第1話『見えてる側の世界へ』(脚本)
〇病室
相葉雅史(あいば まさふみ)「智樹・・・お前に世界の真理について話そうと思う──」
大野智樹(おおの ともき)「なんだよそれ?」
相葉雅史(あいば まさふみ)「この世界は、見えてる者かそれ以外か。 ──に、分類される」
大野智樹(おおの ともき)「見えてる者・・・? 何が?」
相葉雅史(あいば まさふみ)「守護霊だよ」
大野智樹(おおの ともき)「守護霊・・・?」
相葉雅史(あいば まさふみ)「そうだよ」
相葉雅史(あいば まさふみ)「この真理について誰かに話すと、守護霊が見えなくなってしまうから」
相葉雅史(あいば まさふみ)「この事は誰も口には出さない── だからあまり広くは知られてないんだ」
相葉雅史(あいば まさふみ)「もう俺の病気は治らないと思うし、智樹の為になるなら見えなくなっても後悔はない」
相葉雅史(あいば まさふみ)「だから聞いてほしい──」
〇一人部屋
大野智樹(おおの ともき)「見えてる者か、それ以外、か・・・」
大野智樹(おおの ともき)「見えてる側の人間は、 どんな景色を見ているんだろう」
大野智樹(おおの ともき)「俺も人気者になれるかな」
〇病室
相葉雅史(あいば まさふみ)「俺って急にサッカーうまくなって人気者になったじゃん?」
相葉雅史(あいば まさふみ)「それって守護霊を見たからなんだ」
相葉雅史(あいば まさふみ)「智樹も、見える側の人間になって欲しいなってずっと思ってたから」
相葉雅史(あいば まさふみ)「だから、今日の夜やって欲しい事がある」
〇一人部屋
守護霊を見る方法
枕の左右に鏡を置き、合わせ鏡にする
午前0時に眠る。そして、
午前2時22分に目を覚ます
すると鏡の中に守護霊が見える
大野智樹(おおの ともき)「・・・って怖ぇよ」
大野智樹(おおの ともき)「守護霊見た人って、自らこの状況作ったって事だよね・・・」
大野智樹(おおの ともき)「見えてる側の人間って、ヤバいやつしかいないんじゃ・・・」
大野智樹(おおの ともき)「でもこれが雅史の願いだもんな ふぅ・・・やるか」
大野智樹(おおの ともき)「合わせ鏡の真ん中で寝るとか、 正気の沙汰じゃないけど──」
〇一人部屋
大野智樹(おおの ともき)「あっ!寝ちゃった! 今何時だ?」
大野智樹(おおの ともき)「えっ?!ちょうどのパターンだ!!」
チラッ
大野智樹(おおの ともき)「何も映ってない・・・よね? ──ん?」
大野智樹(おおの ともき)「なんだ、虫か」
???「おーい!虫じゃねぇよ!」
大野智樹(おおの ともき)「じゃあもしかして・・・君、守護霊?」
???「そうだよ!私はお前の守護霊。 名は──」
???「シュワルツ・アーノルド・ツェネガーだ」
???「アルネと呼んでくれ」
???「って、寝てるよ!」
〇空
〇一人部屋
大野智樹(おおの ともき)「あれ?もう朝だ」
大野智樹(おおの ともき)「あれは夢だったのか」
〇一階の廊下
大野智樹(おおの ともき)「ふぁぁ〜」
大野智樹(おおの ともき)「あっ、おはよう。父さん」
大野智樹(おおの ともき)「って、えっ?なにしてんの?!」
父さん「ん?なんだ?」
大野智樹(おおの ともき)「浮気が堂々過ぎない?」
父さん「はぁ〜?!俺は浮気なんかしねぇよ ママ一筋だ」
父さん「早く飯食おうぜ!うまそうな匂いがする」
大野智樹(おおの ともき)「父さんまずいよ! そっち母さんいるって!」
〇おしゃれなキッチン
父さん「今日も朝からうまそうな匂いがするなぁ」
「アナタやめてよ〜 これ、焦げた匂いよ〜」
大野智樹(おおの ともき)「父さん何やってんだ‥終わった これで家族は崩壊だ・・・」
母さん「おはよう、アナタ・・・ その横の──」
母さん「カプサイシン取ってくれるかしら?」
父さん「あいよ〜」
母さん「焦げはカプサイシンで中和しなきゃね〜」
大野智樹(おおの ともき)(女の子を無視した?逆に怖いんだけど)
大野智樹(おおの ともき)「ってか母さんもかよ!」
母さん「智樹どうしたの?」
大野智樹(おおの ともき)(あれはなんだ・・・ 男なのか?女なのか?)
