ウサギの鼻毛の向こう側

Dickinson

兎と狐のホームランボール(脚本)

ウサギの鼻毛の向こう側

Dickinson

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〇黒
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  画家
  将来の夢
  挫折

〇芸術
バニ子「絵画を生成しました」
バニ子「取引額」
バニ子「¥500」
  しょっぼ!
  バニ子!やり直しっ!
  華子
  不登校
  自立

〇リンドウ
バニ子「絵画を生成しました」
バニ子「取引額」
バニ子「¥70」
  駄菓子か!
  んも~!マジメにやって!
  高級
  名画
  バニ子がんばれ

〇湖畔
バニ子「絵画を生成しました」
  おぉ!?
バニ子「取引額」
バニ子「¥20000」
  キタ──ッ!
バニ子「出品しますか?」

〇黒

〇原宿の通り(看板無し)

〇リサイクルショップ(看板文字無し)

〇リサイクルショップの中
「しゃっせ~」
ウサ子「──って」
ウサ子「なんだ、コン介か」
コン介「なんだとは何だよ」
ウサ子「あっした~」
コン介「待て待て!」
ウサ子「なんだよ~」
ウサ子「久々に高い絵が出たのに」
ウサ子「2万以上の買い物しないなら帰れ」
コン介「に、2ま・・・」
コン介「またA.I.絵かよ 売れんのかソレ」
ウサ子「ん~・・・」
ウサ子「二割五分?」
コン介「打率悪っ」
ウサ子「うっさいなぁ」
ウサ子「挑戦なき者に成功なし」
コン介「画家の娘が聞いて呆れるぜ」

〇美術室
「あっ!勝手に2階あがるな!」
コン介「あれ?絵描いてんの?」
ウサ子「それはお母さんの」
ウサ子「マジなにしに来たんだよ~」
ウサ子「うちは骨董品と画材しかないぞ」
ウサ子「マウンドから皿でも投げんのかよ」
コン介「あ~・・・」
コン介「辞めた」
ウサ子「あん?」
コン介「野球、」
コン介「辞めた」
ウサ子「・・・」
ウサ子「はぁ!?」
コン介「肘やっちまって」
ウサ子「ア、アンタから野球取ったら」
ウサ子「”鼻毛”しか残らないじゃん・・・」
コン介「どんな化物だよ!?」
「・・・」
ウサ子「あのさ」
ウサ子「私のせい?」
コン介「んなワケ──」
ウサ子「だよねー」
コン介「早ぇな!」

〇美術室
  幼馴染み
  告白
  保留

〇野球のグラウンド
  なぁウサ子
  ホームラン打ったらさ──

〇原宿の通り(看板無し)
  3日後

〇リサイクルショップ(看板文字無し)
「ぅう売れたァーッ!」

〇リサイクルショップの中
ウサ子「皿割ったァーッ!」
ウサ子「秒でプラマイゼロじゃん・・・」
  契約の申請をしますか?
ウサ子「当然ですよバニ子さん」
  売買契約を開始──
ウサ子「どした?」
  不正アクセスを検出しました
ウサ子「はぁああッ!?」

〇仮想空間

〇芸術

〇リンドウ

〇湖畔

〇リサイクルショップの中
  データが破損しています
ウサ子「私の2万えーんッ!」
ウサ子「ストップ!ストップってばぁーッ!」
ウサ子「なんでぇ!」
ウサ子「誰か助けてぇーッ!」

〇リサイクルショップ(看板文字無し)
「誰か助けてぇーッ!」
コン介「ったく!予想通りかよ!」

〇リサイクルショップの中
コン介「ウサ子!」
ウサ子「鼻毛!」
コン介「誰がだァ!」
コン介「貸せっ!」
コン介「ニュース見てねぇの!?」
ウサ子「ダメ!操作出来ないの!」
コン介「ハッキングされてんだ!」
ウサ子「えぇ!?」
コン介「無理やり電源切るしかねぇ!」
ウサ子「ちょちょちょ!?」
コン介「ウサ子わりぃ!」
ウサ子「待っ──」

