「なんでこうなったんだ?」

ふたひい

シーン4(脚本)

「なんでこうなったんだ?」

ふたひい

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〇洞窟の深部
  次の日、俺は朝早くから目が覚めてしまった。
俺「うぅ〜ん。 まだ眠いなぁ」
俺「二度寝するか」
  そう思い再び布団の中に潜ろうとした時だった。
  誰かが扉をノックしてきた。
  誰だろう?こんな時間に
俺「はい、どちら様ですか?」
???「おはようございます。神無月さんの担任の先生です。今お時間よろしいでしょうか?」
俺「あ、僕です。今開けますので少し待ってください」
  時計を見ると時刻はまだ朝の6時半である。
  「なんでこんな時間に先生が?」と思いつつ
俺「どうぞ入ってください」
  先生を名乗る人物を招き入れた。
  僕には転生前の記憶しかないため、この世界での先生を知らない。
  不要なトラブルを避けるために、知り合いであるかのように振舞うことにした。
先生「失礼します」
  入ってきたのは若い女性であった。
  この人が僕の担任なのか・・・ 正直、不安しか感じない。
俺「あの、何か用件がありましたか?」
先生「はい、先日の事故についての説明と今後のことについて話し合いたいと思います」
  事故?事故ってなんだ?
  確かに前世の僕は事故死しているが、こっちの僕も事故に遭ったのか?
  流石にこれは話を合わせるのは難しいので、僕は正直に聞いてみた。
俺「すみません、事故というのはどういうことでしょうか?」
先生「え?覚えていないの?」
俺「はい、全く記憶がありません」
先生「そうなんだ。じゃあまずは説明するね」
先生「あなたは、交通事故に遭い一ヶ月ほど意識不明の状態で病院に搬送されていたの。そして、つい最近目を覚まし退院した」
先生「ここまでは大丈夫かな?」
俺「は、はい」
先生「じゃあ、続けるね」
先生「その後あなたは、事故の影響で記憶喪失になりました」
先生「日常生活に必要な知識などは残っていたけど、それ以外の記憶は全て消えてしまったようなの」
俺「そんなことが・・・」
先生「ええ、だからあなたは事故で頭を強打して記憶を失った・・・ということになっているわ」
俺「???」
  ・・・ということになっている?
  僕がどこか違和感を覚えていると
先生「あと、もう一つ。あなたが、異世界から来たということは誰にも言ってはダメよ」
  !?!?!?!?
  なぜこの人は僕が転生者だと知っているんだ!?
  それを知っているのは両親だけのはずだ!
  こいつは何者だ!?
俺「な、なんのことですか?」
  とりあえずしらばっくれてみるが・・・
先生「ふっ、無駄だよ」
  その一言と同時に、俺の首元にはナイフが突きつけられていた。
俺「ひっ!!」
  俺は恐怖を感じてその場に尻餅をついた。
先生「さすが転生者だな、一般人なら今ので失神していたぞ」
俺「ど、どうして僕が転生者だと知っている・・・」
先生「私のスキル『鑑定』によって君の正体を知った」
先生「君は異世界からやって来た人間なのだろ?」
俺「そ、そうならどうしたっていうんだよ!」
先生「まぁ落ち着け、私は君の味方だ」
俺「な、何が目的だ・・・」
先生「単刀直入に言おう。私に協力してもらいたい」
俺「協力って何をさせる気だ?」
先生「それはまだ言えない。だが、悪いようにはしない」
俺「断ると言ったら?」
先生「残念ながら、力づくでも協力してもらうよ」
俺「くっ!どうして俺に協力を求める?メリットなんて無いだろ」
先生「それは簡単なことだ、異世界の人間がどんな存在か知りたいからだ」
俺「それだけか?そんな理由で俺は命を狙われるのか?」
先生「ああ、そうだ」
俺「ふざけんな!!俺はお前たちの実験材料じゃない!」
先生「仕方がない。無理やり従わせるか」
  そう言うと、女は指をパチンッと鳴らした。
  すると、扉から武装をした男たちが現れた。
先生?「おい、このガキを捕らえろ」
武装した男1「ハッ!」
  そう返事をするなり、男の一人がこちらに向かってきた。
俺「クソッ!離せ!!!」
  必死に抵抗するが、子供の力で大人に勝てるわけもなく拘束されてしまった。
武装した男1「おとなしくしろ!」
俺「痛いっ!やめてくれ!」
先生?「よし、そのまま連れていけ」
  こうして、俺は抵抗むなく拉致された。
  ──────・・・──────
  シーン5へ続く

次のエピソード:シーン5

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