私の為に。ねぇ__(脚本)
〇怪しげな部屋
彩希 遥「んぅ〜・・・すうすう・・・」
彩希 遥「はっ!此処は・・・?」
ケテ・・・タスケテ・・・・・・
彩希 遥「え・・・?」
啊斎 嫘悶「よォ!15人目!」
彩希 遥「貴方は・・・?」
啊斎 嫘悶「よく聞け!我の名は啊斎 嫘悶ある!」
彩希 遥「浅い檸檬・・・?」
啊斎 嫘悶「テメェ我の事馬鹿にしてるあるか!?」
彩希 遥「あ、いや、すみません・・・」
「それで、お前は?」
彩希 遥「私は、彩希 遥です。あの、15人目とは・・・?」
啊斎 嫘悶「ここはなぁ、自我を喪っている奴らが何人も居るある。我はもう既に14人目に解放されたある」
啊斎 嫘悶「我の様に自我を既に取り戻してる奴も居る。その自我を取り戻す為に使用人が必要な訳ある」
啊斎 嫘悶「そこである!使用人はランダムに仕える奴が決められ、記憶の鈴を見つけて自我を取り戻させるある!」
啊斎 嫘悶「そんな中、お前が15人目に選ばれたある!せいぜい働くよろし!」
彩希 遥「で、でも今までの使用人は・・・?」
啊斎 嫘悶「嗚呼、それは自我戻しに失敗して処刑されて死んだあるよ」
彩希 遥「え・・・?」
啊斎 嫘悶「まぁ、我もできるだけサポートはするある。だから安心するよろし!」
彩希 遥「は、はい・・・」
啊斎 嫘悶「それじゃぁさっさと自我戻しするある!」
〇城の廊下
彩希 遥「ここは何処も暗いですね・・・」
啊斎 嫘悶「嗚呼、そうあるよ。後ここから見える外は永遠に夜あるよ」
彩希 遥「え?何でですか?」
啊斎 嫘悶「なんて言ったって、ここは「ブラックナイトハウス」あるからな!」
彩希 遥「ブラックナイトハウス・・・」
啊斎 嫘悶「ここから脱出するにはお前の力が必要ある。お願いある。ここの皆を救ってやってくれある」
彩希 遥「嫘悶さん・・・。分かりました。全員救ってみせます」
啊斎 嫘悶「頼んだあるよ。_!」
彩希 遥「今、なんて・・・?」
啊斎 嫘悶「何でもないあるよ!」
啊斎 嫘悶「それより着いたある!ここはシャルロッテの部屋ある!彼奴ら文字化けして何言ってるかわかんねぇあるけど宜しくある!」
彩希 遥「シャルロッテさん。文字化けで喋るのか・・・ちょっと困るな・・・」
啊斎 嫘悶「さっさと終わらせるよろし!」
彩希 遥「あ、はい・・・」
彩希 遥「あれ?嫘悶さんは来ないんですか?」
啊斎 嫘悶「我が入ったら消えちまうあるから自我が戻るまで我は入れねぇある」
彩希 遥「そうなんだ・・・」
啊斎 嫘悶「すまねぇあるが我はここで待ってる事しか出来ねぇある」
啊斎 嫘悶「遥!後はシャルロッテを頼んだあるよ!」
彩希 遥「はいっ・・・!」
〇城の客室
彩希 遥「真っ暗だ・・・」
シャルロッテ・ファン・アイル「雋エ譁ケ縺ッ隱ー?(貴方は誰?)」
彩希 遥「文字化け・・・」
シャルロッテ・ファン・アイル「蜉ゥ縺代※窶ヲ(助けて・・・)」
彩希 遥「え・・・?」
〇可愛らしいホテルの一室
シャルロッテ・ファン・アイル「シャルロットが何で私より上なのよ・・・!」
シャルロッテ・ファン・アイル「私は頑張っても何時もA・・・」
シャルロッテ・ファン・アイル「だけど彼奴は友達と遊んでばかりで勉強もしてない癖に何でA+なんだよ!!!!」
彩希 遥「これは、シャルロッテさんの記憶?」
シャルロッテ・ファン・アイル「あんた誰・・・?」
彩希 遥「私は彩希遥です」
シャルロッテ・ファン・アイル「日本人?」
彩希 遥「はい。そうですが・・・」
シャルロッテ・ファン・アイル「遥は何しに来たの・・・?」
彩希 遥「貴方を救う為です」
シャルロッテ・ファン・アイル「救う・・・か。ヒーローみたいな事言うね、遥は・・・」
彩希 遥「はい!私はシャルロッテさんを救うヒーローですっ!」
シャルロッテ・ファン・アイル「そっか、ならさ、私の悩み事話していい?」
彩希 遥「もちろん!!」
シャルロッテ・ファン・アイル「ははっ!ありがと、遥。私の事はシャテって呼んでよ!」
彩希 遥「うん。シャテ!」
シャルロッテ・ファン・アイル「それで相談なんだけど・・・」
10分後
シャルロッテ・ファン・アイル「は〜!スッキリした〜!」
シャルロッテ・ファン・アイル「これ、お礼と言ってはなんだけど貰っといて」
