HIMAHAN-Z(ヒマハンズ)

君乃世界

エピソード2(脚本)

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〇曲がり角
太田重雄「なんかまた早くなった? ケイトのそれ」
広川継人「にひひ。わかる?」
広川継人「昨日の夜、いじったんだ。 もっとすごいことできるよ」
  取り出したスマホのボタンを押すと、ホログラムのキーボードが現れる。
広川継人「見ててよ」
太田重雄「うわー、すっげー!」
広川継人「僕の計算では、これで毎日の通勤時間を3分42秒短縮できる。 年間に換算すると・・・」
太田重雄「あ! ケイト、前!」
真泉クリスティーナ「きゃあ!」
広川継人「うわぁっ」
広川継人「いててて」
真泉クリスティーナ「どこ見て走ってんのよ!」
真泉クリスティーナ「この私に怪我でもさせたらどうするつもり!?︎」
広川継人「ごめん・・・」
真泉クリスティーナ「謝れば何でも許されると思ってるの!?︎」
真泉クリスティーナ「あら? あなた」
広川継人「え?」
  手に持っていたケイトの写真を眺めたあと、継人の顔をジロリと見るクリスティーナ。
太田重雄「まあまあ、怪我はなかったんだから」
真泉クリスティーナ「勝手に話に入ってこないでよ一般人」
太田重雄「ええっ・・・」
  クリスティーナの時計が鳴る。
真泉クリスティーナ「時間に助けられたわね。 今回は許してあげるわ」
真泉クリスティーナ「いい? 今後二度と私と同じ道を走らないで」
太田重雄「なんなんだあの子。 そこまで言われる筋合いはないよ」
広川継人「でも、悪いのは僕の方だし」
太田重雄「あんまり見かけない子だね。 うちと同じ制服着てたけど・・・」
広川継人「一年生かな。 学校で見かけたらもう一回謝っておくよ」
太田重雄「大丈夫そう? 車椅子」
  継人がキーボードを叩く。
広川継人「ちょっと修理が必要かも・・・」
広川継人「重雄君、先に学校行っててよ。 遅れちゃうから」
太田重雄「でも・・・」
広川継人「すぐに追いつくよ」
広川継人「時速40キロまで出るように改造してあるんだ」
太田重雄「すご・・・」

〇ハイテクな学校

〇おしゃれな教室
教師「今日からこのクラスに転校生が入ります」
真泉クリスティーナ「真泉クリスティーナです。 アメリカから来ました」
真泉クリスティーナ「みんな、クリスティって呼んでね」
太田重雄「げ・・・」

〇おしゃれな教室
太田重雄「そこ、僕の席なのに・・・」
真泉クリスティーナ「一般人は黙ってて」
真泉クリスティーナ「私、どうしてもこの席が良かったのよ」
真泉クリスティーナ「文句ある?」
太田重雄「・・・ないです」
真泉クリスティーナ「よろしくね」
広川継人「う、うん」
真泉クリスティーナ「広川継人君」
広川継人「え!?︎ 」
広川継人「なんで僕の名前を?」
真泉クリスティーナ「さっき、そう呼ばれていたじゃない」
  怪訝な眼差しでクリスティーナを見る継人。

〇おしゃれな教室
太田重雄「ねぇケイト。 絶対怪しいよねあの子」
広川継人「どうして?」
太田重雄「だってこの時期に転校だよ?」
太田重雄「まだ四月始まったばっかりなのに」
広川継人「言われてみれば」
広川継人「でもまぁ、気にしすぎじゃないかな」
  女生徒たちが声をあげる。

〇おしゃれな教室
広川継人「え! あれって!」
太田重雄「お! HIMAHAN-Zじゃん」
太田重雄「世界中で流行ってるって本当だったんだ」
太田重雄「すっげーよなケイトの父ちゃん」
広川継人「でも、ほら。 青いラインが入ってる」
太田重雄「本当だ。 アメリカのはオレンジじゃないのかな」
広川継人(なんであの子があれを・・・)
真泉クリスティーナ「これはβ版よ」
真泉クリスティーナ「あなたも同じのを持ってるでしょ?」
広川継人「!」
広川継人「どうしてそれを?」
女生徒「クリスティのお母さん、HIMAHAN-Z作ってる会社の社長さんなんだって」
広川継人「え!」
太田重雄「HIMAHAN-Zの社長って、君、あの真泉マリーの娘なの!?︎」
真泉クリスティーナ「うるさいわね一般人。だったらなんなのよ」
太田重雄「う・・・僕も一個欲しいなって」
太田重雄「HIMAHAN-Z、どこも売り切れだから」
真泉クリスティーナ「隣の広川君に頼めばいいじゃない」
真泉クリスティーナ「彼の父親はHIMAHAN-Zの開発者でしょ?」
太田重雄「それは・・・その・・・」
広川継人「・・・・・・」
真泉クリスティーナ「どうしたの?」
太田重雄「べ、別に、何でもないよ」
真泉クリスティーナ「何よ。ちゃんと答えて」
太田重雄「いいじゃない。その話は。 また今度に・・・」
真泉クリスティーナ「よくないわ」
真泉クリスティーナ「あなたの家にはいくらでもあるでしょ? HIMAHAN-Zの本体くらい」
太田重雄「もう! いい加減にしてよ!」
太田重雄「ケイトにはケイトの事情があるんだよ!」
広川継人「いいよ。行こ、重雄君」
太田重雄「う、うん・・・」
真泉クリスティーナ「・・・・・・」

〇学校の校門
広川継人「じゃあ。僕、塾だから」
太田重雄「うん。また明日!」
  継人と反対方向に歩き出す太田。
「ちょっと待ちなさいよ」
太田重雄「な、何だよ」
真泉クリスティーナ「聞きたいことがあるの」

次のエピソード:エピソード3

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