〇森の中の小屋
キサラ「こ、ここでいいのよね・・・!?」
キサラ「えっと・・・時間は・・・」
キサラ「ヤバッ!!もうすぐ始まっちゃうじゃんっ!!!!!!」
キサラ「私にも！私にも参加券下さいっ!!!!!!」
受付係「ハイ！どうぞ！」
キサラ「ま、間に合ったぁ・・・!!」
受付係「すぐにディアール様が出てこられますので──」
大賢者ディアール「・・・コホン・・・」
大賢者ディアール「皆の者!!!!」
大賢者ディアール「大賢者になりたいか────!!!!!!!!!!!!!!」
大賢者ディアール「ぬるいッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
大賢者ディアール「ワシは・・・弟子は取らんっっっ!!!!!!!!!!!!」
司会者「おおっと!! 早くも始まりました!! 大賢者ディアール様の一喝!!!!!!」
司会者「もう、これは恒例の挨拶！ 参加者の皆様!! めげずに頑張って大賢者講習に臨んで行って下さーいぃぃ！」
キサラ「毎回思うけど・・・本当、ディアール様って独特よね・・・」
キサラ「ん？ ディアール様の後ろから・・・何か出て来た？」
ルーナ「キャハハ!! おじいちゃん！今日もチャレンジャーがいっぱいね!?」
大賢者ディアール「る、ルーナたん・・・！」
大賢者ディアール「危ないから、お家の中で大人しくしとくんじゃ！」
ルーナ「えー、ヤダ！ 楽しそうだし、アタシも混ぜて!!」
司会者「おおっと!? かわいいお嬢さんが出て来た──!! お嬢さん、お名前は？」
ルーナ「アタシ？ アタシ、ルーナって言うの!! 聞いて驚け☆ ディアールおじいちゃんの孫よ!!」
司会者「な、なな、なんと!? ディアール様の孫の登場だー!!!!!! 拍手!!」
ルーナ「ねぇ！おじいちゃん？ アタシ、みんなと遊びたいな☆」
大賢者ディアール「・・・うーむ・・・そうじゃな・・・ でも、ルーナたん・・・ 危ないぞい？」
ルーナ「ダイジョブ☆ダイジョブ☆」
大賢者ディアール「え〜・・・じゃあ・・・」
大賢者ディアール「皆の者!!!!!!!!!!!!」
大賢者ディアール「ルーナたんと遊ぶがよいっッッッ!!!!!!!!!!」
司会者「おおっと!? ディアール様!! ルーナちゃんと遊んだ報酬に何か授けてくれるのですか!?」
大賢者ディアール「・・・そうじゃのぅ・・・」
大賢者ディアール「ルーナたんを喜ばせる事が出来た者には・・・ ”大賢者の心得”を一つ伝授しよう!!」

〇戦地の陣営
ルーナ「じゃあ──腕相撲して遊ぼっ☆」
司会者「おおっと!? 腕相撲!? こんなか弱い女の子に勝負を挑む者は・・・いるのかっ!?」
腕相撲チャレンジャー「私がお相手しよう！」
ルーナ「いいよー!! あ、手加減したらアタシ・・・ 怒るからね！」
腕相撲チャレンジャー「フッ・・・いいだろう・・・」
司会者「ではでは、腕相撲勝負!! 始めッッッ!!!!!!」
「ふんっっっ!!!!!!!!!!!!!!」
ルーナ「ぐぎぎぎぎぎ──!!!!!!」
腕相撲チャレンジャー「はっはっはっ──!! この程度か──」
ルーナ「・・・れ、レベル・・・アーップッッッ!!!!!!!!」
ルーナ「ふんッッッ!!!!!!!!」
腕相撲チャレンジャー「ぐぬぬぬぬぬ・・・──!!!!!!!!!!!!」
司会者「おぉー！ ルーナちゃん、見かけより強い!! チャレンジャーと互角!? いや、それ以上か──!!!!!!!?」
ルーナ「ふんッッッ!!!!!!!!!!」
司会者「決着──!!!!!! ルーナちゃんの勝ち──!!!!!!!!」
キサラ（・・・な、なんでもアリで・・・魔法も使っていいみたいね・・・）
キサラ（大賢者の心得を教えてもらう為には・・・私もチャレンジしなくちゃ!!）
キサラ「ハイ!! 次は私と勝負！ お願いしますっっ!!!!!!」
ルーナ「いーよっ☆」
司会者「女の子同士の闘いだー!! これは、安心して見ていられるか!? ファイッ!!!!!!!!」
ルーナ「おねーちゃんも手加減しないで遊んでね☆」
キサラ「当然よ！」
「ふんっっ!!!!!!!!!!!!」
司会者「おおっと!?互角か!?」
キサラ「負けられないわっっ!! はっ!!!!」
ルーナ「あうっ!!」
ルーナ「ま、負けないんだからっ!!!!!!」
キサラ「・・・うぅ・・・!?」
「ぐぎぎぎぎぎッッッ!!!!!!!!!!!!」
司会者「両者共に一歩も引かないっ!! ──３・・・２・・・１・・・──!!」
司会者「時間切れだ──!!!!!! 引き分け──!!!!!!」
ルーナ「あはははっ☆ 面白かったぁ☆」
ルーナ「・・・あ、魔力・・・なくなっちゃった・・・」
大賢者ディアール「ふぉっ！ふぉっ！ ルーナたん、そろそろやめ時じゃのう？」
ルーナ「・・・もっと・・・みんなと・・・遊びたいよ──!!」
キサラ（な、泣き出しちゃった・・・!!）
大賢者ディアール「ルーナたん・・・まだまだ修行が必要じゃのう・・・？」
ルーナ「うん・・・」
ルーナ「おねーちゃん！ 魔力戻ったら・・・また遊んでくれる？」
キサラ「うん！いいよ？ 私で良ければ・・・!!」
ルーナ「ありがとう☆」
大賢者ディアール「さて・・・皆の者!!!!!!!!」
大賢者ディアール「”大賢者の心得”を一つ伝授しようぞ!!」
大賢者ディアール「──それは── ”思いやり”じゃ!!」
大賢者ディアール「今回、ルーナたんはまだ幼いと言うのに・・・チャレンジャーはルーナたんに”思いやり”を持って、全力で挑戦してくれおった」
大賢者ディアール「何も今回の事に限らず・・・”思いやり”は大切なもんじゃ・・・!!」
大賢者ディアール「大賢者を目指すならばその”思いやり”をいつも心に刻んでおくのも悪くないじゃろうて・・・」
大賢者ディアール「以上!!!!!!!!!!!!」
司会者「ディアール様！ ありがとうございました!!」
司会者「本日の大賢者講習は終了です。 皆様、お気をつけてお帰りください!!」
キサラ「今回も楽しかったな!! さて、帰ろう──」
ルーナ「おねーちゃん！」
キサラ「ん？」
ルーナ「あのね！ また遊びに来てね？」
キサラ「うん!!」
大賢者ディアール「友情じゃ！ ルーナたんに友情が芽生えたぞいっ！」
大賢者ディアール「ワシはっ!!!!!!!!」
大賢者ディアール「嬉しいぞいっっ!!!!!!!!」
　　end☆