愛しさのカタチ

兎乃井メライ

DAY12: 意外なお誘い(脚本)

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〇図書館
  ――翌日、放課後
三澤梨々花(やっぱり不摂生なのがいけないのよ)
三澤梨々花(怒りっぽいのも、圧倒的にカルシウム不足の証拠よね・・・・・・)
三澤梨々花(とにかく私に出来るのは、 バランスのいい献立を考えること 食はすべての基本! てってー的に改善してやるんだから)
三澤梨々花(緑川さんから熱は下がって大学に行った って連絡はきたけど・・・・・・ 先生、大丈夫かなあ?)
三澤梨々花(ごはん、ちゃんと食べたかな・・・・・・)
三澤梨々花(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
三澤梨々花(・・・って、 なんで私、こんなに一生懸命になってるんだろう💦)
三澤梨々花(あーゆー人はちょっと痛い目みて 反省した方がいいのよ! 人が心配してるのに「うるさい」だの「ほっとけ」だの・・・)
上杉睦「・・・ずいぶん積み上げてるな」
三澤梨々花「あ、睦くん!」
三澤梨々花「どうしたの? 珍しいね、図書室に来るなんて」
上杉睦「吉沢に言われて呼びに来たんだよ ほら、今日OBとのミーティングだろ そろそろ始まるぞ」
三澤梨々花「ああっ!そうだった! ごめん、すぐ片づけて行くから──」
  バサバサバサッ──
司書「――コホン! 図書室では静かに」
三澤梨々花「す、すみませーん💦」
上杉睦「片すの手伝う。俺が持つよ」
三澤梨々花「ご、ごめん、ありがとう💦 じゃあ奥の棚に戻してくれる?」
上杉睦「ん、わかった」
三澤梨々花(すごーい、睦くん あんなにたくさんの本を軽々と・・・ 細いのに、力持ち!)
三澤梨々花(そういえば背もずいぶん伸びたなぁ 一年生の時は里見くんより低かったのに)
三澤梨々花(男の子ってどんどん変わっていくなぁ)
上杉睦「置いてきた 行ける?」
三澤梨々花「うん、ありがとう!」
三澤梨々花「あ、でもカバン教室に置いたままだ💦 取ってこなきゃ」

〇学校の廊下
三澤梨々花「お待たせ! ごめんね、付き合ってもらって」
上杉睦「いや、べつに それに一人で戻ると吉沢がうるさそうだしな」
三澤梨々花「美森、ハリキってるよね OB呼んでの合同練習」
上杉睦「まあ、次期部長候補だしな」
上杉睦「でもあいつ、一年を徹底的に鍛える気でいるけど大丈夫なのか?」
三澤梨々花「うーん・・・ たぶん、そろそろ退部者が続出し始める頃かな・・・」
三澤梨々花「テニスしたいというより 里見くん目当ての子が多いしね・・・」
上杉睦「先行き不安すぎるな・・・ こっちも3年がこぞって退部するし」
三澤梨々花「あのいい加減な先輩たちだよね・・・ 最後の大会前なのに」
上杉睦「テキトーすぎるよな でもやる気ないヤツにいてもらっても迷惑だし」
上杉睦「結果としてはよかったのかも こっちは練習に集中できるし」
三澤梨々花「・・・そっか」
三澤梨々花「それに男子の方は見込みある一年生も多いし、この先は安泰そうだよね 美森がいつもうらやましがってるよ」
三澤梨々花「マネージャーも後1人くらい欲しいところだよねー」
上杉睦「・・・そういえば三澤って 松本に誘われてマネになったんだっけか」
三澤梨々花「うん 本当は部活入る気はなかったんだけど」
三澤梨々花「でもお世話係ってけっこう好きだし 今は楽しんでやってるよ」
上杉睦「家のことは三澤がやってるんだっけ 大変だな でも三澤ってそういう顔しないよな」
上杉睦「なんていうか・・・いつも明るいだろ 辛そうな顔とか、グチ言ったりとか全然しないと思って」
上杉睦「ぶっちゃけ しんどい時とかないのかなーと・・・」
上杉睦「お姉さんと二人暮らしだし 前はよく引っ越ししてたって、聞いた気がしたから」
上杉睦「・・・悪い 余計なお世話だよな」
三澤梨々花「ううん、そんなことないよ!」
三澤梨々花「でも大丈夫! こう見えてもけっこうタフなんだ」
三澤梨々花「それに、高校入ってお姉ちゃんと一緒に住むようになってからは引っ越しもないしね」
上杉睦「それまではお姉さんと住んでなかったのか?」
三澤梨々花「うん・・・ 両親亡くなってしばらく、事情があって親戚の家を転々としてたの」
三澤梨々花「お姉ちゃんがこっちで就職して、呼んでくれたんだ」
上杉睦「なんか大変だったんだな・・・ 悪い、突っ込んだこと聞いて」
三澤梨々花「気にしないで 心配してくれてありがとう」
三澤梨々花「睦くんてやさしいよね いつもめっちゃ気遣ってくれて」
上杉睦「・・・誰にでもってわけじゃねーけど」
三澤梨々花「え?」
上杉睦「いや・・・あのさ 三澤、今度の土曜ってヒマ? 部活の後」
三澤梨々花「土曜? バイトはあるけどその日は夕方からだから それまでなら大丈夫だよ どうしたの?」
上杉睦「・・・遊園地の期間限定のイベントのチケットがあってさ」
上杉睦「よかったら行かないか?」
三澤梨々花「遊園地?」
上杉睦「うちの姉貴さ大学で演劇やってて 演技力向上のためとかで ホラーハウスのオバケ役のバイトしてんだ」
上杉睦「で、感想聞きたいからってチケット押し付けられたんだよ そのイベントの最終日が今度の土曜でさ」
上杉睦「しかもカップルの反応が見たいから、女の子と来いって・・・」
三澤梨々花「ホラーハウスってお化け屋敷だよね? 面白いお姉さんだね」
三澤梨々花「うん 私でいいなら協力するよ!」
上杉睦「マジで? サンキュー、助かる」
三澤梨々花「でも私そういうのけっこう平気なんだよね お望みのリアクション出来ないかもしれない・・・」
三澤梨々花「あ、じゃあ美森たちも誘ってみんなで行く?」
三澤梨々花「あの子、あれでめちゃくちゃ怖がりなの! 私より適役だと思うよ」
上杉睦「あー・・・・・・そうなんだ」
上杉睦「・・・そうだな チケットは余分にあるし あいつらも誘うか」
貴島里見「わっっっっ!!」
三澤梨々花「えっ!? わっ、里見くん!! びっくりした!!」
上杉睦「お前なぁ💦」
貴島里見「へへっ♪大成功」
貴島里見「ていうか二人とも遅い! 遅いから迎えにきた! ミーティング始まるよ」
上杉睦「今行くところだったんだよ」
三澤梨々花「ごめんね、私が教室にカバン取りに行ってたから💦」
貴島里見「まあいいけど」
貴島里見「とりあえず、行こう行こう! ほら、ゴーゴー!」
上杉睦「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

次のエピソード:DAY13: OBはあの人

コメント

  • 更新、とっても嬉しいです!
    梨々花ちゃんの学園回ですね。おかん気質を出しながらも自身の色恋には相変わらず鈍感な様子でww

  • 初コメ失礼しますm(_ _)m 以前から拝見していました🙏
    更新待ってました!!!
    上杉君含め色々な男性からのアピールに気づかない梨々花は何も変わってなくて逆に安心します笑
    遠くからひっそりと応援しています!

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