読切(脚本)
〇川沿いの公園
妖精ポコルー「──ワルインダーが弱っている今がチャンスポコ!」
魔法少女イーリス「うん!」
魔法少女イーリス「魔法少女イーリス・フォン・グラッドユフィールの名において、」
魔法少女イーリス「精霊の力を今ここに顕現せよ!!」
魔法少女イーリス「イーリス・サンフラワーシャワー・テンペスト!!」
それは魔法少女イーリスの決め技である。
放たれた光の花びらは、怪物ワルインダーを優しく包み込み、浄化していく。
ワルインダー「しゅわ、しゅわわわ〜〜ん・・・」
ワルインダー「ワ、ワルクナーイ・・・・・・」
ワルインダーは浄化され消滅した。
魔法少女イーリス「っふぅ・・・・・・」
妖精ポコルー「お疲れ様だポコ」
魔法少女イーリス「ありがとう、ポコルー!」
イーリスはポコルーに抱きついて喜ぶ
妖精ポコルー「わわ、急に抱きつかないでポコー!」
妖精ポコルー「お、お胸が、苦し、いポコ・・・・・・」
魔法少女イーリス「ああっ、ごめん!」
妖精ポコルー「それにしても、」
妖精ポコルー「今回のワルインダーは強かったポコ」
魔法少女イーリス「うん、ポコルーが助けてくれなかったら危なかったよ」
魔法少女イーリス「いつもありがとう」
魔法少女イーリス「・・・・・・chu♡」
イーリスはポコルーの頬に優しくキスをした
妖精ポコルー「ポ、ポゥ!?」
妖精ポコルー「ポ、ポポッ、ポコ〜〜〜〜!!」
妖精ポコルー「いきなりキスしちゃだめポコ!!」
魔法少女イーリス「え〜だって嬉しかったんだもん!」
妖精ポコルー「だめったらだめポコ!」
妖精ポコルー「イーリスは正体がバレそうになったり、いつも危なかしいポコ」
魔法少女イーリス「わ、わかったよぅ・・・・・・」
妖精ポコルー「それじゃ、ポコルーは妖精界に帰るポコ」
魔法少女イーリス「はーい! 気をつけてね」
魔法少女イーリス「あっ、待って! ポコルー!」
妖精ポコルー「どしたポコ?」
魔法少女イーリス「あのね、この前の話なんだけど・・・」
魔法少女イーリス「やっぱり悠くんに魔法少女のこと話しちゃだめ、かな・・・・・・」
妖精ポコルー「じぇっ、絶対にだめポコ!!」
魔法少女イーリス「でも、悠くんは幼なじみだし、私にとって家族みたいに大切な人っていうか・・・・・・」
魔法少女イーリス「あ、将来的には!? 本当に家族になれたら・・・」
魔法少女イーリス「なんて・・・ち、違うよ!?」
妖精ポコルー「幼なじみでも家族でも」
妖精ポコルー「魔法少女の正体は絶対に、秘密なんだポコ」
魔法少女イーリス「そっか、そうだよね・・・・・・」
妖精ポコルー「イーリスの気持ちも分かるけど・・・・・・」
妖精ポコルー「ごめんポコ・・・・・・」
魔法少女イーリス「ううん、私の方こそごめん」
妖精ポコルー「それじゃ、ポコルーは妖精界に戻るポコ・・・・・・」
魔法少女イーリス「あ、うん! 呼び止めてごめんね!」
魔法少女イーリス「また助けに来てね!」
妖精ポコルー「もちろんだポコー!!」
魔法少女イーリス「ふふ、ありがとう!」
魔法少女イーリス「さてと・・・・・・」
魔法少女イーリスは物陰に隠れ変身を解く
元の姿──ごく普通の高校生、白石綾女がそこにいた
魔法少女の正体は誰にも秘密、それが絶対のルールである
──そして
この場には
もう一つ秘密があった
〇学校のトイレ
1ヶ月程前のこと──
牧野悠「はぁ・・・っ、何とか間に合いそうだ!!」
牧野悠はトイレに駆け込んだ。
勢いよく個室のドアを閉め、便座にまたがる
〇清潔なトイレ
牧野悠「間に合ったァ・・・・・・」
牧野悠がそう確信した時である