「智樹、それ守護霊だよ」
???「よっ!」
大野智樹(おおの ともき)「虫が喋った・・・」
???「だーから虫じゃないっつーの!」
アルネ「智樹の守護霊、アルネだ」
大野智樹(おおの ともき)「えっ!?じゃあ、あれは 夢じゃなかったんだ・・・」
〇郊外の道路
大野智樹(おおの ともき)「へぇ〜、守護霊が見えるようになると こんな感じなんだ」
大野智樹(おおの ともき)「守護霊って女が多いんだね」
アルネ「ゲームでキャラを作成する時、男でも女を選ぶだろ?」
アルネ「だから守護霊って、だいたい女なんだよ」
大野智樹(おおの ともき)「守護霊は自分で容姿を選んでるんだ?」
大野智樹(おおの ともき)(じゃあ、母さんの守護霊は あえてあの姿なのか・・・)
大野智樹(おおの ともき)「ってか俺はゲームの時、男を選ぶけどね」
アルネ「それは理性があるからさ」
アルネ「守護霊になる時は本能しかないからな」
アルネ「お前も女を選ぶと思うよ」
大野智樹(おおの ともき)「守護霊って、 どんなシステムなんだ・・・」
高音乃華(たかね のはな)(遅刻しちゃう〜)
大野智樹(おおの ともき)(あっ・・・高音さんだ)
大野智樹(おおの ともき)(付き合うなら高音さんのような・・・)
大野智樹(おおの ともき)(うわぁ・・・高音さんのやつ ガチの守護霊じゃん・・・こわっ)
アルネ「おいおい! 全員ガチの守護霊だっつーの」
大野智樹(おおの ともき)「あっ!君〜!」
大野智樹(おおの ともき)「落としたよ〜」
通りすがりの女の子「ありがとう」
大野智樹(おおの ともき)「頭に乗せてるとまた落とすよ〜」
通りすがりの女の子「ボンドで付けたからもう大丈夫です」
大野智樹(おおの ともき)「ボンド!?それ大丈夫なの?」
〇おしゃれな教室
大野智樹(おおの ともき)「それでさ、俺も見えるようになったし 人気者になれるんだよね?」
アルネ「そんなすぐになれねぇよ!」
大野智樹(おおの ともき)「えっ?何で?!」
アルネ「守護霊の加護を受けるには、 条件をクリアする必要があるんだ」
大野智樹(おおの ともき)「条件?」
アルネ「私の場合、前世が殺し屋だったから」
大野智樹(おおの ともき)「殺し屋・・・」
アルネ「っていっても雇われてたわけじゃないぞ ただ殺したい奴を殺してただけだ」
大野智樹(おおの ともき)「それただの人殺しじゃん!!」
アルネ「だから私の場合の条件は」
アルネ「「死ぬ運命の人を助ける」 これが条件になっている」
アルネ「簡単だろ?」
大野智樹(おおの ともき)「難しいわ!」
アルネ「あれ?お前もう条件クリアしてるぞ」
大野智樹(おおの ともき)「えっ?」
〇郊外の道路
あの時、
智樹がぬいぐるみを拾わなかったら
あの子は死んでいた運命だったようだ
〇おしゃれな教室
アルネ「良かったな」
大野智樹(おおの ともき)「そうだったんだ!」
大野智樹(おおの ともき)「まだ実感ないけど・・・」
アルネ「そのうちするさ」
大野智樹(おおの ともき)「アルネの加護ってどんなの?」
大野智樹(おおの ともき)「雅史はサッカーだったから 俺もスポーツ系かな?」
アルネ「違うよ」
大野智樹(おおの ともき)「文化系でも全然いいんだけどね」
アルネ「期待に応えられなくてすまない」
アルネ「お前は人殺し系だ」
大野智樹(おおの ともき)「なんだそれ!!」
〇空
〇暖炉のある小屋
こうして、俺は殺し屋になった
アルネはただの人殺しだったが
俺は依頼を請けて働く、正式な殺し屋だ
大野智樹(おおの ともき)「もしもし──」
主な依頼は
守護霊の力を悪用している人物の
守護霊を殺すという──
守護霊専門の殺し屋。
通称──
大野智樹(おおの ともき)「しゅごろし屋です── (守護殺し)」
アルネ「何回聞いてもダセェ!!」
大野智樹(おおの ともき)「──依頼、承りました」
大野智樹(おおの ともき)「さぁ、行きますか」
アルネ「うぃ〜」
〇病室
一方その頃──
医師「相葉さん、いい知らせだ」
相葉雅史(あいば まさふみ)「なんでしょう?」
医師「何故だか分からないんだけどね」
医師「レントゲンに映ってた黒い影、 消えてるんですよ!」
相葉雅史(あいば まさふみ)「ええー!?」
医師「もう君は健康そのものだ!! はっはっは」
相葉雅史(あいば まさふみ)「ははっ」
いい知らせなのだが、素直に喜べない相葉であった
面白かったです😊登場キャラの守護聖にそれぞれ味があって、ワクワクしながらタップしちゃいました✨
アルネもいいキャラでした😆殺し系の加護が将来に役立つとは😁
この子、良いっすよね!
僕の本命候補にもなっていました。でもこのブッ飛んだキャラには勝てねえや🤣
1番恐ろしいのは最初にあの守護霊が見える方法を見つけたやつがいるということ…
見える状態で女子校教師とかやってたら精神がイカれそうだなと思いました(どんな感想だ)