〇散らかった部屋
？？？「大変大変！」
ミミ「大変だよ～！」
白雪「ミミ・・・またアナタですの？」
白雪「勝手に人の家に入るなと何度言えば──」
ミミ「そんなことより！」
ミミ「美穂ちゃんちのミルクが いなくなっちゃったの！」
白雪の飼い主「なんかうるさいと思ったら・・・」
白雪の飼い主「ミミが遊びに来てたのか」
ミミ「にゃ～」
白雪の飼い主「よしよし」
白雪の飼い主「おやつ持ってくるから、ちょっと待ってな」
白雪「ダーリンに近寄らないでっ!! ノミがうつる!!」
ミミ「ひどっ!! てか近寄ってきたのは向こうだし!!」
白雪の飼い主「ミミごめん、おやつはまた今度だ」
白雪の飼い主「田中さんちの猫がいなくなったらしい」
白雪「きゅい？（ミルクのこと？）」
ミミ「にゃっ（そう！）」
白雪の飼い主「俺、探しに行ってくる」
白雪の飼い主「ごめんな白雪。留守番頼むよ」
白雪「ぷぷぅ（分かりましたわ）」
白雪の飼い主「ミミも散歩は気を付けろよ？」
白雪の飼い主「田中さんちの子を見かけたら 家に帰るよう伝えてくれ」
白雪の飼い主「じゃ、いってくる！」
白雪「なんて優しいの、ダーリン」
白雪「留守番は寂しいけれど我慢しますわ」
ミミ「あたし達も探しに行こう！」
白雪「はあっ!?」
白雪「何を仰いますの」
白雪「猫はともかくウサギが一匹で歩いていたら すぐに保健所へ連れて行かれてしまいます」
ミミ「ミルクはまだ仔猫なの」
ミミ「あたしと違ってノラ経験もないから 外がどれだけ危険か分かってない！」
ミミ「早く見付けてあげないと──」
白雪「〜〜〜〜っ」
白雪「仕方ありませんわね・・・ 今回だけですわよ！」
ミミ「手伝ってくれるの!?」
ミミ「ありがとう!!」
白雪「そうと決まったら・・・」
白雪「まずは、このペットケージを 開けていただけませんこと？」
ミミ「そこからか・・・」

〇一戸建ての庭先
ミミ「なんとか外に出られたね」
白雪「・・・・・・」
ミミ「どしたの？」
白雪「私、ダーリンに抱っこされてしか 外に出たことがありませんの」
白雪「こんな土の上を自分の足で歩くだなんて 考えただけでも恐ろしい・・・」
白雪「私の自慢のファーが汚れてしまいますっ」
ミミ「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ！」
ミミ「ほらっ、行くよ！」
白雪「うぅ・・・っ」
ミミ「白雪〜？ おいてっちゃうよ〜！」
白雪「くっ・・・」
白雪「ウサギの脚力──」
白雪「舐めんなぁあああッ!!」

〇住宅街

〇一軒家の庭
白雪「ここは？」
ミミ「もう一匹、手伝ってもらおうと思って」
ミミ「クロ、いるー？」
クロ「わんっ！」
白雪「きゃあっ!!」
ミミ「クロ！」
クロ「こんにちは、ミミちゃん」
クロ「今日はお友達も一緒なのね」
クロ「ウサギさんなんて珍しい」
白雪「ひっ・・・」
クロ「あっ、ごめんね」
クロ「私大きいから・・・ 怖がらせちゃったかな」
ミミ「もしかして白雪、犬に会うの初めて？」
白雪「（こくり）」
クロ「そうだったの」
ミミ「これだからブリーダー育ちのお嬢さんは」
白雪「なによ、仕方ないでしょう！」
クロ「私、甲斐犬のクロっていうの。 よろしくね」
白雪「ミニレッキスの白雪よ」
クロ「もしかして、 二人もミルクちゃんを捜してるの？」
ミミ「ってことは・・・クロも!?」
クロ「さっき、ご主人様と一緒に 公園を見てきたところなの」
クロ「でも、ミルクちゃんの 匂いや気配はなかったわ」
ミミ「そっか・・・」
ミミ「どこに行っちゃったんだろう・・・」
？？？「にゃぁあ〜」
ミミ「鳴き声・・・？」
？？？「助けてぇ〜！」
クロ「あっ・・・あそこ！」

