死亡確定令嬢 ~生存ルートを求めて~

逆境 燃

第四話『ぶっ飛んだ女』(脚本)

死亡確定令嬢 ~生存ルートを求めて~

逆境 燃

今すぐ読む

死亡確定令嬢 ~生存ルートを求めて~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇城の会議室
  王宮内、お見合いの日
レイリィース「オーホッホッホッホッ!」
レイリィース「私の名はレイリィース・ジョゼフィーヌ・ヴィランガード!」
レイリィース「あなたのようなドMでド変態な王子の婚約者に」
レイリィース「この私がなってあげようってんだから、涙を流して感謝してくださいまし!」
クロムウェル「・・・」
クロムウェル「この俺に対して、そのありえねぇ言葉にありえねぇ態度・・・」
クロムウェル「おもしれー女じゃねーか」
クロムウェル「お前、俺の婚約者になれよ!」
レイリィース「当然、お受けいたしますわぁ!」

〇黒背景
  許 連 死 飲

〇牢獄
レイリィース「・・・」
レイリィース「あの、これ・・・」
執行人「なんだ!」
レイリィース「その、なんでお水なんですの?」
レイリィース「普通こういう時、毒薬ってワインで割るもんなんじゃ・・・」
執行人「だまれぇえ!!」
執行人「貴様、自分の立場が分かってないのか!?」
執行人「お前の数々の悪行は聞きおよんでおるわ!」
執行人「本当なら市中引き回しの上でギロチンにかけてやるところを!」
執行人「ヴィランガード伯爵の必死の申し出を受けて毒薬での自死になっているんだぞ!」
執行人「むしろこの程度で済んでありがたく思え!!」
レイリィース「あ、はい」
レイリィース「それでは失礼しまして」
  ごくごくごくごく。
レイリィース「ぐはぁ!」
執行人「けっ!ようやくくたばったか!」

〇黒背景

〇立派な洋館

〇貴族の部屋
  ゴーン。ゴーン。ゴーン。
レイリィース「・・・」
レイリィース「そりゃ違いますわよね・・・」
レイリィース「では一体何が王子様の琴線に触れたのか」
レイリィース「うーん」
  コンコン。
レイリィース「う~~ん・・・」
レイリィース「分っかりませんわぁ」
レイリィース「そもそも王子様と私ってまともにお話したことがほとんどありませんし」
レイリィース「地方の伯爵令嬢である私とでは住む世界が違い過ぎるお方ですからねぇ」
レイリィース「お見合いのために王都の別宅にいても会う機会なんてありませんでしたし」
レイリィース「普段のパーティーじゃご令嬢方のガードが固すぎましたし」
レイリィース「これまでのループじゃ、王子様のことより、私を殺そうとするご令嬢のことばかり調べてましたからねぇ・・・」
レイリィース「情報が足りないですわ」
セバスチャン「あの、お嬢様?」
セバスチャン「そろそろお支度を・・・」
レイリィース「よし!」
セバスチャン「!?」
レイリィース「悩んでてもしょうがありませんわ!」
レイリィース「とりあえず! 今回のループでは王子様の調査をいたしますわよ!!」
レイリィース「知れば知るほど、未来が変わった理由が分かるはず!」
レイリィース「やぁってやりますわぁ!」
レイリィース「オーホッホッホッホ!」

〇西洋の城
  その後

〇上官の部屋
  お見合いの日の翌日。
  王宮内、クロムウェルの執務室にて
クロムウェル「・・・」
  ペラリ。
クロムウェル「ふむ、新しい栽培法の研究か・・・」
クロムウェル「そのための予算と人員確保が。 なるほど・・・」
クロムウェル「おもしれー。 今度視察に行ってどうするか決めてやるか」
  コンコン。
クロムウェル「入れ」
「失礼いたします」
メイドA「紅茶をお持ちいたしました」
クロムウェル「おう、ありがとう。助かる」
メイドA「うっ、い、いえ!仕事ですから!」
メイドA「それでは失礼いたします!」
クロムウェル「ふっ・・・」
クロムウェル「さて、次はっと」

〇城の廊下
メイドA「はぁああ!!」
メイドA「クロムウェル様にありがとうって言われちゃったぁ!」
メイドA「今日はいい一日になりそー!」
メイドA「さぁ!お仕事頑張るぞー!」

