夫は私を裏切っている?

美愛

夫が浮気? 3(脚本)

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〇おしゃれなレストラン
  綾子と拓也がレストランで話している。
佐藤綾子「どういう事よ! 私、真美があなたの子供をおろしたなんて聞いてないわ」
山本拓也「綾子、俺と真美の後をつけたのか?」
佐藤綾子「そうよ。夏子に頼まれてね」
山本拓也「まさか、夏子も見てたのか?」
佐藤綾子「そうよ。夏子、すごくショックを受けてた」
山本拓也「俺、本当に何も覚えてないんだ。真美に、俺と真美がホテルにいる写真を見せられて」
山本拓也「1ヶ月後には、俺の子をおろしたって脅されて」
佐藤綾子「それ、真美ににはめられたんだよ! どうして私に本当の事を言ってくれなかったの?」
山本拓也「話すのが怖かった。真美の妊娠も嘘か本当かわからなかったし」
佐藤綾子「私、真美が本当に妊娠していたのか調べてみる。真美は○○産婦人科で赤ちゃんをおろしたっていったんだよね?」
山本拓也「ああ、そう言ってた」
佐藤綾子「その産婦人科には友人が働いているから聞いてみる。その代わり、今日はうちに来て」
山本拓也「俺、夏子をこれ以上裏切れない」
山本拓也「綾子、別れてくれ」
佐藤綾子「嫌よ。私、夏子に私達の関係を話すつもりはないし、拓也と結婚したいとは思ってない」
山本拓也「わかってる。だけど、これ以上夏子を苦しめたくないんだ」
佐藤綾子「拓也が私と別れるっていうなら、私、全てを夏子に話すから」
山本拓也「それはやめてくれ!」
佐藤綾子「私は夏子の親友なの。夏子を苦しめたりしない」
山本拓也「俺は・・・・・・」
佐藤綾子「拓也は私と、1ヶ月に2回会うだけで秘密は守れるの。さあ、行きましょう」
山本拓也「わかった」

〇明るいリビング
  夏美は加奈の家に来ている。
伊藤加奈「拓也さんの事、あれからどうなったの?」
香川夏子「拓也、会社の同僚と付き合っていて」
香川夏子「彼女、拓也の子供を下ろした事があるって」
伊藤加奈「えっ、なにそれ? 夏子、拓也さんと別れないの?」
香川夏子「事実なら離婚するつもり。だけど、その前に証拠を集めようと思って」
伊藤加奈「そうだね。まずは事実かどうか調べないと」
伊藤加奈「でも、どうやって調べるの?」
香川夏子「友達の綾子が、拓也の会社に知り合いがいて、その人に聞いてくれるって」
伊藤加奈「会社の人なら、拓也さんのことを色々しっているかもしれないもんね」
香川夏子「うん。拓也が浮気している可能性は高いけど」
伊藤加奈「そうだね、でも、拓也さんとはいつも通りに接しないとダメだよ」
伊藤加奈「疑われたら、証拠を隠されたり、会社の人に口止めするかもしれないし」
香川夏子「わかった。気をつける」
香川夏子「今日は飲もうよ。拓也、今日は接待で夕食はいらないっていうから」
伊藤加奈「本当に接待なの? 後をつけた方が良かったんじゃない?」
香川夏子「そうなんだけど。今は心が壊れそうで、後をつけるのは無理」
伊藤加奈「ごめん。夏子の気持ちも考えないで。今日は飲もうよ」
香川夏子「乾杯!」
伊藤加奈「乾杯!」
  夏子は酔っぱらって眠ってしまい、加奈は拓也に夏子を引き取りに来るように電話をかけた。
山本拓也「遅くなってごめん。夏子、帰るよ」
伊藤加奈「酔っ払っているから、起きないと思う」
山本拓也「そんなに飲んでるのか。夏子、俺の愚痴をこぼしてた?」
伊藤加奈「拓也さんが浮気して、浮気相手にこどもをおろさせたって言ってたよ」
山本拓也「そんなことまで、加奈ちゃんに話したのか」
香川夏子「夏子の言ってた事は本当なの?」
山本拓也「・・・・・・俺、あの日酔っ払っていて全く覚えていないんだ」
伊藤加奈「覚えてないなんて、男の常套句(じょうとうく)ね」
香川夏子「あの時だって・・・・・・私と結婚するって約束したのに、」
山本拓也「加奈ちゃん、それは言わない約束だろ?」
山本拓也「俺は夏子を選んだ。加奈ちゃんには悪いと思っているけど」
伊藤加奈「夏子、拓也さんと離婚するつもりだよ」
山本拓也「離婚、そんな・・・・・・、俺は離婚するつもりなんてないから」
伊藤加奈「会社の同僚と浮気なんてするからだよ」
山本拓也「浮気なんてしてない。仕事が終わったあと、付き合ってくれないとバラすっていうから」
山本拓也「一緒に食事をしているだけだ」
伊藤加奈「本当かしら?」
伊藤加奈「信じたいけど、信じられない」
伊藤加奈「私だって、ずっと拓也さんが好きだった。3年もつきあっていたのに」
伊藤加奈「夏子との結婚が決まった時も、何も言わずに我慢した。それなのに」
山本拓也「あの時は本当にごめん」
山本拓也「だけど、俺は杏とは何もない。加奈ちゃんのことは今も好きだけど、夏子と離婚は考えられない」
伊藤加奈「そう。わかったわ。夏美には拓也さんを信じるように言っておくから」
山本拓也「ありがとう。そうしてくれると助かる」

