夫が愛した女

KOJIKO

夫が愛した女(脚本)

夫が愛した女

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夫が愛した女
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〇豪華なリビングダイニング
  (夫の秘密を知ってしまった)
  レシートを握りしめる篠原桜子。
  その手には大きなダイヤのついた指輪が輝いている。夫との愛の証だ。
  レシートには、65万円と記載されている。
  (ディオールのバックだ。昔、これと同じものを夫からプレゼントされたことがある。同じものを不倫相手に買ってやってるんだ)
篠原桜子「許せない」

〇銀座
  ブランドショップが立ち並ぶ銀座の街。
篠原桜子「これください」
篠原桜子「あと、これとこれとこれ!!」
  たくさんの紙袋を抱えてブランドショップから出てくる桜子。
  (夫のカードで散財してやった。でも、やっぱりすっきりしない)

〇ホテルの部屋
  抱き合っている黒髪ロングが美しい女子大生と篠原龍彦
女子大生「泊まってばっかで、奥さんに怪しまれない?」
龍彦「いいんだって、それより、今日は来てくれてありがとう。はい、プレゼント」
  ディオールのカバンをプレゼントする龍彦。
女子大生「わーかわいい! いいの? こんな高そうなもの」
龍彦「もちろん」
女子大生「ほんとかわいいー。嬉しい! ありがとう龍彦さん」
  カバンを嬉しそうに見つめる女子大生。
龍彦「喜んでくれて嬉しいよ、あいつなんて、いっつも俺のカードで勝手に散財してさ。俺のこと金づるとしか思ってないんだから」
女子大生「ひどい奥さんだね」
龍彦「まあね。うんざりだよ。だから、離婚も考えてるんだ」
女子大生「え?」

〇綺麗な会議室
探偵「こちらが、調査結果になります」
  桜子に写真を手渡す探偵。
  桜子、写真を見る。
篠原桜子「・・・・・・まだ子供じゃない」
探偵「聖花大学の3年らしいですね」
篠原桜子「・・・・・・」
探偵「今ふたりは、熱海の別荘に宿泊しています。どうなさいますか?」
  桜子、立ち上がる。
篠原桜子「行くに決まってるじゃない」
探偵「待ってください」
篠原桜子「?」
探偵「覚悟はできていますか? 現場を見てしまったら、後戻りはできませんよ」
篠原桜子「覚悟なんて、とっくの昔にできています」

〇新幹線の座席
  新幹線の車窓から外を眺める桜子。
  (あの人と一緒になると決めた日から、いつかこんな日がくるんじゃないかと、思っていた気がする)
  (そんな日が来たら、絶対に許さないって決めていた)
  カバンの中に手を入れる桜子。
  タオルでくるまれた包丁が鈍い光を放っている。

〇ホテルの部屋
女子大生「それって・・・・・・?」
龍彦「妻とは離婚する。結婚してほしい」
女子大生「・・・・・・うれしい」
  龍彦、女子大生の体を引き寄せる。

〇ホテルの部屋
  龍彦、女子大生の服を脱がし始める。
  激しく口づけをする。
女子大生「龍彦さんっ」
  裸で絡み合うふたり。

〇温泉旅館
  (ついにきてしまった)
  桜子、震える手で鍵を差し込む。

〇古いアパートの廊下
  桜子、ゆっくりと廊下を進む。

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コメント

  • 皆さんコメントで書かれているように、不倫での結婚っていずれどっちかがまた…ってなってしまうと思います。
    まぁそれでも、その道を選ぶのは二人ですからね。
    長い道のりの中、また脱線しないことを…。

  • 癖ですよね、きっと。一つのものでは満足できず、次から次にほしくなる。同じことがきっと返ってきますね、妻の気持ちを思うととても悲しくなります。

  • ああ、やっぱりの結末でした。不倫の恋って、ほとんどが錯覚なように感じます。世間でも略奪して結婚した人が、よく夫や妻を略奪されてますよね。因果応報。でも扉を開けるまで、嘘であってほしいと願った彼女の気持ちはわかるような気がします。

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