〇リサイクルショップ(看板文字無し)
「ばかぁーッ!」

〇リサイクルショップ(看板文字無し)
  ラビットドロー
  形見のタブレット
  お父さん
  ──逆恨みだって

〇リサイクルショップ(看板文字無し)

〇葬儀場

〇教室
  仕方ねーよ
  余計なA.I.開発してさ
  何人も失業して
「いま『仕方ねぇ』つったの誰だァ!」

〇野球のグラウンド
  近藤くん
  レギュラー外されたって

〇黒
  コン介
  ごめん

〇黒
  お父さん
  なんでこんなモノ作ったの?

〇リサイクルショップ(看板文字無し)

〇美術室
コン介「あ、親父?」
コン介「相談なんだけど」
ウサ子「はぁ・・・」
  本日昼頃──
  自動絵画生成A.I.
  『ラビットドロー』の管理サーバーへ
  サイバー攻撃が仕掛けられました
  著作権の侵害を理由に──
  利用者を脅迫──
  昨年の開発者の殺害事件を受け
  警察が捜査を続けており──
コン介「そっか、わかった」
コン介「古い型だから部品がないって」
コン介「A.I.データが無事なら」
コン介「俺のに移してみるってさ」
ウサ子「そう・・・」
コン介「悪かった」
ウサ子「ううん」
ウサ子「お母さんにまで迷惑かかるとこだったもん」
ウサ子「あんがとね・・・」
コン介「良い機会って」
コン介「言い方はアレだけどよ」
コン介「学校来いよ」
コン介「そろそろ1年か・・・」
コン介「どうせ3月で卒業だろ」
コン介「親父さんのこと まだゴチャゴチャ言う奴いたら 俺がぶっ飛ばしてやるよ」
コン介「なっ?」
ウサ子「そうだね・・・」
ウサ子「月3000円でいいよ」
コン介「2万は諦めろよ!」
  ありがと
  コン介

〇リサイクルショップ(看板文字無し)
  でもね

〇黒
  ”それ”が辛いんだ

〇リサイクルショップ(看板文字無し)
「バニ子生きてた!?」

〇美術室
コン介「絵は消えてたけど」
コン介「湖の絵だっけ?」
コン介「同じキーワードで出たぜ」
ウサ子「よかったぁ~・・・」
ウサ子「実はあれからメール来てさ」
ウサ子「売買契約だけ完了してて」
コン介「おま、それ」
ウサ子「危うく詐欺」
コン介「もういっそ捕まれ」
ウサ子「ねぇ見して!」
コン介「ほらよ」
  なんかおる
ウサ子「も、もっかい見して?」
コン介「え?おう・・・」
コン介「な、なんだよっ!?」
ウサ子「逆になんでだよっ!」
ウサ子「フツー気付くだろっ!」

