我等よろず屋三人娘!!

hijiri

トイレ雄叫び事件(脚本)

我等よろず屋三人娘!!

hijiri

今すぐ読む

我等よろず屋三人娘!!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇学校の部室
  ──都内某学園には、学園内で起こる事件を秘密裏に解決すると噂の倶楽部があるらしい。
  噂を知るものは彼女らをこう呼ぶ
  よろず屋三人娘と──

〇学校の部室
あんず「依頼が来たわよ・・・」
もえぎ「夜中0時に二階中央トイレから雄叫びが聞こえました、この雄叫びの正体を見抜いてください・・・って」
もえぎ「二階中央トイレはうちのガッコで噂の花子さんがいるとこじゃん」
タオファ「花子さんて何アルか?」
もえぎ「中国にはないのか?どこのガッコのトイレにもいるっつうお化けだよ」
もえぎ「呼び出し方はガッコそれぞれだけどな」
タオファ「お化けってキョンシーみたいなものアルか!?」
タオファ「会いたい!!今すぐ準備するネ」
あんず「悪いけど私はパス」
あんず「貴方達みたいな自由人と違って暇じゃないの」
タオファ「・・・アンズ、さてはビビってるネ リジチョの孫は肝っ玉が小さいアル」
あんず「あらあら、寝言はまともな日本語喋ってから言うことね この脳筋クソ中華」
タオファ「オマエ、今故郷をバカにしたナ・・・ 覚悟するヨロシ・・・!!」
もえぎ「まあまあ落ち着けよ ここで騒いでも仕方ねぇ」
もえぎ「それにこの依頼、あんず無しでは解決できないしな」
あんず「は?それってどういう・・・」
もえぎ「いいから、このメモに書かれてあるものを用意してくれ」
もえぎ「放課後、生徒がある程度下校した後に調査開始だ」
タオファ「ふふーん♪ワクワクするネ 放課後花子と手合わせ楽しみアル!!」

〇女子トイレ
あんず「持ってきたわよ ホントに・・・無茶なのよ貴方の注文は!!」
もえぎ「まあまあ・・・でも持ってきてくれたんじゃん、理事長の超高級ビデオカメラそれも何台も!!」
もえぎ「持ち出しは理事長の実孫であるあんずしかムリだから、助かったよ」
タオファ「うわぁ!!このカメラすごいアル すっごい遠くのものも拡大することが出来るネ・・・」
タオファ「・・・ってわわわ!!」
あんず「ひゃぁ!! ちょっと急に大きな声出さないでよねっ!!」
タオファ「──モエギ、これトイレにつけるノカ?」
もえぎ「・・・そうだけど?」
タオファ「アンズ、コレ犯罪チガウ?」
あんず「・・・! 確かに!!これは立派な盗撮だわ しかも女子トイレを・・・」
あんず「・・・悪質ね、最低!!」
もえぎ「そんなことよりおかしいとは思わないか? この依頼人」
あんず「そんなことって・・・ 何が?確かに今どきの高校生が花子さんの噂を信じて検証するなんて、おかしいとは思うけど・・・」
もえぎ「違う そもそもこの学園に何で夜中の0時に侵入出来たのかってことさ」
もえぎ「このガッコの警備は都内随一だ それなのに侵入が一切話題にされていない」
もえぎ「きっとセンコー達も誰もこのことに気づいていないんだ」
あんず「じゃあ貴方は依頼を受けるふりをして、依頼人の化けの皮を剥がすつもりってわけね?」
もえぎ「そういうこと 依頼人に不審がられないように、トイレにカメラを設置したんだ」
もえぎ「それに、このトイレは噂で気味悪がられているから、放課後に利用する奴はいない ──怪しい奴以外はな」
あんず「──ごめんなさい 私誤解していたようね」
あんず(もえぎ、いつも部室で変な研究ばかりしてるからなぁ つい、変態扱いしちゃった・・・)
もえぎ「水臭いな仲間だろ? てなわけで今日はあたし用事あるしここで解散!!明朝部室集合でヨロ」
もえぎ「ああ、あとそいつ連れて帰れよ? このトイレの芳香剤『中国笹の香り』でタオファの好みなんだ」
タオファ「ぅうぃー!っく、アンズぅ何グルグルしてるアルかぁ!?」
タオファ「ヴっ、うぃー 気持ち悪いからやめるネぇ」
あんず「何そのアウトローな香り・・・」
あんず「って、お願いだからこいつ戻してから帰って!?」

〇学校の部室
  明朝、集まった三人はビデオを確認したが、決め手となる映像は見つけられなかった。

〇学校の部室
もえぎ「後はトイレの映像だけだな」
あんず「ええ、そうね・・・ は、早く確認しましょう」
あんず(この人達怖くないのかしら)

〇個室のトイレ
タオファ「──ん? なんかこの辺明るくないカ?」
タオファ「それに小さく音楽が聞こえるような・・・」
  チクショーー!!ブッコロ・・・死・・・
  ぎゃああああああ
あんず「い、今叫び声が・・・」
あんず「ほ、本当だったのよ噂は!! 叫んでた人は多分女性だわ!! うちの生徒かも──」
あんず「こうしちゃいられないわ!! あの場所に行きましょう!!」

〇個室のトイレ
あんず「誰もいないわ・・・」
もえぎ「このトイレで争った形跡はないな」
タオファ「──ハッ!! 二人とも、さっきのビデオで見た明るい部分 この穴ヨ!!」
もえぎ「でかしたぞ、タオファ!! この壁を突き破れ!!」
あんず「え、ちょっとそんなことをしたらお爺様に・・・」
タオファ「アイアイサー!!」

〇学校の部室
あんず「──そっか、トイレと部室って隣だったのね!!」
あんず「──そうだ!カメラの映像!!」

〇個室のトイレ
あんず「確かこの壁の穴のところを拡大すれば──」

〇学校の部室
  そこには、ゲームに夢中になっている
  もえぎとタオファの姿があった。
タオファ「チクショーー!!ブッコロ・・・死 ・・・ぎゃああああああ!!!!」
もえぎ「あたしに勝とうなんざ、百年早いわ小娘が」

〇学校の部室
もえぎ「えっと・・・あたしら最近ハマってるゲームがあったんだけど、部室のゲーム機じゃないと遊べないやつでさ」
もえぎ「──それで、このガッコの警備システムハッキングして、中入って夜中部室で遊んでたんだった・・・」
タオファ「そ、そうネ!!アンズも遊ぶアル! この『中華統一アタッカーズII』 神ゲーネ!!」
タオファ「やり方教えてアゲルヨロシ・・・」
あんず「すぅ・・・」

〇白い校舎
  この断末魔は朝練に来ていた一部生徒内で話題となった。
  ちなみに今回の依頼者は理事長で、孫のアルバムを取りに行ったときに聞いたものだと後日判明した。
  ──依頼完了。

コメント

  • 三者三様のキャラクターが最高ですね。あんずちゃん、かわいいのにタオファに「脳筋クソ中華」とか、エッジの効いた悪態をついてて笑ってしまった。意外にも(?)謎解きもしっかり完結してて読後の満足感が👍。

  • 表紙とは違った話でしたが、おもしろかったです。三人のキャラが、また、会ってみたいと思わせてくれました。感謝。

  • 素晴らしい学園ものでした。キャラクターを説明しつつ、内容を進めていき…。めっちゃ楽しかったです!

コメントをもっと見る(4件)

成分キーワード

ページTOPへ