Cross the line(一線を越える)

鷹志

第5話 「Cross the line」のその先に…【第1部最終話】(脚本)

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鷹志

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〇シックなカフェ
  次の休日、沙羅と俊介、直樹と美由紀がそれぞれ会うことに・・・
沙羅「昨日の晩ご飯、お兄ちゃんが「すごくおいしい」って喜んでくれたんだ」
沙羅「「沙羅の作る料理は最高」だって。えへへ」
沙羅「先週は一緒にショッピングしたんだ」
沙羅「そのときお兄ちゃんが・・・」
沙羅「あっ・・・」
沙羅「ごめんなさい。また私一人でべらべらしゃべっちゃって」
俊介「そんな謝らなくていいよ」
俊介「沙羅ちゃんの話を聞くのは楽しいよ」
沙羅「そう?」
沙羅「俊介さんの前だと、つい何でも話しちゃう」
俊介「君とお兄さんは仲良しで、一緒に住んでて、休日も一緒」
俊介「本当に羨ましいよ」
沙羅「そういえばこの前、俊介さんも私と似たところがあるって・・・」
俊介「ハハハ。そんなこと言ったかな?」
沙羅「言いました。その話を聞いてみたいです」
俊介「まあ僕の場合はきょうだいじゃないし、一緒に住んでるわけでもないんだけどね」
俊介「僕の場合は従姉弟(いとこ)の姉さんのことなんだよ」
沙羅「従姉弟のお姉さん?」
俊介「すごく美人で頭もいい人なんだ」
俊介「でもそれを自慢することもなくて」
俊介「何よりとてもやさしくて」
俊介「小さい頃から姉さんに会えるというと、ドキドキしてたんだよ」
俊介「今も同じだけどね」
俊介「まあ、僕が一方的に憧れてるだけなんだけど・・・」
沙羅「俊介さんがそこまで言うなんて、本当に素敵なお姉さんなんですね」
俊介「うん」
俊介「だから、僕は何でもいいから姉さんの力になりたい」
俊介「姉さんの頼みは、どんなことをしても叶えてやりたい」
沙羅「・・・」

〇シックなカフェ
俊介「確かに姉さんはとても素敵な女性だけど・・・」
沙羅「?」
俊介「実は今は沙羅ちゃんのほうがとても気になってね」
沙羅「えっ・・・」
俊介「お兄さんのことが本当な好きな沙羅ちゃんを見てると、他人とは思えない気がしてね」
俊介「そしたらいつの間にか「この健気で純真な子を自分が守ってあげたい」って思うようになってね」
沙羅「俊介さん・・・」
俊介「沙羅ちゃん」
俊介「君のお兄さんへの想いは素晴らしいし、尊い」
俊介「でも、このままずっとお兄さんといるわけにも、結婚するわけにもいかない」
沙羅「・・・」
俊介「だから、僕と付き合ってもらえないかな?」
沙羅「・・・」
沙羅「俊介さん」
沙羅「そうするように、従姉弟のお姉さんに・・・」
沙羅「・・・美由紀さんに頼まれたんですね」
俊介「えっ・・・」
沙羅「やっぱりそうなんですね」
俊介「・・・」
俊介「そんな人は知らない」
俊介「僕は何も頼まれていない」
俊介「僕は自分のやりたいようにやっているだけだ」
沙羅「俊介さん・・・」
俊介「ただ・・・どうやら君の心を僕に振り向かせるのは、無理みたいだね」
沙羅「私、お兄ちゃんのことを他の人に正直に話したのは始めて」
沙羅「だからすごくうれしかった」
沙羅「さようなら、俊介さん」

〇シックなカフェ
俊介「はあ・・・」
俊介「姉さん、ごめん。ダメだった」
俊介(あの子は無理だ。僕であろうが、他の男であろうが)
俊介(それより、何であの子は僕が美由紀姉さんに頼まれたって知っているんだろう?)
俊介(まあ、今となってはそんなことはどうでもいいが)
俊介(姉さんに会わせる顔がないな)
俊介「美由紀姉さん、本当にごめん」

