神様より

No.24

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〇屋上の端(看板無し)
ケイ「今日もまたここに来ちゃったな・・・」
  ケイは、手慣れた様子で柵を越える。

〇空
ケイ「きれいな空・・・」
ケイ「こんな空に溶けることができたら・・・」
ケイ「飛んじゃおっかな・・・」
  そんなことを呟いたその時

〇屋上の端(看板無し)
ケイ「ん? ネクトの通知だ 誰だろ・・・?」
  ▶︎サラ
  やっほー
  久し振り!
  元気にしてる?
ケイ「サラからだ 今は適当に返事しとこ」
  ▶︎ケイ
  久し振りー!
  元気だった?
  私はゼッコーチョーよ^ ^
ケイ「はぁ・・・ 何やってんだろ・・・」
ケイ「何がゼッコーチョーよ・・・」
ケイ「文字ならこんな風にできるのにな」
ケイ「ん? またネクトだ」
ケイ「え? 誰よこれ? 【神様】 って・・・」
ケイ「ヤバいやつかな? でもそういうのは徹底的にブロックされるようになってるはずだし・・・」
  ケイは恐る恐る開いてみた
  ▶︎神様
  あなたはここまでよく生きてきました。
  ▶︎神様
  しかしまだ足りません。
  あなたはまだ飛ぶ時では無い。
  ▶︎神様
  私と契約を交わしましょう。
  ▶︎神様
  あなたは生きるのです。
  そして全力で生きたいと思うことができたとき、あなたの願いをひとつ叶えましょう。
  空から一枚の羽根がふわふわとケイの手に舞い落ちてきた
  ▶︎神様
  これは契約の証です。

〇部屋のベッド
ケイ「契約って・・・ それに私が生きたいと思うことなんて・・・」
ケイ「私の願いは空に溶けること それが唯一の望みなのに」
  そんなことを思いながら、ケイは眠りについた

〇教室
  ──次の日──
ケイ「・・・おはよう」
クラスメイト「・・・・・・」
ケイ(構わないわ いつものことだし)
クラスメイト「あ、ごっめーん いたの? 存在感なさすぎて気付かなかったわ! アハハハ」
ケイ(やっぱりここに私の居場所は・・・)
  その時だった
カナデ「あんた達そんなことして楽しい?」
ケイ「!!」
カナデ「こんなやつら放っといて行くよ!」

〇屋上の端(看板無し)
ケイ「あ・・・ ありがと」
ケイ「あなたは・・・?」
カナデ「私はカナデ って、あんたクラスメイトの名前も知らないの?!」
ケイ「ぅ・・・ ごめんなさい」
カナデ「まぁいいわ あんた、この場所が好きなんでしょ?」
ケイ「え? なんで?」
カナデ「いつもここにいるの知ってる」
ケイ「え?! なんで知ってるの? 誰にも話したことないのに」
カナデ「・・・見てたからよ」
ケイ「えっ?!」
カナデ「ずっと見てたの!」
ケイ「なんで・・・?」
カナデ「なんでって・・・ そんなこともわからないの?」
カナデ「まぁ、いいわ 空に近いのもいいけど、地上にも楽しいところがあるんだから!」
ケイ「楽しいところ?」
カナデ「うん! そうだ! 今から私が楽しさをレクチャーしてあげる!!」
  そうして二人はこっそりと学校を抜け出した

〇カラオケボックス(マイク等無し)
カナデ「まずはカラオケね!」
ケイ「カラオケなんて来たことない・・・ それに音痴だし・・・」
カナデ「なーに言ってんの! 上手でも下手でも好きな歌を思いっきり歌ったらスッキリするもんよ!」
カナデ「ほら! 一緒に歌お♪」

〇カウンター席
カナデ「次は私のお気に入りのカフェ!」
カナデ「とっても落ち着くのよ ここであったかーい紅茶とか飲みながら、ほっとひと息つくの」
ケイ「おいしい・・・」
カナデ「あ、やっと笑った」
カナデ「いい顔になってきたわね!」
ケイ「そ、そんなこと・・・」
  その時、動揺したケイからひらひらと羽根が落ちた
カナデ「ん? 何これ?」
ケイ「あ・・・これは・・・ 神様との契約の証で・・・ それで・・・」
カナデ「へ? 神様? 契約?」
ケイ(あー、絶対変に思われた・・・ せっかく友達になれるかもと思ったのに・・・)
カナデ「そっか・・・ あんたそうだったんだね・・・」
ケイ「ごめんなさい! わ、私、帰るっ」
  あわてて席を立つケイをカナデが引き止める
カナデ「違うの! そうじゃなくて」
カナデ「これ・・・」
  カナデが取り出したのはケイと同じ真っ白な羽根
ケイ「え?! それ・・・」
カナデ「私も契約したのよ 神様とやらと」
カナデ「でもお互いこんなものもういらないわね」
ケイ「・・・うんっ」

コメント

  • 神様の粋な計らいに胸が熱くなる。本来、誰もが生まれた時に神様と契約したはずなのにそれを忘れて生きてしまう。白い羽根はそのことを思い出してもらうためのサインなのかな、と思いました。

  • 優しい神様にほっこりしました。朝から良いお話に出会えました🤗

  • 何より最後にホッとして嬉しくなりました。現実的には重たく複雑な題材が神様と契約という神秘さが加わったことで、ある意味非現実的なこととして読み進められました。

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