院行っても意味ないでしょ」
莉央「えっ?」
母「いいから早く行けっ!」
〇一戸建て
佑斗「莉央、お前──」
莉央「おはよう佑斗 よく俺だって分かったな」
佑斗「なんとなく面影あるし?」
佑斗「だいたい予想通りだわ」
莉央「予想って何だ」
莉央「お前、普段から俺が女になった姿 想像してたの!? キモッ! 近寄んな!!」
佑斗「はあ!? 普段からそんなことする訳ないだろ!」
莉央「じゃあ何で・・・」
佑斗「お前、ニュース見てねーの?」
佑斗「これだよ」
──女体化ウイルス全世界流行の兆し
莉央「女体化ウイルス・・・?」
佑斗「先々月、海外で発症が確認された 新型のウイルス」
佑斗「若い男しかかからない疾患で、 治療薬はないらしい」
莉央「症状は?」
佑斗「女体化する」
莉央「・・・・・・」
莉央「・・・それだけ!?」
佑斗「熱とか咳はでないって」
佑斗「それに、1週間もすれば ちゃんと男に戻るらしいぞ」
莉央「なんだそれ・・・」
佑斗「B組の相田も女体化したから 学校休んでるって話だぜ」
莉央「マジか・・・」
佑斗「てか、よく学校行く気になったな」
莉央「母さんに叩き出されたんだよ」
佑斗「制服まで着て、準備よすぎじゃね?」
莉央「これは何故か最初から着てたんだ!」
莉央「ていうか!」
莉央「近くにいたらお前にも うつっちゃうんじゃ・・・」
佑斗「感染力は低いらしいよ」
莉央「俺はどこでうつされたんだ・・・」
莉央「クソッ!」
莉央「やっぱお前にもうつしてやる! 女体化しろ!!」
佑斗「おい! 抱きつくな!」
莉央「美少女様が抱きついてやってんだ」
莉央「喜んで享受しろ」
佑斗「・・・ッ、あたってんだよ!」
莉央「え、何が──」
「・・・・・・」
莉央「佑斗の変態!!」
佑斗「お前があててきたんだろ!!」
佑斗「くっ・・・」
佑斗「幼なじみ(♂)にちょっとでも ときめいてしまった自分が情けない・・・」
莉央「それは、なんつーか・・・ごめん」
莉央「まっ、仕方ねーよ」
莉央「俺、こんなに可愛いし?」
佑斗「言ってろバーカ!!」
〇学校の校舎
〇事務所
莉央「──という訳で、1週間くらい女子です」
担任「お前、よく学校来たな?」
莉央「せっかく来たのに何だよ」
担任「ああ、悪い」
担任「そうだな、よく来た」
担任「困ったことがあったら 俺や保健の先生に言うんだぞ」
莉央「へーい」
〇教室
莉央「おはよ~」
生徒A「おは・・・」
「誰っ!?」
莉央「俺だよ俺」
佑斗「いや分かんねえよ」
莉央「佑斗は分かったじゃん」
佑斗「まあな」
生徒C「もしかして転校生!?」
莉央「ちげーよ」
生徒B「佑斗の彼女!?」
莉央「ちげーって!」
莉央「俺だよ、莉央!」
「莉央!?」
生徒A「もしかして 女体化ウイルスに感染しちゃったの?」
莉央「そーなんだよ」
莉央「1週間くらいこの姿だからヨロシク」
生徒B「めっちゃカワイー!」
生徒B「ずっとそのままでいろよ」
莉央「ふざけんな お前も女体化しろっ」
生徒B「てか何カップ? 揉んだ?」
莉央「俺としたことが・・・まだ揉んでない」
生徒A「サイテー」
生徒C「バカだねぇ」
〇学校の廊下
〇女子トイレ
〇学校の屋上
〇学校の校舎
莉央「はぁ~疲れた~」
莉央「でも、意外と何とかなったな」
佑斗「お前、早く元に戻れよ」
莉央「俺の意思でどうにか なるもんじゃねーだろ」
佑斗「そうだけど・・・」
佑斗「何か落ち着かねえ」
莉央「おうおう、可愛いこと言うじゃねーか」
佑斗「バッ・・・不用意に近付くな!」
莉央「照れちゃってぇ」
莉央「幼なじみが美少女なんて、 男の夢! ロマンじゃねーか!」
佑斗「俺は黒髪清楚系が好みなんだ」
莉央「そういう問題!?」
〇一戸建て
──数日後──
〇学生の一人部屋
莉央「んんっ・・・」
莉央「そろそろ1週間か。 この身体ともお別れ──って・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
莉央「うわああああーッ!!」
母「女体化しても 騒々しさは変わらないわね」
父「声が昨日と違くないかい?」
母「そうだった?」
莉央「父さん母さん大変だ!!」
莉央「俺、ギャルになっちまった!!」
母「おはよう莉央」
母「先に顔洗ってらっしゃい」
莉央「だからノーリアクションやめろぉ!!」
父「おはよう莉央」
父「ちょっとスカートが短くないかな?」
莉央「え、そう?」
莉央「──じゃねえよ!!」
莉央「作法に則った 正しい反応をしてくれって言ってんの!!」
母「ドウシタノ」
父「何ガアッタンダ」
莉央「極太大根!!」
莉央「それでいいのか!?」
父「女体化ウイルスの変異株が 流行りだしたとは聞いていたけど──」
母「ギャルになるとは思ってなかったわ」
母「なかなか可愛いわね」
父「昔の君に似ているね」
母「あら、若い頃は可愛かったのに・・・って?」
父「もちろん今でも可愛いよ」
母「やだ、ありがと」
母「佑斗君じゃない?」
莉央「だから何でこういう時に限って 時間通り迎えに来るんだ!」
母「はい、いってらっしゃい」
父「気を付けてね」
莉央「いってきます!!」
〇一戸建て
佑斗「莉央、お前──」
莉央「みなまで言うな・・・」
佑斗「いや、言わせて貰う」
莉央「佑斗?」
佑斗「何で・・・」
佑斗「何で黒髪清楚系美少女じゃ ないんだよぉおおおおっ!?」
莉央「そこかよ!?」
佑斗「お前どうせ変異株に感染するなら 種類選べよな!!」
莉央「選べるか!!」
莉央「決めた! お前にはぜってー乳揉ませてやらねえ!!」
佑斗「誰が揉むかバーカ!!」
〇空
その後
無事に治療薬が開発され
女体化ウイルスは
鳴りを潜めたのであった
~fin~
最高ですね、このウィルス!
ムサイ男子共をひたすら感染させて、麗しき美少女をどんどん生み出しましょう!変異株もバッチコイです!治療薬なんて無用ですw
このウィルスが蔓延したあかつきには、俺も美少女になれる?
……黒髪ショートカット清楚を担当しましょう。
あまりにも害のないウイルスでこれは流行して欲しいなと思いました…w
クラスメイトがちゃんと驚いてる辺り、両親のノーリアクションっぷりが際立ちますね…。