エピソード15(脚本)
〇古い大学
〇明るい廊下
京坂康介「お、なんだ。もう来てたのか」
浅枝まひる「待ち遠しくって早く来ちゃった」
京坂康介「・・・・・・」
京坂がポケットから鍵を取り出して鍵穴に差し込む。
浅枝まひる「はやくはやく!」
京坂康介「はやくっつっても、教授が来ないと実験は始めらんねーぞ」
浅枝まひる「ぶー。康介のケチ」
京坂康介「・・・うるせぇ」
〇散らかった研究室
結城ないと「いいかい? 成功したらすぐに眼球運動だよ?」
浅枝まひる「わかってるって」
浅枝まひる「ぐるぐる動かすのよね? 現実でいつもやってるもの」
結城ないと「今回は僕も初めての実験なんだ。 危険を伴うかもしれないから・・・」
浅枝まひる「大丈夫だって」
浅枝まひる「夢の中で夢を見るだけのことでしょ?」
結城ないと「そうだけど。でも・・・」
京坂康介「準備整いました!」
根岸辰蔵「・・・・・・」
浅枝まひる「教授。私に任せてください。 絶対に役に立って見せますから」
根岸辰蔵「うむ」
ベッドに横になるまひる。
結城ないと「あんまり無理しちゃ駄目だよ」
浅枝まひる「平気。もう、心配性なんだから」
まひるが目を閉じる。
京坂康介「夢で見る夢か。現実に戻っちゃったりして」
結城ないと「・・・・・・」
〇綺麗な病室
浅枝久美子「まひる! 行かないで! まひるー!」
京坂康介「おばさん。絶対大丈夫です。 あいつはそんなにヤワな奴じゃありませんから」
「AEDを! 早く!」
「はい!」
浅枝久美子「ああ。まひる。置いてかないで。 私を一人にしないでよぉ・・・」
〇散らかった研究室
浅枝まひる「いやー!」
京坂康介「どうした? まだ2時間しか経ってないぞ? 悪い夢でも見たか?」
根岸辰蔵「今日は夢の中で夢を見る実験だったはずだが」
浅枝まひる「ないとは?」
京坂康介「まひる。ここは現実だ。結城さんは・・・」
浅枝まひる「・・・・・・」
京坂康介「・・・これ」
根岸辰蔵「いや」
日記を差し出そうとした京坂を止める根岸。
根岸辰蔵「悪夢は忘れてしまった方がいい」
〇白いアパート
京坂康介「気にすんなって。 たまたま悪い夢見ただけのことだよ」
浅枝まひる「・・・・・・」
京坂康介「俺なんかしょっちゅう——」
浅枝まひる「役に立てなかった」
京坂康介「え?」
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