〇木の上
ミルク「え〜ん」
ミルク「怖いよぉ〜」

〇一軒家の庭
ミミ「あんなところに！」
白雪「登ったはいいけど 降りられなくなってしまったのね」
クロ「私、ご主人様呼んでくる！」
ミミ「あたしが登って助ける！」
白雪「あんな高いところ、アナタでも危ないわ！」
ミミ「大丈夫！　そこで待ってて」
白雪「ああっ、もう！」
白雪「そうだわ」
白雪「万が一に備えて、葉っぱを集めて クッションを作っておこう・・・！」

〇木の上
ミルク「えぇ〜ん」
ミミ「ミルク、今行くからね！」
ミルク「ミミお姉ちゃん？」
ミミ「もう大丈夫だよ」
ミルク「え〜ん！ お姉ちゃ〜ん！」
ミミ「動いちゃダメ・・・っ!!」
ミルク「わっ!?」

〇黒
ミルク「わぁ〜ん!!」
ミミ「ミルクっ!!」

〇黒

〇一軒家の庭
白雪の飼い主「間に合った・・・!!」
ミルク「にゃぁあ〜」
ミミの飼い主「裕樹君、ナイスキャッチ！」
クロの飼い主「ミルクちゃん、こんな近くにいたのね」
クロの飼い主「よく気付いたわね、クロ」
クロの飼い主「お利口さん」
クロ「わんっ」
ミミの飼い主「あーっ、ミミ！」
ミミ「にゃっ!?（亜紀!?）」
ミミの飼い主「危ないから外出ちゃダメって言ってるのに、人んちの庭で何してんの!!」
白雪の飼い主「元ノラだから、完全室内飼いにするには 時間がかかるかもね」
白雪の飼い主「──って」
白雪の飼い主「白雪!?　どうしてここに!?」
白雪の飼い主「たくさん葉っぱ咥えて何を・・・」
白雪の飼い主「ああっ、白ウサギのはずが 汚れて黒ウサギになってる!!」
白雪「ああっ、ダーリンに 見付かってしまいましたわ」
白雪「もうっ！ アナタのせいですわよ！」
ミミ「ごめ〜ん！」
ミミ「でも、ミルクが無事で良かったよ」
ミミ「白雪のダーリンのおかげだね」
ミミの飼い主「早く美穂ちゃんのところに ミルクを連れて行ってあげよう」
白雪の飼い主「そうだね」
白雪の飼い主「──っと、白雪も連れて行かないと」
ミミの飼い主「私が抱っこするから、 裕樹君はそのままミルクをお願い」
白雪の飼い主「いいの？　ありがとう」
ミミの飼い主「白雪、おいで～」
白雪「嫌よっ!!」
白雪「ダーリン以外の人間に 抱っこされるなんて絶対に嫌っ!!」
ミミ「亜紀は抱っこ上手だよ？」
白雪「そういう問題じゃありませんわっ!!」
ミミの飼い主「なんか、白雪とミミ仲良くない？」
白雪の飼い主「ミミならよくうちに遊びに来てるからね」
ミミの飼い主「そうなの!?」
白雪の飼い主「その・・・」
白雪の飼い主「よかったら、 亜紀ちゃんも今度遊びに来ない？」
ミミの飼い主「・・・いいの？」
白雪の飼い主「うん、大歓迎」
クロの飼い主「あらあら」
クロの飼い主「若いっていいわねぇ」
クロ「わぉんっ」
ミルク「お兄ちゃんとお姉ちゃんはラブラブなの？」
白雪「なっ・・・なぁっ・・・」
ミミ「へぇ〜」
ミミ「あの二人ってそういう感じだったんだぁ」
白雪「絶対・・・」

〇空
白雪「絶ッ対、許しませんわーっ!!」
　　〜fin〜