〇シックなバー
美由紀(直樹さん、沙羅ちゃんのことで話って何かしら?)
直樹「美由紀さん、俺、転勤が決まったんだ」
美由紀「えっ・・・」
直樹「そのことでいろいろ考えていることがあって」
美由紀(どうやら俊介くんのことは関係ないみたいね)
美由紀(それはよかったけど、それよりも・・・)
美由紀「転勤ってどこへ? まさか遠くへ・・・」
直樹「いや、実は隣町の支店に行くだけなんだけどね。それほど遠くもないんだ」
美由紀「よかった。改まって話すから、遠くの地方とか、海外へ行くのかと思った」
直樹「ごめん、ごめん」
直樹「ただ、これを機に家を出て一人暮らしをしようと思ってるんだ」
美由紀「家を出る? でも、隣町なら別に・・・」
美由紀「えっ・・・一人暮らしということは、沙羅ちゃんは?」
直樹「沙羅は連れていかない」
直樹「大学もあるし、もう子どもじゃないしね」
直樹「一人で大丈夫だと思う」
美由紀(あの子は大丈夫じゃないのよ。異常なのよ)
直樹「親戚のおばさんも近くにいるし、何かあれば俺も行ける距離だから、大丈夫だよ」
直樹「それに、いつまでも兄妹2人で暮らし続けるわけにもいかないし、いい機会だと思う」
直樹「どう思う?」
美由紀「そうねえ・・・」
美由紀(あの小娘が素直に「わかった」って言うわけないでしよ!)
美由紀(それよりも、これはチャンスだわ)
美由紀「いいと思う」
美由紀「沙羅ちゃんは最初はさびしがると思うけど、若いしすぐに慣れると思う」
美由紀「沙羅ちゃんかわいいから、周りの男もほっとかないわよ」
美由紀「だから一人でも大丈夫だと思う」
直樹「変な男が近づかないか心配だけど・・・そうだよね。大丈夫だよね」
美由紀「それと・・・」
直樹「?」
美由紀「私も直樹さんと一緒に暮らしちゃダメ?」
直樹「えっ!?」
直樹「いや、でも、いきなりそういうのは・・・ちゃんと段階を踏んで」
直樹「それに美由紀さんも仕事があるだろうし・・・」
美由紀「隣町なら通勤できるし別に問題ないわ」
美由紀「それに、ちゃんと段階を踏んでっていうのもわかるけど・・・」
美由紀「私はとにかくあなたと一緒にいたいの」
美由紀「だから、直樹さんが嫌じゃないなら・・・」
直樹「・・・」
直樹「わかった」
直樹「美由紀さんがそこまで言ってくれるのなら、一緒に暮らそう」
美由紀「本当に?」
美由紀「直樹さん、ありがとう」
美由紀(やった)
美由紀(あの小娘には散々振り回されたけど、これで終わりよ)
美由紀(勝った・・・)

〇豪華なリビングダイニング
  直樹が沙羅に、転勤が決まったこと、それを機に家を出ることを打ち明ける・・・
沙羅「お兄ちゃんが家を出る?」
沙羅「じゃあ、私も一緒にそこに・・・」
直樹「それはダメだ」
直樹「お前には学校がある」
直樹「それに、いずれこうなるんだ」
直樹「いつまでも2人で暮らすわけにもいかない」
直樹「お前も将来結婚すれば、家を出ることになるんだ」
沙羅「そんな・・・」
沙羅「それはあの女の入れ知恵なの?」
直樹「あの女? 美由紀さんのことか? そんな言い方をするな」
沙羅「まさか、あの女と一緒に暮らすの?」
直樹「・・・」
沙羅「そうなのね」
直樹「最初はそんなつもりじゃなかったんだが、2人で話してそういうことになった」
直樹「沙羅、わかってくれ。これはお前のためなんだ」
沙羅「わかんない」
沙羅「そんなのわかんないよ」
直樹「沙羅・・・」

