チャプター1 「プロローグ~不穏な影~」(脚本)
〇大きい研究所
───第1拠点「如月」、8月
結良「やっと着いた〜 何で朝の10時から来なきゃいけないのかな〜」
李生「はぁ、君が遅いだけだよ もうみんな中に入ってるから早く行こう?」
結良「え!私が遅過ぎなだけ!? 嘘だ、みんなが早すぎるんだよ〜」
李生「のんびり屋だもんね さ、行こうか」
結良「のんびり屋じゃないんですけどー?」
結良「あっ!ちょっと!!話終わってない!」
〇研究所の中
──────研究所内部
結良「ちょっと待ってって言ってるんですけど!? ねぇ、聞こえてる!?」
れい「また何か言ってる感じー? もう10時過ぎてるよ〜会議出来ないじゃん」
李生「ただの独り言なので会議はもう始めても大丈夫ですよ ほら、話は後で聞くから、ね?」
結良「な・・・・・・っ!」
結良「・・・仕方無いか」
れい「始めても良さそうだね じゃぁ、これより会議を始めます 議題は──「巡回パトロール」です」
〇研究所の中
李生「「巡回パトロール」ですか? ここ最近は魔法警察の解決出来ない問題は出てないですが・・・ 何か不審な事があるんですか?」
結良「確かに・・・ちょっとした落し物はちょいちょいあるけど・・・最近は全事件事故を魔法警察が解決してるよね?」
れい「確かにそうだね、何かあっても全て魔警が動いてる でも最近、よく分からない物が街中で姿を表すようになったんだ」
「よく分からない物・・・?」
れい「うん。 そのよく分からない物って言うのが魔法陣」
結良「・・・え、魔法陣? こっちに来る間の道中、見掛けなかったよ?」
李生「視認性の魔法陣では無く、魔力感知性の魔法陣ってことですか?」
れい「お、李生くん正解!」
れい「今回はその魔力感知性の魔法陣の発現場所の特定とその研究を頼みたいんだ」
結良「ちょっ!ちょっ!ちょっと待って?! そのよく分からない物っていうのが魔法陣ってどういう事なの!?」
結良「普通の魔法陣じゃない訳?」
李生「確かに・・・・・・普通の魔法陣だと「よく分からない物」扱いにはならないね」
れい「私が「よく分からない物」って言い方をしたのには訳があってね・・・ 実は魔法陣じゃなくって、水晶玉みたいな物なんだ」
「水晶玉・・・?」
〇街中の道路
──────商店街近く
結良「何やかんやあって取り敢えず、目撃された場所には来たけど〜・・・」
結良「あんた誰?」
李生「先輩に対して「あんた」は失礼だろ・・・」
Liku「あ、良いよ良いよ フォーマルな人よりカジュアルな人の方が空気はピリつかないからね」
Liku「初めましてだね 僕は「Liku」、まぁハーフだね 研究所で部分解析担当をしてるんだ よろしくね」
結良「へぇ〜なんか難しい事してるんだね〜 まぁよろしく〜」
李生「お、そうこう言ってる内に着いたよ」
Liku「よし、それじゃ魔力を感知してみますか」
Liku「・・・・・・・・・」
Liku「・・・・・・」
結良「・・・え、なんか地味・・・ッ」
李生「こら、地味とか言わない 大切な仕事をしてるんだから」
Liku「────見えた」
〇街中の道路
Liku「これの事だね、きっと」
結良「・・・え、どれ、見えないんだけど・・・?」
李生「魔力感知、基礎の技術だよ」
結良「・・・・・・」
結良「あ、見えた」
Liku「見えたなら良かった それじゃ、持てる知識を使ってこいつを解析していこうか」
李生「え、研究所に1度持って帰らないんですか?」
Liku「まだ無害と断定出来た訳では無いからね この場所に置いておくのも流石に不味いから今軽く解析するんだよ」
李生「そういう事だったんですね」
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