〇美術室
  キーワード
  鼻毛
  ホームラン打ったらさ──

〇野球のグラウンド
  俺と──
  ちょい考えさせて

〇リサイクルショップ(看板文字無し)
「なに入れても出てくんな」

〇美術室
コン介「バグったのか?」
ウサ子「もう鼻毛じゃん」
ウサ子「ぜんぶ台無し」
コン介「どのキーワードだ?」
コン介「ミイラ判定されてんのは・・・」
ウサ子「アンタが鼻毛出てっからじゃね?」
コン介「A.I.絵の贋作とかなぁ」
ウサ子「鼻毛よかマシだろ」
コン介「お前が学校来ないと」
コン介「リベンジ出来ねぇんだけど」
ウサ子「・・・」
ウサ子「野球マジで辞めんの?」
コン介「・・・」
コン介「どうせ試合出れねぇし」
ウサ子「・・・試合出れなきゃ」
ウサ子「野球つまんないの?」
コン介「お前は?」
コン介「1年振りに絵描いて、どうだよ」
ウサ子「まぁ、」
ウサ子「楽しいかな」
コン介「そんなもんかもな」
ウサ子「なにが」
コン介「『あぁやっぱ好きだ』って感じ」
ウサ子「かもね」
ウサ子「今さ」
ウサ子「”バッターボックス”立った?」
コン介「挑戦なき者に成功なし」
ウサ子「うわっ、やっかまし」
コン介「・・・判定は?」
ウサ子「ファール」
コン介「んだよ・・・」
ウサ子「フルスイングしか認めねー」
ウサ子「あと2球な」
ウサ子「ちなみに2アウトだから」
コン介「まだ1アウトだろ!?」
ウサ子「はい、見逃しで2ストライク~」
ウサ子「ラストチャンスだぞ~」
コン介「・・・鼻毛ってさ」
コン介「異物を防ぐために生えてんだって」
ウサ子「へぇ」
コン介「きっと」
コン介「『守りたい』って気持ちが強すぎたんだ」
ウサ子「それで鼻から飛び出た、と」
コン介「おう」
ウサ子「コン介」
コン介「痛ってぇ!」
ウサ子「マジそーゆーとこだかんな!」
コン介「なにがだよ!?」
ウサ子「いつまで鼻毛出てんだよーッ!」
コン介「痛ててて!」
コン介「あっ!」
ウサ子「誤魔化すな!」
コン介「ち、ちが」
コン介「抜けた抜けた」
ウサ子「あぁん!?」
コン介「鼻毛・・・」
ウサ子「マジで!?」
コン介「マジで、ほら」
ウサ子「なんで!?キーワードは!?」
コン介「えっ?バニ子がん──」
コン介「あっ」
コン介「予測変換をミスってたんだ」

〇黒
  バニ子がんばれ
  ハナ子がんばれ

〇美術室
コン介「LINEのデータがA.I.に混ざってんだ」
ウサ子「私が」
ウサ子「最初に描いた絵」
ウサ子「コン介」
ウサ子「ちょいチャリ借りる」
コン介「”ラビットドロー”か・・・」

〇リサイクルショップ(看板文字無し)
  私も画家になりたい!

〇土手

〇電気屋
ウサ子の父「ラビットボール?」
コン介の父「飛距離の出る設計の球さ」
ウサ子の父「試合で使えないだろ?」
コン介の父「いいんだよ」
コン介の父「龍之介が野球好きになりゃ」
コン介の父「ホームラン打てたら楽しいだろ」
ウサ子の父「まぁそれはな」
コン介の父「お前は?何かないのか?」
ウサ子の父「華子に?」
ウサ子の父「う~ん」

〇黒
  ラビットドローみたいな?

〇空
  お父さん

〇黒
  ありがとう

〇空

〇商業ビル

〇バッティングセンター

〇空

コメント

  • トリコン見返しているのですが、これは本当に完成度が高い😮😮😮😮
    鼻毛のオリジナリティにシーン演出やスチルの効果、最後に明かされる伏線など本当に素敵。
    コンテスト的に、不正アクセスの子の魅力が伝えられなかったことだと思うけど……
    タップノベルの作品として参考にしたい一つの作品です!!

  • 2000字の制限の中で天気や時間を巧みに表現されていて、キャラクターが過ごしている日々を感じる物語でした✨ 娘が絵を好きになってくれたらという思いで開発した物が、誰かを苦しめ、自分の命を奪うきっかけになってしまったというのがとても切ないです🥲 お父さんの残したきっかけで華子ちゃんが好きを取り戻す温かいラスト、沁みました!
    コン介、ナイスホームラン🙌

  • おぉ、これは2000字とは思えない…!
    いや、音やエフェクトでボリューム感を盛ってるだけならそんなに驚かないんですが、めっちゃ会話してるなと感じるのに2000字というのが凄いです。何気に台詞が上手いんですよねぇ、いつも…
    ウサ子の女子高生っぽい喋りが良かったです!しろじゃけ様の生き生きとした美少女がより生き生きと見えますね👍
    野球に引っかけた告白の押し引きや、ラストの無声の演出も良かったです✨

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