秘密の恋を共有しよう

かしみあ

秘密の恋を共有しよう(脚本)

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〇保健室
夏河 陽茉梨「先生ありがとうございます」
宏江先生「那津川、怪我してなくて良かったよ。安心した」
夏河 陽茉梨「あの、先生」
  ガチャ、保健室の扉が開く音がして私は慌てて宏江先生から離れた。

〇保健室
鞠谷先生「宏江先生と那津川さん! ごめんなさいちょっと職員室に行っていて。 那津川さん大丈夫?何かあった?」
宏江先生「部活で使う画材を部室に運んでいた時に廊下で転倒したんです。 捻挫してるかもしれないから保健室に連れて来たんですが」
夏河 陽茉梨「ペンキこぼさないようにしたら自分が転んで。 でも大丈夫です。痛くないし腫れたりもしてないから捻挫はしてないと思うし・・・」
宏江先生「那津川、少しここで休んで行っても良いし、部活は無理しなくて良いから今日は家に帰りなさい」
夏河 陽茉梨「ありがとうございます。そうします」
宏江先生「じゃあ気を付けて帰るんだぞ。鞠谷先生、彼女少し休ませてあげて下さい」
鞠谷先生「分かりました。 那津川さん怪我してなくて良かった。ゆっくりしても良いし那津川さんのタイミングで良いからね」
夏河 陽茉梨「ありがとうございます」
  保健の鞠谷先生は優しいし可愛いし本当に大好き。
  ・・・けど今は宏江先生と二人っきりでラブチャンスだったのー!!
夏河 陽茉梨「鞠ちゃん私大丈夫だから帰ります。ありがとう」
鞠谷先生「えっ、那津川さん大丈夫なの?」
夏河 陽茉梨「全然足痛くないし、すぐ帰れる。 家でちゃんとゆっくりします」
鞠谷先生「そっか。元気そうで良かったわ。 道中何かあったら学校に連絡してね」
夏河 陽茉梨「ありがとうございます」
  私は保健室を後にした。
  あぁ、ちょっと残念。

〇清潔な廊下
朝日 晴斗「せっかく良いところだったのに〜!!」
夏河 陽茉梨「そうせっかく良いところだったのに〜って」
夏河 陽茉梨「えっ!誰ですか?! 何で?何で私の心の声を!?」
朝日 晴斗「保健室のベッドで休んでたから、話聞こえてて。 夏河さん宏江っちと話してる時ときめき過ぎでしょ。声違うし」
夏河 陽茉梨「あ、朝日くん! ええーっ!」
  彼はとなりのクラスの朝日くん。
  今まで話した事は無かったけれど、彼を可愛いって言っている子もいて存在は知っていた。
朝日 晴斗「好きなんだね。宏江っちが」
夏河 陽茉梨「な・・・なっ! あの、それはえっと・・・」
  今まで誰にも言ってない秘密の恋だったのにこんな簡単に友達でもない隣のクラスの朝日くんにバレてしまった。
  どうしよう。
  いや、待って。部活に入っていないはずの朝日くんが何でこんな放課後に保健室に。
  そういえば最近部活で倉庫に行く時、よく朝日くん見かけるよな。
  倉庫の隣の部屋って確か保健室だけれど・・・。
夏河 陽茉梨「朝日くんも鞠谷先生に会いたくて保健室行ってたりして〜♪ 放課後、倉庫行く時によく朝日くん見かけるんだよね♪」
朝日 晴斗「えっ・・・」
  どうやら私の勘がズバリ当たってしまったようで、朝日くんが真っ赤になっていた。
  若くて可愛い鞠ちゃん狙いの男子多いからな。
朝日 晴斗「分かった。夏河さん俺ら協力しない?」
夏河 陽茉梨「協力?!」
朝日 晴斗「お互い両思いになれるように相手の情報入ったら教え合ったり。 偶然にもお互い恋愛中みたいだし」
夏河 陽茉梨「あはは・・・何それ面白い!」
  こうして私と朝日くんはお互い協力してこの秘密の恋を成就させる事にした。

〇学校の廊下
朝日 晴斗「夏河さん〜♪宏江っち彼女いないらしいよ」
  あれから朝日くんとは先生たちの恋愛や趣味などお互いが聞いてきた情報を交換し合っていた。
夏河 陽茉梨「ねぇ、そういえば朝日くんは鞠ちゃんのどこが好きなの?」
朝日 晴斗「・・・優しくて可愛くて・・・あとちょっとドジなとこかな」
朝日 晴斗「あれ、俺の事気にしてくれてる?」
夏河 陽茉梨「いや、あのそれは・・・」
朝日 晴斗「夏河さんごめん・・・ 俺、ちゃんと言ってなかったけど俺の好きな人、鞠谷先生じゃないんだ」
夏河 陽茉梨「えっ・・・違うの?!」
朝日 晴斗「俺の好きな人、夏河さんなんだ」
夏河 陽茉梨「ええーーっ!」
朝日 晴斗「あの時夏河さんと仲良くなれるチャンスだと思って声かけた。 夏河さんが宏江っち気になってるのは知ってたけど」
朝日 晴斗「鞠谷先生の事も誤解してるとは思ったけど、夏河さんと仲良くなれるチャンスだって思ってさ・・・。 本当ごめん」
夏河 陽茉梨「あの、えっと・・・朝日くん」
朝日 晴斗「バイトない日、放課後保健室行ってたのは倉庫によく夏河さん来るから」
朝日 晴斗「ってことで、俺の情報渡したから俺の事も考えておいて!」
夏河 陽茉梨「えっ・・・はい」
  朝日くんとの秘密の恋の共有は、私に新たな恋の予感を運んでくれました。

コメント

  • お互いの気持ちが交差して、読んでてキュンキュンしました!
    彼が本当に好きなのは、先生じゃなくて彼女だった…って言うシーンにドキドキしました。
    出来れば振り向いてほしいな、と個人的に思いました!

  • 青春胸キュンラブストーリーですね!こんな風に高校で出会いがあったら、高校生活が楽しいだろうなあ。
    うらやましいかぎりです!

  • とっても胸キュンな甘酸っぱいお話しでした。学生時代を思い出しながら読ませて頂きました。男の子もなんか可愛らしかったです。

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