大いなる精霊の意思「(・・・聞こえて、い・・・ます、か?)」
大いなる精霊の意思「(こちらはいま、あなたの意識に直接話しかけています・・・)」
牧野悠「な、なんだ、この声は・・・?」
大いなる精霊の意思「(私は、大いなる精霊の意思)」
大いなる精霊の意思「(簡潔に言います)」
大いなる精霊の意思「(牧野悠、あなたたちの世界は魔帝ゴクアークに狙われています)」
牧野悠「・・・は?」
牧野悠「え、何だって?」
大いなる精霊の意思「(牧野悠、あなたは妖精ポコルーとなり魔法少女と共にこの世界を守るのです)」
牧野悠「ちょっ、待って!?」
大いなる精霊の意思「(待ちません)」
大いなる精霊の意思「(事態は一刻を争うのです)」
牧野悠「こっちだって一刻を争うってか、もう・・・・・・」
我慢の限界である
2秒前
1秒前
残されたわずかな時間、悠は頭をフル回転させ考える
会話が出来ているということは、こちらの音声が筒抜けだとして、
このままではこちらの排泄音までお届けできてしまうのではないか
そんなの絶対に嫌だッ!!
人としての尊厳を守るため、悠は吼えた!!
牧野悠「ふんぬぅぅわああああああァァァ〜〜〜ッ!!」
大いなる精霊の意思「(ど、どうしたのです!?)」
悠は出した
声とともに全てを
牧野悠「な、なんでもないですよ」
大いなる精霊の意思「(そうですか・・・牧野悠、あなたは妖精となり魔法少女と共にこの世界を守るのです、良いですね?)」
牧野悠「あーはい。了解です」
悠は、全てを出し切った達成感と解放感から、うっかり返事をしてしまう
牧野悠「・・・って、え?」
大いなる精霊の意思「(まずは魔法少女を見つけるのです・・・頼みま、したよ・・・)」
牧野悠「えっ、え?」
牧野悠「どうやって見つけるの!?」
大いなる精霊の意思「(・・・反応が、起る、・・・ず)」
大いなる精霊の意思との会話は途絶えた
牧野悠「参ったなぁ、どうしよう・・・」
その日の帰り道、幼なじみの白石綾女を見かけた瞬間──
ぽこるんっ!
という音ともに、悠の体は妖精ポコルーに変身していた
それからなんやかんやあって白石綾女が魔法少女となり今に至る──
〇川沿いの公園
牧野悠(──とまぁ、妖精ポコルーの正体は俺なんだけど)
牧野悠(綾女には内緒だ)
牧野悠「さて、自然な感じで戻らないとな・・・」
〇川沿いの公園
牧野悠「綾女ー!大丈夫かー!?」
白石綾女「わわっ・・・悠くん!?」
白石綾女「わ、私、ちゃんと着替えてるよね!?」
牧野悠「へ? 着替え?」
白石綾女「さっきまでワルインダーと戦っててそれで、ちゃんとお着替えできて・・・・・・」
牧野悠「ちょ、綾女!? ストップだポコ!!」
あっ、語尾にポコついちゃった
白石綾女「はっ!?」
白石綾女「ううん、今のはなんでもないよ!? 私、元気だよ!!」
牧野悠「そっか、無事でよかった・・・」
白石綾女「・・・あれ?」
白石綾女「いまポコって、聞こえたような・・・」
牧野悠「き、気のせいじゃないか!?」
白石綾女「そっか、そうだよね! あはは・・・」
──とまぁ、お互い秘密に慣れていないけど・・・
何とかやっている
ゴクアークから世界を守る、俺たちの戦いは──
これからだ!
── Fin ──
凄すぎました
おもしろかったです!
ポコの正体が笑えました。笑
まさかの彼だったとは…誰にもわかりませんよね。
契約した時のシーンもすごくよかったです!笑いました!
可愛いお話しですね、ボコルーの純粋な感じがいいですね。短いお話しでしたが、ストーリーが上手に展開されていて楽しく読ませて頂きました。