〇綺麗な部屋
沙羅「お兄ちゃんがここから出ていっちゃう」
沙羅「もう一緒にいられない」
沙羅「あの女にお兄ちゃんを取られちゃう」
沙羅「そんなの絶対嫌だ」
沙羅「お兄ちゃん・・・」

〇本棚のある部屋
直樹(時間が経って落ち着けば、沙羅もわかってくれるだろう)
沙羅「お兄ちゃん・・・」
直樹「沙羅・・・」
沙羅「お兄ちゃん、行かないで」
沙羅「お兄ちゃんがいないと私・・・」
沙羅「お兄ちゃん!」
直樹「沙羅、落ち着くんだ」
沙羅「嫌だ、絶対離れたくない」
直樹「沙羅、そこに座るんだ」
沙羅「・・・」
直樹「沙羅、最初に俺たちが会ったときのことを覚えているか?」
直樹「お前はまだちっちゃくて、母さんの陰に隠れていたよな」
沙羅「うん。お兄ちゃんは最初からすごくやさしかった」
直樹「家族で動物園にも行ったな」
直樹「お前が虎を見て泣き出して」
沙羅「えへへ。恐くてお兄ちゃんに抱きついてた」
沙羅「私に友だちがいなくてひとりぼっちだったとき、いつもお兄ちゃんが一緒に遊んでくれた」
直樹「そんなこともあったな」
直樹「沙羅」
直樹「俺たちは兄妹だ」
直樹「俺が家を出ても、お前が将来誰かと結婚したとしても、それはずっと変わらない」
直樹「俺はお前のことを絶対忘れない」
直樹「お前が辛いとき、悲しいときはすぐに駆け付ける」
直樹「だから、何も心配することはない」
直樹「沙羅、わかってくれるな」
沙羅「うん・・・」
沙羅「お兄ちゃん、今日ここに泊まっていい?」
沙羅「隣で寝てるだけだから」
直樹「わかった」

〇黒
沙羅「お兄ちゃん、大好き」
沙羅「私、お兄ちゃんに会ってからずっと幸せだった」
沙羅「今もすごく幸せ」
沙羅「お兄ちゃん!」
直樹「沙羅!」
沙羅「お兄ちゃん!」
直樹「沙羅!」
沙羅「お兄ちゃん・・・」
沙羅「お兄ちゃん、愛してる」
直樹「沙羅・・・」
「・・・・・・」

〇豪華なリビングダイニング
  その後、転勤の時期になり、直樹が家を出ていった・・・
沙羅「お兄ちゃん、いなくなっちゃった」
沙羅「これからどうしよう」
沙羅「・・・」
沙羅「大丈夫、お兄ちゃんは絶対私のところに戻ってくる」
沙羅「だって、あの女じゃお兄ちゃんを幸せにすることはできないから」
沙羅「お兄ちゃんを幸せにできるのは私だけ」
沙羅「だから私はお兄ちゃんを連れ戻す」
沙羅「どんな手を使ってでも・・・」
沙羅「私とお兄ちゃんはずっと一緒」
沙羅「決して離れられない」
沙羅「これまでも、これからも・・・」

次のエピソード:第6話 想いはスクリーンの中に

コメント

  • 女同士の心理戦、凄かったです!一気読みしてしまいました!
    美由紀のやり方がなかなか強烈でした……向けられた好意をそんな風に使うなんて!
    そして直樹と沙羅は兄妹だけれども血が繋がってないのかな……?「幸せにできるのは私だけ」と言い切る沙羅ですが、もしかして複雑な家庭環境に何かあるんでしょうか?
    気になります!

  • 俊介が美由紀の刺客だとまさか沙羅が知っていたとは!
    そして知った上で俊介に笑顔で対応出来る沙羅が怖いです😫
    今のところ軍配は美由紀に上がっていますが、沙羅はまちがいなくこのままじゃ終わりませんよね。
    果たして沙羅がどうやって美由紀から直樹を奪還するか、第2部の次回以降が楽しみです!

  • 第1部は美由紀の勝ち(?)となりましたが…
    沙羅も黙ってはいないはず…どんな手を使って兄を取り戻しに来るのかゾクゾクです😱

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