読切(脚本)
〇学校の校舎
〇教室
アレ?僕の席の隣に昨日まで無かった机と椅子があるぞ?
先生「おはよう、突然だがこのクラスに外国のメリケンから転校生が編入されるぞ」
転校生「ヘーイ!フックィン貴様ら!」
クロエ「我ガ名はクロエ・チェイサーと もすもすマス!」
クロエ「七代覚えてクダサーイ!」
クラスメイト「変な日本語w」
クラスメイト「でも可愛いじゃん!」
『フックィン』とはメリケン語でよく使うスゴいとか肯定的な意味の感嘆詞で大統領がスピーチでも言う何も問題無い言葉だ
先生「席はアイツ──」
先生「主人 公(ぬしと こう)の隣だ」
クロエ「オーゥ・・・ソレはやんごと無いデース」
先生「主人はメリケン語が上手だよな」
主人 公「あ、ハイ 小学校低学年までメリケンに住んでたので」
先生「という訳でクロエの席はあそこだ」
クロエ「ガッテン承知のスケベ野郎!」
主人 公「ちょっ!? この人ナニを言ってるのさ!?」
先生「お前が通訳とフォローをしてくれ」
主人 公「エーッ!? そんな無茶な!」
クロエ「ヘイ貴様!今後トモオナシャス!」
こりゃあ、大変な事になりそうだ
〇教室の教壇
クロエ「ココで会ったが10周年!」
クロエ「フツツカな嫁デスが諦めなー!」
主人 公「はじめましてクロエ」
クロエ「・・・?」
主人 公「日本語が苦手なら僕にはメリケン語で話して良いよ(流暢なメリケン語)」
クロエ「────そう、デスか」
クロエ「フックィン! 痛み染み入るセミ・シャウト!」
クロエ「デモ日本語早く言いたいので、メリケン語は神風アタックのデース!」
主人 公「そう? カミカゼ(最終手段)にするなら僕の通訳が必要な時は声をかけてね」
クロエ「駄菓子──河岸を変えると、ココがどこかもワカリマセーン」
クロエ「手取り腰取りで道連れシてクダサーイ」
主人 公「もしかして学校の案内って事? それなら良いよ」
クロエ「フックィン!有り難ヤー! 貴様はサムライの子デース!」
〇学校の校舎
〇教室の教壇
クラスメイト「クロエさんは何で日本に来たの?」
クロエ「フックィン円安ダのからデース」
円安か──世知辛いよね
クラスメイト「放課後アタシらが街を案内してあげる~!」
クロエ「カタジケ無ぇデース」
クロエ「シカーシ先手必勝、俺のターン 今日も私はコウのお持ち帰りデース」
クラスメイト「──エッ?」
クラスメイト「お持ち──帰り!?」
クロエ「二の腕に、ヨリをカケときマース」
えぇーーッ!?
クラスメイト「主人くんは草食系だと思っていたのに──」
クロエ「男児3日喰わざれば野獣デース」
クロエさんの言い間違いで僕に悪評が広まっている!?
〇教室
〇教室の教壇
クロエ「ココで待ったが三代目!」
主人 公「まさか休み時間の校内案内だけじゃなく、放課後の街案内も求められていたとは──」
クロエ「無限の此方へ、出陣デーーッス!」
〇渋谷駅前
〇アパレルショップ
〇カフェのレジ
〇渋谷駅前
〇渋谷駅前
〇街中の道路
クロエ「送り狼、ドウモ恐縮デース」
主人 公「日本は安全だけど、一応ね」
クロエ「弓取りは任せマース」
主人 公「露払いなら引き受けるよ」
クロエ「・・・公、もやもやし?」
クロエ「我が日本語はヘンタイだもデスか?」
主人 公「うーん──僕には通じるし、これから頑張れば良いんじゃない?」
クロエ「──コウ、ありゲッてし」
クロエ「ウン!クロエ頑張るますデス!」
クロエ「だ、もんで──」
クロエ「明日も、調教してクダサーイ!!」
主人 公「お外では小さな声で話そうね!?」
〇黒
〇通学路
主人 公「・・・」
〇綺麗な一戸建て
クロエ「同伴出勤アリガトデース」
クロエ「コレなるぞ、クロエの一戸建デース」
主人 公「・・・」
クロエ「貴様、どうしろした?」
主人 公「──僕の」
〇一戸建て
主人 公「僕の家の──」
〇綺麗な一戸建て
主人 公「──隣じゃん!!?」
クロエ「オゥ!?フックィン! なんてコッターイ!!」
クロエ「ナンタル偶然デースが──」
クロエ「ご近所サン 今後にもヨロシク頼もすもす!」
〇黒
〇男の子の一人部屋
主人 公「──それでね、近いなー、近いなー、何か変だなー、変だなーって思っていたら」
主人 公「あるよ、ここあるんだよ、すると向こうの方からスーッとスーッと来るんですね──」
主人 公「────僕の、家が」
〇ブリーフィングルーム
──って事が、今日あってさ
成る程、Kouの学校生活はしばらく大変そうだな
オンラインゲームで三年来の友人であるChaserとのチャットに興じる
僕よりよっぽど凄い腕前の持ち主なのに、ずっとバディを組んでくれるナイスガイだ
年上のメリケン人という以外何も知らない彼だけど、クラスメイトより何でも話せる
Kou.ちょうど良い機会かも知れない
私の話を聞いてくれないか?