〇上官の部屋
クロムウェル「ふーむ。パーティー会場の改装ね」
クロムウェル「まぁ、渋る訳にもいかねーか」
  コンコン。
クロムウェル「入れ」
「失礼いたしますわ」
「お紅茶をお持ちいたしましたわ」
クロムウェル「紅茶だぁ?紅茶なら今―」
レイリィース「あら!ならお茶菓子だけでもどうぞ!」
レイリィース「私の特製手作りクッキーですわぁ!」
クロムウェル「・・・」
クロムウェル「・・・・・・」
クロムウェル「フッ・・・」
クロムウェル「フハハハッ!おもしれー!」
クロムウェル「せっかくだから貰おう」
レイリィース「はい、どうぞ!」
クロムウェル「ああ」
レイリィース(ふっふっふっ)
レイリィース(完璧。完璧ですわ)
レイリィース(今の私は誰がどう見てもただの美人過ぎるメイドさんですわ!)
レイリィース(これなら王子様も変に警戒することなく、普段通りの姿を見せてくれるはず!)
レイリィース(上手いこと近くで観察して、クロムウェル様の全てを暴いてやりますわよ!)

〇黒背景
  王国中で噂されている王子様の人物像。
  曰く『文武両道のカリスマ』
  曰く『女性をトリコにする魔性の王子』
  曰く『国家の中心となる新鋭』
  国中に知れ渡っているその風聞!

〇上官の部屋
レイリィース(しかし!私が知りたいのはそんな表面上の噂ではありませんわ!)
レイリィース(もっと奥深い何か!)
レイリィース(王子様の内面が知りたいのですわ!)
レイリィース(それこそが! このループを突破する鍵なのですから!!)
クロムウェル「ほう、このクッキー・・・」
レイリィース「?」
クロムウェル「塩味のクッキーか・・・」
レイリィース「あっ、お気に召しませんでしたか?」
レイリィース「甘いのが苦手でも食べやすいようにと作って来たのですが・・・」
クロムウェル「いや、旨い」
クロムウェル「ほのかな塩味がクッキーの甘味を引き立てている」
クロムウェル「料理が上手いんだな」
レイリィース「オホッオーッホホホ!」
レイリィース「そ、それほどでもありませんわぁ!」
レイリィース「これぐらい淑女のたしなみでしてよぉ!」
レイリィース(し、しっかりしなさい、レイリィース!)
レイリィース(少し料理を褒められて『以外に笑顔が可愛い』とか考えてる場合ではありませんわ!)
レイリィース(甘えは捨てなさい!塩辛く評価するのです!)
レイリィース(忖度なしに王子を観察することこそが、今私のするべきことなのですから!)
クロムウェル「ところで」
レイリィース「なんでしょう?」
クロムウェル「この後、俺は兵士の訓練の視察に行くんだが、お前もついてくるか?」
レイリィース「はい!」
レイリィース「あっ、いえ!私も仕事がありますので! 残念ですけどご一緒できませんわぁ!」
クロムウェル「・・・」
クロムウェル「あっそ」
クロムウェル「つまんねーの・・・」

〇闘技場
  王都の訓練場にて・・・
兵士B「はぁっ!はぁっ!」
クロムウェル「・・・」
兵士B「!」
兵士B「セィアア!」
クロムウェル「甘い!」
兵士B「うおっ!」
兵士B「んなっ!?」
クロムウェル「どこを向いている! こっちだ!」
兵士B「イッツァ!」
クロムウェル「打ちこんだ後まで考えろ!」
クロムウェル「目を凝らせ!体勢を崩すな! そんなんじゃ護衛対象を危険にさらすぞ!」
兵士B「うっぐっ!この!!」
クロムウェル「だから甘いって言ってんだよ!」
兵士B「グハッ!」
クロムウェル「近衛兵になるんだろ! 気合だけでなれると思うな!」
クロムウェル「もっと頭を使え!」
兵士B「は、はい!」
クロムウェル「よし!」

〇球場のベンチ
兵士C「うへー相変わらずつえー・・・」
兵士A「王子から一本とるとこ想像できないわ・・・」
兵士C「本気出したら護衛の近衛兵以上に強いらしいぜ」
兵士A「なんだそれ」
兵士A「守られる方が強いって意味わかんねーだろ・・・」

