クロノアオルガン

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第九話 最悪なニチジョウ(脚本)

クロノアオルガン

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〇華やかな裏庭
クロノア「オルガ! 今日の朝ご飯は、自信作なんだ♪ ささっ!食べて♪食べて♪」
オルガ「あ、ありがとう。 って── 朝からボリューミーね?」
クロノア「朝ご飯は、その日1日の活力源だからね!」
オルガ「じゃあ、今日も・・・ いただきます!!」
  もぐもぐとオルガが食べ進めていると・・・
クロノア「・・・」
オルガ「どうかした?」
クロノア「・・・えっと── 食べてる姿も・・・かわいいなって思って・・・」
オルガ「・・・!!」
クロノア「──それと・・・ 口の端に・・・ソースが付いてる・・・。 触ってもいい?」
  オルガは、その言葉を聞くと──
  高速で残りのご飯を食べあげ・・・
オルガ「ご、ごちそうさまでしたっ!!!!!!」
  その場から逃げ出すように去った。

〇要塞の廊下
オルガ「クロノアが私に許可なく触れなくなってから──」
オルガ「言葉での確認が多くなったのよね・・・」
オルガ(それは・・・それで・・・気恥ずかしいと言うか・・・)
オルガ「・・・反応に困るのよ・・・!」
使用人?2「おや?オルガ様! おはようございます。 もう朝食は良いのですか?」
オルガ「わっ!! はいっ!!」
オルガ「いっぱい食べました!! 大丈夫ですっ!!」
使用人?1「クロノア様と暮らし始めて── ニ週間ですかな?」
使用人?1「ここでの暮らしも慣れてきましたか?」
使用人?2「何か不備があれば・・・ご遠慮なくお申し付けくださいね」
オルガ「はい。 ありがとうございます」
使用人?1「そう言えば・・・庭に50年に一度咲く”フィストレーラの花”が咲いているのをご存知ですか?」
オルガ「ご、50年に一度!?」
使用人?2「はい。 とても貴重な花ですので・・・まだ見られていないのでしたら・・・ぜひ!」

〇華やかな広場
オルガ(50年に一度咲くって! もう、見に行くの今しかないじゃない!!)
オルガ「!!!!」
オルガ「あの花かな?」
オルガ(綺麗♪ 触ってみてもていいかな?)
  オルガが花に手を伸ばすと──
クロノア「触っちゃダメだよっ!!!!!!」
  鋭い声と共にクロノアが咄嗟に掴む。
クロノア「茎に触れてないかいっ!?」
オルガ「う・・・うん」
クロノア「この花の茎には・・・毒の成分が含まれているんだ。 素手で触れたら・・・火傷みたいな熱さがする・・・!!」
オルガ「そうだったの!? ありがとう。 触る所だった・・・!!」
クロノア「この花が欲しいのかい?」
オルガ「え・・・いや・・・ちょっと間近で見てみたいなーと・・・」
クロノア「そう・・・」
オルガ「クロノア?」
  次の瞬間──!!
  クロノアは、ためらいなくフィストレーラの花を手折り・・・花だけをオルガに差し出す。
クロノア「はい♪ 茎には毒があるけど、花には毒はないから・・・安心して?」
オルガ「バ、バカッ!!!!!!!!!! 何してんのっ!?!?」
オルガ「手!!手!!!! 見せて!?」
クロノア「オルガ? オルガ、落ち着いて!?」
オルガ「落ち着いてられる訳ないでしょ!?」
クロノア「だ、大丈夫!大丈夫だから!!」
  オルガが強引にクロノアの手を見ると──
オルガ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
クロノア「ね?何もないだろう? ・・・僕は”ゴーレム”だからね?」
クロノア「このくらい何ともないよ。 あ、もしかして・・・僕がゴーレムだった事、 忘れてた?」
オルガ「し、心配・・・したんだから・・・!!」
クロノア「・・・オルガ・・・。 ありがとう」
オルガ「し、心配したんだからねっ!!!!!!!!」
クロノア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かわいい・・・」
オルガ「え?」
クロノア「ねぇ?オルガ・・・! 抱きしめても・・・いいかい?」
オルガ「し、知らないっ!!!!!!!!!!」

〇城の客室
オルガ「・・・だ、抱きしめていい?ってなんなのよっ!?」
オルガ「・・・普通に接しているけど・・・」
オルガ(・・・よく考えたら・・・ クロノアは”ゴーレム”なのよね・・・)
オルガ(・・・”人間”ではないのよね・・・?)
  オルガは、持っていたフィストレーラの花を水の入った器にそっと入れる。
オルガ「・・・手・・・痛くなかったのかな?」
オルガ「いくらゴーレムって言っても・・・ 痛くないはず・・・ないよね?」
オルガ「・・・バカ・・・なんだから・・・!」
使用人?2「オルガ様。失礼致します」
オルガ「な、何でしょうか!?」
使用人?2「・・・クロノア様より、これを──」
オルガ「わぁ・・・!綺麗なドレス!! ──って、ドレス!?」
使用人?2「これを着て、今夜二人だけの舞踏会をしよう! ・・・との事です」
使用人?2「・・・では、失礼致します」
オルガ「え!?え!? ちょっ・・・!?」

〇大広間
オルガ(・・・き、着てみたのは・・・いいんだけど・・・)
オルガ(このドレスって・・・もしかして・・・?)
クロノア「やぁ、オルガ・・・。 待たせたね──って・・・」
クロノア「うん!!うん!! 素敵だよっ!! 綺麗だ!!オルガ!!」
オルガ「・・・クロノアも・・・ その・・・ かっこいい・・・かも?」
クロノア「本当かいっ!?」
オルガ「・・・ふ、普段とちょっと違うからっ!」
クロノア「ありがとう!! 嬉しいよ」
オルガ「で? 舞踏会って・・・何するの!? この格好で踊るの??」
クロノア「踊りたい?」
オルガ「いや・・・私・・・ 踊るの苦手って言うか── 今までの人生で踊る機会もなかったって言うか・・・」
クロノア「そうか── なら、僕が一から教えてあげる・・・ と言うより、僕に身を委ねて?」
オルガ「えっ!?」
  しばらくオルガは、クロノアのなすがままにダンスを踊る。
  
  そして、時計の音を合図に一息つく。
クロノア「ダンスは楽しんでもらえたかな?」
オルガ「ええ! ・・・何度も足を踏んで・・・ごめんなさい・・・。 だけど、楽しかったわ!」
クロノア「気にしないでくれ。 君が楽しんでくれたら、それだけで満足だよ!!」
オルガ「ありがとう! じゃあ・・・そろそろ──」
クロノア「ま、待ってくれ! ──少し・・・話があるんだ」
オルガ「話?」
クロノア「うん。 えっとね・・・ 君がここに来て、二週間・・・経っただろう?」
クロノア「・・・だから・・・その・・・ 試させて欲しいんだ・・・」

次のエピソード:第十話 最悪なキス

コメント

  • 完全に胸キュン恋愛回ですね!オルガのリアクションが可愛すぎます!そしてクロノア様の漏れ出る本音、無自覚な天然だからこそのものですね!

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