ドラゴンゲーム(DG)

賀老

読切(脚本)

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〇未来の店
佳雄「わしはDGを作った社長である」
佳雄「時間まで卵を守るゲームじゃ」
佳雄「最初にジョブやスキル、制限時間などが設定できる」
佳雄「この設定が様々で面白いのだが、この説明をしてる時間はなさそうである」
佳雄「わしはもうじき死ぬ」
佳雄「実は数日前から、わしの成功を面白くないと思っている輩に命を狙われててな」
佳雄「この世に未練はないが遺産をどうするか」
佳雄「3人の愛する子どもたちに分けあたえたいのだが、」
  双子の長女紗知はわしのことを嫌っておるし
  次女の知紗は優しすぎる
  順当なら長男の鬼一郎に継がせるべきなのだが
  ドラゴンゲームの勝者に遺産を譲ることにした

〇電脳空間
紗知「あの人の考えは全くわかんない」
鬼一郎「まぁまぁ 全員勝者になることもできるんだし」
紗知「はじめからそうすればいいじゃない」
紗知「あんたら余計なこと考えないでよね?」
知紗「みんなで勝者になろー」
鬼一郎「設定どうする? スキルはたくさん使えるようにするな」
紗知「いいわよ。そっちの方が早いし。ジョブとかは適当にやっとくわ」
知紗「なつかしいね。 お父さんとよく4人でやったね」
紗知「腹が立つ思い出ばっかり」
知紗「きっとお父さんはお姉ちゃんのことを思って」
紗知「はぁ?ただのストレス発散よ」
紗知「あんたのそういう良い子ちゃんなところ私好きじゃないから」
知紗「お父さんにかわいがられてたからって嫉妬しなくても」
鬼一郎(・・・だめだ。早く始めよう)
紗知「そうね。お父さんがいなくなったら代わりに私がたくさんかわいがってあげる」
知紗「ありがとうお姉ちゃん!」
鬼一郎(これほんとに協力してやれんのか?)
鬼一郎「よし!ゲーム開始だ!目指すは全員ドラゴン孵化だ」

〇湖のある公園
鬼一郎「なんで夜の雨設定なんだよ。コソコソやることないだろ」
鬼一郎「まずは卵探しだな。スキルはたくさん使えるから高速で移動だ」
知紗「お空も泣いてる。このジョブなら回復やサポートは得意だけど役に立つかな」
知紗「かさがほしいな」
知紗「手のひらにある石とあの木の一番上にある大きな葉っぱとチェンジ!」
知紗「これで葉っぱのかさゲット!」
知紗「卵はちょっと遠いところにあるけどゆっくり行こう」
紗知「ふふ、ちょっとイタズラな設定にしてみました」
紗知「まずは操りのスキルを使って脅かしてやるか」

〇村に続くトンネル
知紗「やっと卵の場所まできたわ。印が入った卵を見つければいいんだよね」
知紗「え!?全て割られている?」
  俺がやった。
「遺産は全て俺がもらう」
知紗「そんなことさせない。まだ卵はあるわ」
鬼一郎「そうだな。俺は卵を破壊するためにスキルをたくさん使ったからお前の方が早く見つけるだろうな」
知紗「そうよ。お兄ちゃんのスキルが回復するまでに私が卵を守るわ」
鬼一郎「だけどお前の卵も俺が奪ってやる」
紗知「焦ってる焦ってる。楽しいなー。鬼一郎のやつやりすぎだけどまぁいっか」
紗知「私もスキルを使いすぎたから遅くなるわね。まぁ時間はまだあるし大丈夫か」

〇湖のある公園
知紗「はぁはぁ。おねがい卵残ってて」
知紗「この扉の向こうにあるはず」
知紗「よかった。まだ誰も来てない。印が入った卵を早く探さないと」
紗知「もぉすぐゲーム終了か。ギリギリになっちゃった」
紗知「鍵空いてるってことは知紗はいるのね」
鬼一郎「もうゲーム終了か。けっこう短めに設定したんだな」
鬼一郎「早く印の入った卵を見つけないと。あいつらは見つけたんだろうか」
鬼一郎「どっちでもいいか」