〇闘技場
兵士B「グハァッ!」
兵士B「ハァッ!ハァッ!ハァッ!」
兵士B(か、勝てねぇ!マジで勝てる気がしねぇ!)
兵士B(あ、足が、足がもう動かねぇよ!)
兵士B(ば、化け物だ、この人!)
クロムウェル「おーし。 だいぶ出来るようになったじゃねーか」
兵士B「ひ、ひゃい・・・!」
クロムウェル「ほら、立てるか?」
兵士B「そ、そんな!お手をお借りするほどでは!」
クロムウェル「バーカ」
クロムウェル「手を借りてんのはこっちなんだよ」
クロムウェル「お前らのおかげで、国の安全や治安は守られてる」
クロムウェル「少しぐらい恩返しさせろ」
兵士B「うっ・・・」
兵士B「王子ぃ・・・」
クロムウェル「おらよっ!」
兵士B「ひぃうん!」
兵士A「王子!ここは私にお任せを!」
クロムウェル「・・・」
クロムウェル「そうだな。 頼む」
クロムウェル「だいぶ足に来てるからな。 上手く支えてやってくれ」
兵士A「了解!」
兵士B「うぅうっ・・・王子ぃ・・・!」
兵士B「俺、おれぇ」
クロムウェル「おう。 また付き合ってやるから、もっと強くなれよ」
兵士B「はいぃ・・・!」
クロムウェル「よっし」
クロムウェル「さぁて!他にやりてぇ奴はいるか?」
クロムウェル「滅多にない機会だぞ?」
クロムウェル「この俺と訓練出来るなんてのはな!」
「はいはーい!次、お願いしますわ!」
クロムウェル「ほう? いいだろう!かかってきな!」
レイリィース「それでは失礼して」
クロムウェル「・・・」
レイリィース「さぁ!手加減なしで行きますわよ!」
クロムウェル「・・・」
クロムウェル「・・・・・・」
クロムウェル「ふっ・・・」
クロムウェル「フハハハハハッ!」
クロムウェル「おもしれーじゃねーか!」
クロムウェル「お前、怪我してもしらねーぞ!!」
レイリィース「そちらこそ! 怪我にはお気をつけあそばせ!」
クロムウェル「ああ!かかってこい!」
レイリィース「つかまつりますわぁ!」

〇西洋の城
  その後

〇西洋の城

〇西洋の大浴場
クロムウェル「ふぅ・・・」
クロムウェル「久しぶりにいい汗かいた」
クロムウェル「やっぱり、たまには体を動かさねーとな」
クロムウェル「しかしあの女・・・」
クロムウェル「この俺にあそこまで食らいつくとは」
クロムウェル「やはり只者じゃねーか」
  コンコン。
「失礼いたします。 お湯加減いかがですか?」
クロムウェル「あぁ、ちょうどいい」
クロムウェル「あと十分で上がるから用意を頼む」
「かしこまりました」
クロムウェル「ふぅ・・・」
クロムウェル「しかし、いきなり王宮に忍び込んでくるとはな・・・」
クロムウェル「まぁ、これも想定通り」
クロムウェル「とは言えねぇか」
クロムウェル「でもまぁ、多少ぶっ飛んでるぐらいじゃねーとこっちとしても」
「失礼いたしますわ」
クロムウェル「あぁ?」
レイリィース「お背中、流しに参りましたわぁ!」
クロムウェル「いや、さすがにぶっ飛び過ぎだよ、お前は!?」
レイリィース「さぁさ、お湯から出てお体を」
クロムウェル「流させねぇよ!?」
レイリィース「それではご一緒に湯船で100を」
クロムウェル「数えさせねぇよ!?」
レイリィース「じゃ、私に何をしろって言うんですの!!」
クロムウェル「何もすんなよ!」
クロムウェル「男湯に平気なツラして入って来てんじゃねーよ!」
クロムウェル「出てけよ、今すぐ!」
レイリィース「それじゃ、なんのためにここに来たのか分からないじゃありませんの!」
クロムウェル「いや、知らねーよ!」
クロムウェル「いいから出てけよ!」
「お、王子!なにごとですか!?」
クロムウェル「あぁ!?」
クロムウェル「ちょ、ちょっと待て! 入ってくるな!」
近衛兵「王子!?」
クロムウェル「チッ!」
クロムウェル「あ、あの女・・・」
近衛兵「女?」
クロムウェル「い、いや」
クロムウェル「なんでもねぇ!」
クロムウェル「ハハッ」
クロムウェル「ハハハハハッ!」

次のエピソード:第五話『ノート』

コメント

  • 恐らく熱い漢を書くのが好きで得意な逆境さんが女性主人公を書いているという化学反応が素晴らしいのか、キャラクターのバランスがとてもいいです。
    そろそろ大きな展開来そうな期待。
    次回もお待ちしてます。

成分キーワード

ページTOPへ