〇配信部屋
Chaser「実は皆に舐められたく無くてタフガイを演じていただけで、私の正体は──」
Chaser「──君と同い年の女の子なんだ」
〇ブリーフィングルーム
私の正体は──君と同い年の女の子なんだ
主人 公「な、なんだってーーッ!?」
今まで騙してた様ですまない──
そんな訳でアバターをリアルに近いモノに替えるね
どうだい?コレが私の新しいアバターさ
主人 公「う、うわぁ、驚いたなぁ──」
何だ?──妙に見覚えのあるアバターだな
Chaser「私のボイスチャットも解禁にするね」
主人 公「──本当に女の子の声だね」
Chaser「コレでチームワークも向上するわ♪」
主人 公「お、おぅ──もう何がなんやら」
Chaser「日本語では『習うより慣れろ』って言うんでしょ?」
Chaser「取り敢えずバトル行こうよ!」
〇荒廃したショッピングモール
Chaser「ヒイィヤッハーーッ!!」
Chaser「今晩は、棒立ちフックィンガイズ!」
Chaser「パン屑よりも細かくしてやるよぉッ!!」
おぉ──姿は違うけれど確かにいつものChaserだ
〇黒
〇ブリーフィングルーム
Chaser「実は私、最近日本に引っ越して来たの」
主人 公「えっ!? Chaserも?」
主人 公「もしかして──円安だから?」
Chaser「プッ──そうそう、円安だからよ」
主人 公「凄い偶然だなぁ──転校生も円安が理由なんだ」
そうか──円安は僕の思う以上の影響が出ているらしい
Chaser「だからね、今度オフで会おうよ」
主人 公「オフ会か──緊張するなぁ」
Chaser「日本の良い所を教えてね」
主人 公「何か希望は有るかい?」
Chaser「そうね──今度はカラオケってヤツに行ってみたいわね」
〇黒
〇配信部屋
Chaser「それじゃあKou、おやすみなさい」
クロエ「フフッ──円安でも偶然でも無いんだなぁ」
〇結婚式場の前
〇綺麗な教会
〇配信部屋
クロエ「運命と──執念よ」
クロエ「あの時は追えなかったけど」
クロエ「今はここまで来たわ」
クロエ「今度は逃がさないよ──」
オゥ、フィッキン!金髪碧眼グラマー美少女にカタコト日本語で際どい事を言われ続けるとか、完全に新たな「癖」なんだよなぁ…ハマっちまったよどうしてくれるんだぃ!?😡 生まれちまった見果てぬ「夢」を、声優ボイス付きで叶えてもらわねぇとなぁ…🤤
いくつかあった差分を、アバターなど駆使してフル使用している?心意気もニクいぜ
能天気なのかと思いきや、伏線回収で意外な素顔が明らかに…奥深いキャラでgood!
ヘンテコ日本語のかわいい子大好きデース!
こういう子に振り回されてみたい!? 明るく楽しいけど一途で純粋な女の子。とても楽しく素敵なお話でした。
クロエちゃん可愛い😆DMCの子がモデルでしたか。なつい。
マクドナルドで読んでたのに突然の稲川淳二で噴いてしまいました。
小潟さんの作品は外で読まないようにします笑