〇洞窟の深部
紗知「やっと会えたね」
知紗「お兄ちゃ」
紗知「わかったわかった」
鬼一郎「知紗ー!」
知紗「あ!?」
鬼一郎「逃げろ。紗知に操られてたんだ」
紗知「はぁ?使ってないんだけど」
紗知「嘘ついている。とりあえず1個はわたしな」
知紗「どっちがほんとうのことを言ってるんだろう」
鬼一郎「知紗!逃げてくれ。うわぁ──」
知紗「お姉ちゃんに一回預ける。私は、」
知紗「きゃあ!」
知紗「一個割れちゃった。早く逃げなきゃ!」
知紗「なんでこんなことするの?」
鬼一郎「俺もこんなことしたくないんだ」
知紗「きゃあ!」
知紗「どうしよう。2個とも割られちゃった」
鬼一郎「残るは一つ。もう少しで全て終わるよ。お父さん」
紗知「はぁはぁ」
紗知「おい、鬼一郎!なんでこんなことする」
鬼一郎「説明してる時間はない」
鬼一郎「これで俺だけが勝ちだ」
鬼一郎「父ちゃん。これで復讐を果たせる」
紗知(うそでしょ。な、なんて速さなの)
紗知「どういうことよ。お父さん?復讐?」
鬼一郎「あーそうだよ。俺の本当の父だよ」
鬼一郎「このゲームは元々俺の父が作ったゲーム。それをお前らの父が横取りしたんだよ」
鬼一郎「俺はずっとお前らの父が許せなかった」
鬼一郎「お前らが生まれた時に母が命を落としたんだ。それで男の養子を探してると聞いてな」
鬼一郎「俺にとってはチャンスだったよ」
鬼一郎「あいつの全てを奪ってやる」
紗知「そんなことさせない」
紗知「これからあんたを操ってやる」
鬼一郎「残念。時間だ」
紗知「え!?あ?」
紗知「残り5分か!?」
鬼一郎「そう。ラストスパートで変更ができる」
鬼一郎「全員が一番弱くなるように設定した」
知紗「お姉ちゃん!」
紗知「知紗!?なにそれ?パジャマ?」
知紗「なんか、眠たくなってきた」
紗知「ちょっと、なに寝てんのよ?」
鬼一郎「さぁ、ゲーム終了の時間だ。卵が孵化するぞー!」

〇炎
ドラゴン「おめでとう」
ドラゴン「君の勝ちだ」
ドラゴン「よくがんばったね」
鬼一郎(親父。復讐を果たしたよ)
紗知「なんてこと」
鬼一郎「どういうことだ。卵が割れてない」
  ゲーム終了の時間になりました。今回孵化に成功したのは1名ー。

〇電脳空間
鬼一郎「なぜだ!?俺が勝ったはず」
紗知「知紗が入れ替えのスキルを使って卵の中身を入れ替えたんでしょ」
鬼一郎「入れ替え!?あいつと同じ手口にやられたのか」
知紗「そ、そうよ。まさかお兄ちゃんが裏切るなんて」
鬼一郎「親父ごめん」

〇大きい交差点
  ゲームが終わり私は父の遺産を全て受け取った。
  大人になりそれぞれ仕事をしている
  みんな充実してそうである
  実は卵の中身の入れ替えはしていない
  それは私と父の秘密にしておこう

コメント

  • ゲームの設定からその駆け引きまで目まぐるしい展開で、3者3様のキャラクター性も含め、最後まで楽しく読ませてもらいました。

  • 中身の詰まった面白い作品でした。それぞれのいいところと弱点がバトルで絡み合って、本音や過去が表れてくるのが好きな展開でした。操る能力が出てくると、誰が何をしているのかわからなくなって面白いですね。みんなはっきり性格が分かれていて自分の意志があるのがいいです。大人になった今はなんとなく仲良くやれてそうな気がします。

  • ハラハラしながら読み進めました、復讐ってとても力強い言葉ですよね。
    最後までドキドキハラハラでしたが、最後はみんなが幸せになれてよかったです。

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