同居心中事件(脚本)
〇シックなリビング
莉奈「・・・ふわぁ・・・」
莉奈(私は莉奈。大学1年、市立夢の国大学に通っています)
莉奈(一人暮らしをしていて、毎日は幸せです)
莉奈(今日はなんか人が来るらしいけど、誰なんだろう?)
〇一軒家の玄関扉
ピンポーン
〇シックなリビング
莉奈「はーい!」
〇一軒家の玄関扉
莉奈「こんにちは!どちら様でしょうか?」
双星「あ、は、初めまして・・・ 夢色 双星(ゆめいろそうせい)と言います」
双星「貴女は莉奈さんでお間違いないですか?」
莉奈「はい!」
莉奈「立ち話もなんですし、どうぞ上がってください!」
双星「では、失礼します・・・」
〇シックなリビング
莉奈「それで、何のご用事でしょうか?」
双星「では、改めて・・・」
双星「今日から同居させていただきます、双星です」
莉奈「・・・え、?」
莉奈「ごめんなさい、もう一度・・・」
双星「ですから、 今日から同居させていただきます、双星です」
双星「よろしくお願い致しま──」
莉奈「きゃああああああああああああああああ!?」
莉奈「え、え?」
莉奈「ど、どど同居!?」
莉奈「そんな・・・何の準備も・・・っ!」
双星「準備等はいりませんので、ご安心ください!」
双星「部屋さえあれば、僕はどこでも寝れますから・・・」
莉奈「え、えっと・・・」
「これからよろしくお願いします」
莉奈「か、被りましたね・・・」
双星「僕のことは気軽に双星とお呼びください。それと、普通に話してもらって全然構いませんよ!」
莉奈「う、うん・・・よろしく、双星。それと、普通に話していいよ?」
双星「うん」
双星「ひとまず、案内して欲しいかな」
〇書斎
莉奈「ここが双星君の部屋。好きに使ってくれて全然構わないよ」
双星「わ・・・かなり広い!」
双星「好きに使っていいの?」
莉奈「うん」
双星「ありがとう!」
〇白いバスルーム
莉奈「ここがお風呂」
双星「とても広い・・・!」
莉奈(毎回喜んでる・・・なんでだろ?)
〇清潔なトイレ
莉奈「ここがトイレだよ。一つしかないから、順番に使おう」
双星「一つか・・・」
莉奈「それじゃ、私は自分の部屋にいるから、何かあったら呼んでね!」
双星「う、うん」
〇女の子の部屋
莉奈「あー!」
莉奈「いきなり人がきたから驚いたよ・・・」
莉奈「あ!」
莉奈「ミャオ!勝手に遊んじゃダメでしょ!」
ミャオ「みゃ!?」
ミャオ「フーッ!!」
莉奈「フーッ!! じゃないの!ほら、返しなさい!」
ミャオ「ニャン!」
莉奈「痛・・・っ!」
莉奈「ミャ~オ~?」
ミャオ「ウニャ!?」
ミャオ「フー・・・」
莉奈「・・・良い子ね・・・」
莉奈「血も止まったわ・・・良かった」
ミャオ「勝手に奪おうとしたからそうなるんだろ」
莉奈「そうねー・・・」
ミャオ「よっと・・・」
ミャオ「新しく来た人にはバレてないだろうな?」
莉奈「勿論よ」
ミャオ「良かった」
莉奈「私達は本当は幽霊だものね」
ミャオ「ああ」
ミャオ「今は猫に戻るな・・・」
ミャオ「もう戻ってるじゃんか!」
莉奈「ごめんごめん・・・気を抜くと戻っちゃうのよね」
莉奈「それと、ミャオもそろそろ戻ったら?」
ミャオ「そうだな」
ミャオ「ニャーン・・・」
莉奈「可愛いわね・・・」
〇書斎
双星「さて・・・」
双星「どうやって彼女を殺そうか・・・」
双星(俺は──者。きっと、天国にいる母は怒るだろうが、構わない──)
