「なんでこうなったんだ?」

ふたひい

シーン3(脚本)

「なんでこうなったんだ?」

ふたひい

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〇洞窟の深部
  洞窟の中にあるリビングに戻ると、すでに朝食の準備ができていた。
  テーブルの上にはトースト、サラダ、ベーコンエッグなどの料理が並んでいる。
「やっときたわね」
俺「おはよう、母さん」
母親「おはよう、颯太ちゃん」
  お母さんはいつも通り優しく微笑んでくれた
お父さん「ほら、座ったらどうだ?」
  あれ?母さんはもう仕事に行っているんじゃなかったか?
  特に気にするほどのことではないが、少し違和感を覚えた。
  ともあれ、「まあいいか」と思いつつ席についた
「いただきます」
  みんなで一緒に食べ始めた。
  我が家は、食事中の会話は基本的にない。
  でも居心地が悪いとかそういうわけではない。
  むしろ家族の温かさを感じることができるので好きだ。
  黙々と食事をしていると、ふと思ったことがあり口を開いた
俺「母さんはもう会社に行ったんじゃなかったっけ?」
母親「ええ、行ったわよ」
俺「じゃあ、なんでここにいるの?」
母親「ん??そりゃあなたが心配だからよ」
俺「そうなんだ・・・」
お父さん「そうだぞ!母さんはお前のことを心配してわざわざ帰ってきたんだぞ」
俺「ありがとう、母さん!」
母親「いえいえ、どういたしまして!」
お父さん「でもお前ももう小学生なんだし、一人で色々とできるだろ?」
俺「うん、もう大丈夫だよ!」
お父さん「そうか!」
母親「母さんは、もうちょっと甘えてもいいと思うんだけどねぇ」
俺「いや、僕もう大人だし」
お父さん「ははは!確かにな!もうお前は立派な大人だもんな」
母親「・・・そうよね!颯太ちゃんはもう立派に育ったんだから」
俺「う~ん、でも・・・」
お父さん「どうしたんだ?何か心配事でもあるのか?」
俺「えっと・・・その・・・」
  どうしようか迷ったが、やっぱり相談することにした。
  今後ずっと、俺が転生者だということは隠し通せるとは思えなかったからだ。
  それに、父さんと母さんには感謝しても仕切れないほどの恩がある。
俺「実は・・・・」
  俺は転生者であり、転生前の自分の記憶を持っていることを二人に打ち明けた。
「・・・・・・・・」
  二人は真剣な表情をして俺の話を聞いてくれている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
  ・・・長い沈黙の時間が流れる・・・
母親「ごめんなさい」
  母さんは涙を流しながら謝ってきた。
俺「どうして母さんが泣くの?」
母親「だって・・・」
お父さん「俺はお前を信じてるから、大丈夫だ」
俺「父さん・・・」
お父さん「お前は優しい子だ。俺たちに嘘をつくようなことはしない」
俺「・・・」
お父さん「今のお前の本当の気持ちを聞かせてくれないか?」
俺「僕は、今まで通りの生活を続けたいと思ってる」
お父さん「そうか、ならそうすればいい」
俺「えっ!?」
お父さん「お前の人生だ、お前の好きなようにするといい」
母親「颯太ちゃん、無理に私たちに合わせなくていいのよ」
俺「本当にそれで良いの?僕は別の世界の人間なんだよ!」
お父さん「ああ、もちろんだ」
母親「私もそれが良いと思うわ」
俺「わかった、これからは自分の意思を大切にするよ」
  こうして俺は、自分の正体を打ち明けることができた。
  そして、この日から俺は自分自身の意思で行動することとなった
  シーン4続く

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