私をブタと罵った男に復讐するため、男子校に入学した話。

ロングヒル松山

エピソード3(脚本)

私をブタと罵った男に復讐するため、男子校に入学した話。

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〇女の子の一人部屋
葉山優希「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?????!!???」
葉山優希「どどど、どうするのこれ!?」
  わたしは、こんらんしている!

〇一階の廊下
葉山紀明「なんだ、どうしたんだ!?」
葉山恵美「優希ちゃん! 大丈夫!?」
  私の絶叫に驚いたお父さんとお母さんが、声をかけてくる。

〇女の子の一人部屋
葉山優希「な、なんでもないから! 気にしないで!」
  そう一声かけて、これからどうすべきか思案する。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
葉山優希「何も思いつく訳ないーーー!!」
葉山優希「うぐおおお・・・・・・! どうすりゃいいのよー! このために4年間生きてきたのにぃ!」
  自分磨きを完璧に行い、あとはあいつを惚れさせて振るだけだったのに・・・・・・。
  まさかこんな障害があるなんて・・・・・・!
葉山優希「いや、落ち着け私・・・・・・クールになれ こういう時こそ・・・・・・」
葉山優希「こういう時こそ、アニメと漫画!」
  そう、大切なことは2次元が教えてくれるのだ。
  いままでの困難もそうして乗り切って来た。
  今回だって、何か解決策が見つかるはずだ。
葉山優希「よーし・・・・・・とりあえず、女装男子ものと男装女子ものを一気見する!」

〇女の子の一人部屋
葉山優希「・・・・・・・・・・・・」
葉山優希「ダメじゃん!」
  私は私は丸一日かけて、女装男子が女子高に通う話や男装女子が男子校に入る話を、調べまくり、見まくったのだが
  そうした作品では双子で入れ替わっていたり、学校の理事長が親類だったり、ウルトラCな突破口を持っているものばかりだった。
葉山優希「うう・・・・・・まさか2次元で解決できないことがあるなんて・・・・・・」
  しかしここで諦めるわけにはいかない・・・・・・。
  こうなったら、奇跡にかけよう。

〇明るいリビング
  私は意を決して、父母に招集をかける。
  不思議そうな顔で、リビングに座る二人に、私は切り出す。
葉山優希「・・・・・・私って、本当は双子のお兄ちゃんか弟がいたりしない?」
葉山恵美「は?」
  お母さんが、ひらがな一文字で聞き返してくる。
葉山優希「じゃあ、私の親戚が蒼春高校の理事長だったりしない・・・・・・?」
葉山紀明「は?」
  お父さんも、ひらがな一文字である。
  終わりだ・・・・・・。
  私は全身の力が抜けて、机に突っ伏した。
葉山紀明「どうしたんだ、優希!?」
葉山恵美「何かあったの? お母さんたちに何でもお話して!?」
  私は自暴自棄になり、全てを両親に話した。
  この4年間の引きこもりと、自分磨きの理由、
  そして私の目的、五十嵐薫への復讐について。
葉山優希「・・・・・・というわけで、蒼春高校にどうしても入りたかったの」
葉山紀明「なるほど・・・・・・」
葉山恵美「まさに復讐に生きる女なわけね・・・・・・」
  二人は神妙な面持ちになる。
  そりゃそうだ・・・・・・。
  引きこもりの娘が意味不明なことを言って男子校に行きたがるなど、絶句するしかないだろう。
葉山優希「・・・・・・変なこと言ってごめんなさい。 あの、もう気にしないで。 自分でもおかしいってわかってるし・・・・・・」
葉山紀明「よし。そういうことなら、お父さんとお母さんも協力するぞ!」
葉山優希「・・・・・・え?」
葉山恵美「そうね! 高校で戸籍まで調べないだろうし、願書に男性って書いて出せば大丈夫よきっと!」
葉山紀明「そもそも男の子だって嘘ついて、男子校に入るなんて、そんなアホなことする人がいると思わないだろうしな!」
葉山優希「え、あの・・・・・・いや・・・・・・いいの!?」
葉山紀明「娘のやりたいことを応援するのが親だろ?」
葉山優希「いや、そうだけどさ!?」
葉山恵美「優希ちゃんを振るような節穴系男子は、成敗しなきゃね! 女の恐ろしさ、教えてあげなさい!」
葉山優希「ええ~・・・・・・」
  我が両親ながら理解力がありすぎる。
  しかし、私の身にもアニメキャラのような奇跡が起きたのだ。

〇明るいリビング
  こうして私は両親公認の元、堂々と性別を偽り

〇教室
  筆記試験

〇役所のオフィス
  住民票の偽造

〇教室
  三者面談

〇大きな木のある校舎
  全ての困難を乗り越えて
  男の園「蒼春高等学校」に入学することができたのだった。
葉山優希「ここが・・・・・・蒼春高校・・・・・・!」
  入学式の日、対に辿り着いた念願の男子校を前に、私の心は熱く燃えていた。
葉山優希「ついにここまできた・・・・・・」
  やってやろうじゃないか!
  お父さんとお母さんも、私の目標を応援してくれている。

〇明るいリビング
葉山紀明「頑張れよ、優希! 男らしさで分からないことがあったらスマホですぐにお父さんに聞くんだぞ!」
葉山恵美「今は中性系っていうのが流行ってるらしいから、優希ちゃんの隠しきれない可愛さもセーフのはずよ! 自信を持ってね!」

〇大きな木のある校舎
  私は託された熱い思いを胸に、入学式の行われる体育館へ向かう。
  歩き方はお父さんに指導されたガニ股を意識して、少し粗野な感じで。
  伸ばしていた髪は残念だったが、復讐のためなら安いものだ。胸も補正下着でしっかり潰している。
葉山優希「ふふふ・・・・・・」
  待っていろ・・・・・・五十嵐薫!
  どこへ逃げてもお前を惚れさせて、こっぴどく振ってやるからな・・・・・・!
  薫が振られて絶句している表情と、その際の晴れやかな心情を考えて歩いていると、ふいに隣から声が聞こえた。
郷原竜二「うわ! なんで女が男子校おるんや?」
葉山優希「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
  バ・・・・・・
  バレたああああああああああああああああああああああ!?

コメント

  • ご両親、優しすぎる😭
    さらっと書類偽造してて笑ってしまいました🤣

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