双星(俺は、アイツを殺せて幸せだ)
双星(だが、見られていた。莉奈に)
双星(世の中に広めないために、目撃者は全員殺さなければならない──)
〇幻想
・・・
「ネタバラシタイムです」
幽霊のミカ「今回は意味怖です」
幽霊のミカ「分かりやすい意味怖にしてみましたが、どうでしょうか?」
幽霊のミカ「さて、これから彼女達はどういう風に行動するのか、見ていきましょう」
〇黒
数ヶ月後──
〇シックなリビング
莉奈「これでよしっ!」
双星「莉奈さん!」
双星「今日は大事な話があるんだ!」
双星「僕の部屋に着てもらえないかな?」
莉奈「うん、良いよ!」
〇書斎
莉奈「何の用?」
双星「僕、ここに来て、すっごく幸せなんだ・・・だから──」
双星「ごめんね」
双星「バイバイ」
莉奈「!?」
双星「え?」
双星「何でだ?」
双星「何で刺さらないんだ!?」
莉奈「・・・何で刺そうとしてるの?」
莉奈「殺したかったの?」
莉奈「もう既に・・・大切な人を殺しといて?」
双星「・・・大切な人?誰のことだ・・・?」
双星「うるせぇ!」
莉奈「刺さらないこと、もう忘れてしまったの?」
莉奈「あはは、おっかしーww」
双星「なんで笑ってるんだよ、気味悪りぃな!!」
ミャオ「フー・・・ッ!」
双星「どけや!猫!!」
ミャオ「俺は猫じゃねぇ!」
双星「は?猫が人に・・・?」
莉奈「これで満足?」
莉奈「君、やっぱり殺人鬼だったのねw」
莉奈「ちょうど良かった!私も──」
莉奈「君を殺したかったから」
バッ
双星「それは俺の──」
ミャオ「じゃあな!天国で一緒に会おうぜ!」
双星「た、助け──」
双星「助けてくれぇぇぇ!」
莉奈「さよなら」
双星「ぐ・・・」
ミャオ「死んだな・・・」
ミャオ「俺達も行こうぜ!」
莉奈「ええ!」
莉奈「・・・」
〇幻想
幽霊のミカ「さあ、終わりました」
幽霊のミカ「感想はどうでしたか?」
幽霊のミカ「細かくネタバラシしていきますね!」
幽霊のミカ「まずは彼女が──莉奈は幽霊だったこと。 けれど、彼女は自分で突き立てて刺した包丁では刺さりました」
幽霊のミカ「次は、ファンタジーを混ぜて、怖さを減らしましたが、彼女達が猫の幽霊であること」
幽霊のミカ「最後に、彼女達の家に表札がかかっていませんでしたね。あれはアパートでは普通のことですが、一軒家では新築でもない限り」
幽霊のミカ「ないということは・・・とても稀です」
幽霊のミカ「良かったら、 リアクション・コメント よろしくお願いします!」
幽霊のミカ「また次回でお会いしましょう!」
最後に、この後の世の中を見せてあげましょう──
〇渋谷のスクランブル交差点
──次のニュースです
○○県、✕✕市で自殺事件があった模様。二階にある書斎から、二人共に倒れている状態を近所の方が見かけ、通報したそうです。
また、死因は二人とも刺殺と同じであり、警察は、心中事件として処理する事に──
物語の途中や最後に案内役が出てくるのが新鮮でしたね。幽霊であるにもかかわらず穏やかな雰囲気のミカが状況を解説してくれるシーンには和みました。
穏やかそうな雰囲気が却って怖さを増した。どうして同居の流れになったのかもわからないけど短編ではそこまでは難しいにかも⁉
謎に包まれたお話。
なんだか楽しそうなのが余計に怖さを引き立ててますね…。
なんで刺さったんだろう、という疑念はまだ晴れませんが…。
怖い話はファンタジー感を出しても怖い話ですね笑