〇豪華なベッドルーム
山本拓也「夏子、今日は久々にしようか?」
香川夏子「私、今日は体調が悪くて、ごめん」
山本拓也「体調が悪いなら仕方がないな」
山本拓也「ゆっくり休んで。明日には治るといいね」
香川夏子「うん」
香川夏子(こんな気持ちで拓也としたくない)
香川夏子(拓也が信じられない。側にいるのに、拓也が遠い・・・・・・)
山本拓也「俺、ずっと仕事が忙しくて、なかなか相手をしてあげられなくてごめん」
山本拓也「これからはなるべく早く帰るように頑張るし、夏子との時間をもっと取りたいと思ってる」
山本拓也「うん。ありがとう」
山本拓也(夏子、体調が悪いなんて嘘だよな。俺のせいだとわかっているけど、つらい)
香川夏子(もっと前に、その言葉を聞きたかった。今は全てが嘘に思える)
  その後、夏子と拓也は会話もなく、眠りについた。

〇役所のオフィス
佐藤綾子「夏子、拓也さんの会社にいる知り合いから、拓也さんと杏の事を聞いてきたよ」
香川夏子「綾子、ありがとう」
香川夏子「拓也と杏さんのことは何て言ってた?」
佐藤綾子「杏が一方的に拓也さんにアプローチをしているみたいだよ。拓也さんは困っているように見えたって」
香川夏子「それが本当なら、杏さんはどうして妊娠するの?」
佐藤綾子「たぶん、杏が酔っ払った拓也さんをホテルに連れ込んだんじゃないかな?」
香川夏子「拓也は酔っ払ったら、すぐに寝ちゃうから出来ないよ」
佐藤綾子「それなら、関係して妊娠したっていうのも嘘じゃない?」
香川夏子「杏さんが拓也と付き合うために嘘をついたの?」
佐藤綾子「たぶん。拓也さんを飲ませた後、ホテルに連れ込んだのも、最初から杏さんの作戦かもしれない」
香川夏子「もし、拓也が杏さんと寝ていないなら、私、拓也とやり直せるかもしれない」
佐藤綾子「もしかしたら、杏に脅されて、その後何回も関係を持ったかもしれないし、もっと調べてみた方が良いかな」
香川夏子「そんな。拓也は脅されて関係を持つ人じゃないと信じてる」
佐藤綾子「そうだね。今度、また杏と拓也をつけてみようか?」
佐藤綾子「この前はホテルに行かなかったけど、次はどうかわからないから」
香川夏子「そうする。綾子、また協力してね」
佐藤綾子「わかったわ。拓也さんが杏と浮気をしてないと良いんだけど」
香川夏子「私、拓也を信じてみる」

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