第8章第2節 『俺がデュランダルでお前もデュランダルで』(脚本)
〇黒
漆黒のデュランダルの力は呪われし魔星の力だ。
この強大すぎる力が解放されれば世界が崩壊しかねない。
故に四騎士は彼のかわりに戦う使命を負っているのだ。
──『デュランダル 漆黒の書』 第2章 第1節──
〇大きい展示場
〇広い更衣室
コスプレイヤーたちが着替えている。
怪人A「よーし。 仮免ライダーシリーズ怪人併せ、コスはばっちりですかーー?」
「ばっちりでーす」
マルス「ふむ。こいつらにするか」
女眷属「ええ。おあつらえ向きですね」
マルス「闇の王たるマルスが命じる。 いでよ! 闇の眷属どもよ!」
闇の眷属たちが出現し、怪人のコスプレ
イヤーたちの身体を乗っ取る。
「ギャーーーーッ!」
身体を乗っ取られた怪人のコスプレイヤーたちから、黒いオーラが立ちのぼる。
「マルス様、ゴ命令ヲ」
マルス「うむ。 普通の人間に紛れて、デュランダルを後ろから不意打ちするのだ!」
女眷属「マルス様・・・こすいです」
〇施設のトイレ
黒衣の青年が小便器の前にいる。
壁に黒い剣が立てかけてある。
只野男志「うう~~、トイレトイレっと」
只野も壁に、コスプレ用の黒い剣を立てかける。
只野男志「は~~、生きかえるぅ~~」
黒衣の青年「・・・フィニッシュ」
只野男志「・・・ふぅ。あの。ご立派ッスね」
黒衣の青年「うん?」
只野男志「そのコス。キャラカブってますけど」
黒衣の青年「普通の人間か。 死にたくなければ、我と関わり合いになるな」
只野男志(・・・今日はなりきり系多いな。 ま、お祭りだし。つきあってやるか)
只野男志「確かに、もし我が常人ならば、闇との戦いに巻き込まれ、生きてはいられまい」
黒衣の青年「・・・ほう。 もしや貴様もムー大陸の転生者か?」
只野男志(こいつ、ムー大陸の戦士が転生した設定か。オリジナリティないなー)
只野男志「そのようなものだ。 恐怖の大王デフレエルも我の敵ではなかった」
黒衣の青年「ほう」
黒衣の青年「デフレエルの気配が消えたのは貴公の活躍によるものか。やるな」
只野男志(おぉう。対応力高ぇな。 俺のオリジナル設定、普通に拾ってくるよ)
黒衣の青年「名を聞こうか。運命の戦士よ」
只野男志「フッ。よかろう。我が名は漆黒の──」
怪人B「デュランダァァル!」
只野男志「え・・・? 闇の眷属!? やばっ!」
只野が黒い剣を掴んで逃げだす。
怪人B「マテェエエ!」
黒衣の青年「闇の勢力・・・滅すべし」
黒衣の青年が黒い剣を掴み、後を追う。
〇コミケの展示スペース
只野男志「ぎゃーーっ、く、来るな~~!」
「マテェーー!」
コスプレイヤーA「何かのイベント?」
オタク「目線こっちくださーい」
只野男志「だ、誰か助けてぇ!」
コスプレイヤーB「がんばれ~~戦え~~」
只野男志「ダメだぁ! みんなガチだって気付いてないぃいっ」
「追イツメタゾ。 覚悟シロ、漆黒ノデュランダル」
黒衣の青年「闇の眷属よ・・・貴様等は漆黒のデュランダルを探しているのか」
只野男志(トイレの人!?)
怪人B「ナンダ、貴様ハ。邪魔ダ」
怪人C「ソコヲ退カヌナラ、殺スゾ」
黒衣の青年「フッ。やってみるがいい」
只野男志(だめーっ。トイレの人!)
只野男志(その人達の設定拾わなくていいから! それはガチの人たちだから! 死んじゃうから!)
黒衣の青年「この我、漆黒のデュランダルを討ち取れるものならばな」
怪人A「嘘ヲツクナ。 デュランダルハ、ソコニイル小僧ダ」
只野男志(そう。デュランダルは俺! いや、正確には俺じゃないんだけど!)
黒衣の青年「我に宿りし、漆黒の魔星 (シュヴァルツ・パワー)よ・・・」
黒衣の青年「漆黒の大盾(シュヴァルツ・シルト)」
黒衣の青年が呪文唱えると、掌の上に黒く輝く光球が現れる。
怪人B「!?」
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