裏池には人魚がいる

甘皮がない

ゆめみ小学校の伝説(脚本)

裏池には人魚がいる

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〇教室
  ゆめみ小の裏池には人魚伝説があります。
  聞いたことはありますか?
  
  そして、わたしたちはだれでしょうか?
  伝説と手紙の送り主についてわかったら、
  明日の昼休み、裏池に来て下さい。
  答え合わせをしましょう。
  この手紙は4年生にだけ渡しています。
  これはヒントです。
  では明日待っています。
4-2 はるか「なんやろ、これ」
4-2 りゅう「人魚伝説って何? 聞いたことある?」
4-2 はるか「ないなぁ。だれか知らんかな」
4-2 りゅう「そうや! 先生、これ知りませんか?」
先生「・・・・・・」

〇池のほとり
  翌日の昼休み
  裏池
「人魚の国へようこそ~」
4-2 りゅう「えええーー 先生!?・・・と、だれ!?」
4-2 はるか「シッ しずかに! 隠れるで 最後の確認するんやろ?」
4-2 りゅう「ハッ! そうやった! だれが来てるか見るんやった」
6-1 かな「エッ!? 案内役ふたりいてる!?」
6-1 ゆうき「先生にしか頼んでへんのに・・・ 誰やもうひとりの・・・」
6-1 かな「答え合わせどうする? ふたりおるし、 なんか違う伝説になってるけど・・・」
6-1 ゆうき「う~ん・・・いまさら変えられへんし、 予定通りにするしか・・・」
4-1 たくや「センパ~イ!」
4-1 たくや「人魚伝説の目撃者になりましたね オレたち」
6-1 かな「・・・そうやね」
4-1 たくや「目の前で起きてる謎なんて、 今すぐ解けるわけないですよね?」
4-1 たくや「送り主はセンパイたち6年生なんでしょ? もうそれでこの謎解きは終わりで良くないですか?」
4-2 はるか「ちょっと待って!」
4-2 はるか「うちらはちゃんと、謎解いたで!」
4-1 たくや「4-2・・・!ジャマするなよ」
4-2 りゅう「ジャマってなんやねん」
4-1 まゆこ「なんや 2組は来ぇへん気かと思ったわ」
4-2 はるか「いや来るよ!」
4-2 はるか「それより、あれあんたのオカンやん わざわざ呼んだん?」
4-2 りゅう「えっ、まゆこのオカン若っ!?」
4-1 まゆこ「いや、人魚なんちゃう?」
4-2 はるか「それは無理があるって・・・」
4-1 まゆこ「ほんで、謎解けたってほんまなん?」
4-2 りゅう「ほんまほんま! 4-1はどうせ解いてないやろうけど、」
4-2 りゅう「オレらは聞いてまわってん 人魚伝説のこと」
人魚?「今日は少し忙しいの みなさんごきげんよう」
人魚?(まゆちゃんごめんね そろそろPTA会議の時間やからね・・・)
4-1 まゆこ(タイムアップか・・・行ってもうた)
4-2 はるか「人魚伝説の映像も見せてもらってん! すごかった~~!!」
4-1 まゆこ「・・・どういうこと?」
4-2 りゅう「人魚伝説っていうのは、 6年生が2年前に文化祭でやった 劇のことやってん!」
4-2 りゅう「先生は当時の4年生の担任やったから 頼まれて、あそこにおるんやと思う」

〇池のほとり
先生「そろそろ答え合わせしよっか」
6-1 ゆうき「4年生たち、それで合ってるよ」
「やったあ!」
6-1 ゆうき「これで僕たち忘れられへん、かな」
6-1 かな「・・・すぐ忘れられるやろ」
6-1 かな「あんだけほめてもらえた劇も 2つ下に知られてなかってんから」
6-1 ゆうき「5年生は覚えてくれてたやん」
6-1 かな「それはちゃんとうれしかったよ」
6-1 ゆうき「あの台本、皆でがんばって作ったよな」
6-1 かな「うん・・・」
6-1 かな「こんなんできる学年、 わたし達のほかにないって思った」
6-1 かな「ホンマに。最高の学年やと思ってた 1クラスしかないけど、 その分ほかの学年より仲良くて」
6-1 かな「でも、卒業が近くなって、わたし達も ほかと変わらん学年やったんちゃうか って」
4-1 まゆこ「そんなに劇知ってほしいんやったら、 もっかいやったらいいんじゃないん? なんであんな手紙・・・」
6-1 かな「やりたないねん・・・ 人魚役が・・・つむぎがおらんから・・・」

〇池のほとり
つむぎ「なぁなぁ ほんまに ここに人魚が住んでたら、 どんな気持ちやろうね」
つむぎ「トラブルもそんなにないし、 遊びに来る人もおらんし・・・」
つむぎ「ただおるだけやったら、面白くないかも」
つむぎ「だから、人魚はまわりの人を遊びに来さすと思うなぁ!」
つむぎ「きっとその方が楽しくて幸せやから」
かな「そう・・・?」
つむぎ「うん! かなの役はさ、 人魚のうわさを怖がるんじゃなくて、」
つむぎ「楽しいうわさやな~と思って池に来て、 私と出会うねん!」
つむぎ「そんなストーリーの方が、 私らっぽくない?」
かな「・・・そうかも。その方がいい」
かな「素敵なお話やね!」

〇池のほとり
6-1 かな「・・・・・・」
6-1 ゆうき「かな・・・」
先生「かなさん、いつでも遊びにきて つむぎさんの話しようね」
先生「・・・あなたたちは、 ほんとうにすごい4年生だったよ」
先生「今も、これからも素敵な人だよ」
先生「先生は忘れないし、 きっと今の4年生も覚えててくれるよ?」
6-1 かな(そうやな・・・つむぎ・・・)
6-1 かな「それだけじゃ足りません」
6-1 ゆうき「え?」
6-1 かな「わたし達が卒業しても、 ずっとゆめみ小の人には わたし達のこと知ってもらいたいやん」
6-1 かな「最高の学年がおったこと自体を 伝説にしてもらわんと!」

〇体育館の舞台
  翌年度
  文化祭
はるか「この池にだれか遊びにきてくれないかなぁ」
はるか「そうだ! わざと姿を見せてやろう! そしたら面白がって来てくれるかも」

〇体育館の舞台
つむぎ「毎日を楽しくするのは自分次第だもん!」
つむぎ「伝説を作ればいいんだ」
つむぎ「面白そう!って思ってくれた人と 出会えるのって、素敵だよね」

〇体育館の舞台
はるか「大丈夫。ひとりぼっちじゃない」
かな(つむぎ、わたし達の劇、 ずっとゆめみ小でやってくれるんやって)
かな(なかったことにも、おらんかったことにも されてへんよ)
かな(安心してな)
6-1 ゆうき「よかったな」
かな「うん!」
  end

コメント

  • このお話はある小学校の優秀な劇を在校生が引き続き演じるというものですが、伝統文化もいくら素晴らしいものでも継承してくれる存在なしでは受け継いで後世につなぐことができないんだと改めて感じました。小学校生活の大切な1ページ、それを糧に成長してほしいですね。

  • つむぎさんの思いをみんなで消えないようにしてるところとか、すごくよかったです。
    きっといつまでも語り継がれていくんですね。

  • ストーリーがうまく展開されていて引き込まれました。子どもたちの会話もテンポがよく、夢もあっていいですね。楽しく読ませて頂きました。

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