彩希 遥「これは記憶の鈴・・・?」
彩希 遥「ありがとう。シャテ!」
シャルロッテ・ファン・アイル「い〜のい〜の!」
シャルロッテ・ファン・アイル「遥、また明日遊びに来てよ!」
彩希 遥「あ、それなんだけど、ごめん。もう、会えないかも・・・」
シャルロッテ・ファン・アイル「会えない・・・?」
シャルロッテ・ファン・アイル「そっか、そっか・・・」
彩希 遥「だから、もう行かなきゃ」
シャルロッテ・ファン・アイル「あ、うん・・・」
ばいばい。
〇城の客室
彩希 遥「戻ってきた・・・あれ?ロウソクに光が・・・」
シャルロッテ・ファン・アイル「遥・・・会いたいよ・・・」
彩希 遥「鈴、使ってみるか・・・」
シャルロッテ・ファン・アイル「ん・・・」
彩希 遥「シャテ!」
シャルロッテ・ファン・アイル「は、遥!?」
彩希 遥「うん。そうだよ」
シャルロッテ・ファン・アイル「遥!俺、会いたかった!」
彩希 遥「お、俺!?」
シャルロッテ・ファン・アイル「あ〜!あの時言い忘れてたけど、俺、男なんだ」
彩希 遥「シャテって男だったんだ・・・」
〇城の廊下
啊斎 嫘悶「お!遥帰ってきたあるか!?」
彩希 遥「嫘悶さんっ!成功しました!」
啊斎 嫘悶「お〜!できるじゃねぇか遥!」
彩希 遥「えへへ・・・」
シャルロッテ・ファン・アイル「あ、嫘悶久しぶり」
啊斎 嫘悶「お前シャテ、何ニヤニヤしてるある!」
シャルロッテ・ファン・アイル「シャテって呼ぶな!シャテって呼んでいいのは遥だけだ!」
啊斎 嫘悶「あ〜!はいはい!そうあるね!」
彩希 遥「2人とも喧嘩は辞めてください・・・」
啊斎 嫘悶「喧嘩してねぇあるよ?」
シャルロッテ・ファン・アイル「そうそう。俺ら仲良しだよ!」
彩希 遥「嘘つかないでよ・・・」
彩希 遥「次は・・・」
シャルロッテ・ファン・アイル「ミーシャだね!」
〇貴族の応接間
彩希 遥「また、真っ暗ですね・・・」
__「あら、ミーシャの部屋はここじゃないわよ・・・?」
彩希 遥「あ、貴方は・・・?」
__「私の名前は__」
彩希 遥「__・・・!?」
__「そうよ」
シャルロット・リャン・アイル「貴方!何してるんですか!?」
彩希 遥「シャテ・・・?」
シャルロット・リャン・アイル「私はシャルロットです」
彩希 遥「シャテの妹?」
シャルロット・リャン・アイル「所でなんで館長の部屋に入っちゃったんですか!?」
彩希 遥「ミーシャさんの部屋では?」
シャルロット・リャン・アイル「ミーシャの部屋は隣です!」
彩希 遥「う、嘘!?私・・・」
シャルロット・リャン・アイル「早く!自我を奪われる前に!」
彩希 遥「どうゆう事!?」
__「行かせないわよ・・・」
シャルロット・リャン・アイル「さぁ!早く!」
彩希 遥「足が動かない!?」
啊斎 嫘悶「ドアが開いてる内に早く来るある!」
啊斎 嫘悶「遥!!!」
彩希 遥「待っ・・・」
バタンとドアの閉まる音がした。
嗚呼、もう終わったんだ。
私はもう殺されてしまうんだ。
もう1人の彩希遥に。
〇手
__「私は彩希遥」
__「嗚呼、15人目?」
__「それなら・・・」
__「自我を食べちゃった♪」
__「やっと自分に会えたよ!」
__「これで、ここから、やっと出られるんだ!」
〇雑踏
「ブラックナイトハウス」それは、この世の人間がランダムに使用人として選ばれ、送られる。
そこに居る館長は本当の自分を見つける為に人の自我を食べている。
だが、今は自我を取り戻している者が返された。真実は3人の少女だけが知っていた。
それは
「館長は自分を見つけた。」
自我を食べられるという発想がミステリーを通り越してホラーでしたね。文字化けでの会話とか、姉に見える兄と妹の確執とか、ずっと夜のままとか、読者も悪夢を見ているような気分になる独特の雰囲気が良かったです。
めちゃ怖かった…でも、嫌いじゃない。自我がなくなれば、どうなってしまうなんて考えたこともなかった。元の世界に戻れてよかった
いやいや、めっちゃ怖い話じゃないですか…。
ミステリーだし、そりゃあそうですよね。
登場してくる可愛いキャラクターに見惚れてる場合じゃなかった…。そして男の娘が一番のミステリーと感じるかわいさ…。