〇名門の学校
京坂康介「おい！ 朝からネガティブオーラ丸出しだぞ」
浅枝まひる「・・・昨日、あれから眠れなくて」
京坂康介「実験で変な夢見ちまったからなー」
浅枝まひる「・・・・・・」
京坂康介「夢見るのが怖くなった？」
浅枝まひる「・・・ちょっとだけね」
京坂康介「実験、やめてもいいんだぜ？」
浅枝まひる「何でそんなこと言うの？」
京坂康介「なんでって、俺はお前のこと思って」
浅枝まひる「変なこと言わないでよ。 やめるわけないでしょ！」
京坂康介「そんなにムキになんなって」
京坂康介「一日くらい休んでもいいんじゃねーかって言ってるだけだろ」
浅枝まひる「絶対に嫌。早くないとに会いたいもん」
京坂康介「お前なぁ」
浅枝まひる「実験は続けるから。康介のいじわる！」
京坂康介「なんだよ・・・」

〇講義室
浅枝まひる「・・・はぁ」

〇明るい廊下
京坂康介「なんだ、もう来てたのか」
浅枝まひる「待ち遠しくって」
京坂康介「教授が来ないと始めらんねーぞ」
浅枝まひる「そんなことわかってるよ」
浅枝まひる「なんか、今日の康介冷たい」
京坂康介「んなことねーよ」

〇散らかった研究室
　　パイプベッドで夢日記を読むまひる。
浅枝まひる「教授、早く薬ください」
根岸辰蔵「ああ」
根岸辰蔵「あまり無理はしないように」
浅枝まひる「大丈夫です。今日は絶対に成功しますから」
　　薬を一気に飲み干すまひる。
浅枝まひる「おやすみなさい」
京坂康介「・・・・・・」

〇古い大学

〇散らかった研究室
　　まひるがパイプベッドで眠っている。
京坂康介「おう、起きたか」
浅枝まひる「あれ？ 私、なんでここに？」
京坂康介「なんでって、そりゃあ実験中だからに——」
浅枝まひる「ないとは？」
京坂康介「・・・失敗したのか」
根岸辰蔵「・・・・・・」
浅枝まひる「ねぇ、ないとは？」
京坂康介「今回は失敗だよ。ここは現実だ」
浅枝まひる「嘘よ」
京坂康介「嘘じゃねーよ。 現にここには結城さん、いねーだろ」
京坂康介「ほれ」
浅枝まひる「嘘はやめて」
京坂康介「お前、いい加減にしろよ」
浅枝まひる「ここは私の夢よ！」
浅枝まひる「ないと！ どこにいるの！？」
根岸辰蔵「・・・・・・」
浅枝まひる「そうだ。 今日はみんなで駅前にできたパンケーキ屋さんに行く約束してたよね」
京坂康介「してねーよそんな約束」