エピソード2(脚本)
〇荒廃した街
遥輝「にしても・・・・・・。こりゃ酷いな・・・・・・」
劣化した街を見回しながらため息をこぼす。きょろきょろと当たりを見渡してみるも、人っ子一人いない
遥輝「全然人いねぇじゃねぇかっ!」
遥輝「おいおい・・・・・・。こんなの仲間探しどころじゃねぇぞ・・・・・・」
仲間どころか、人すら見つけられなさそうな街中。皆家に引きこもってしまって、出てくる気配など微塵もない
遥輝「梅じぃのとこでも行くかぁ〜・・・・・・」
遥輝「梅じぃのとこなら誰かいるっしょ!」
そんな軽い気持ちと共に、鼻歌交じりに、子供に梅じぃと慕われる近所のおじいさんの元へと向かった
〇けもの道
遥輝「おいおい・・・・・・。どこだよここ・・・・・・」
華「こんなところに子供・・・・・・?」
華「あの、どうかなさったのですか?」
遥輝「ちょっと道に迷ってな・・・」
華「あら・・・。それは大変・・・。宜しければ、私の家にいらっしゃいます?」
遥輝「そんなことしてる暇はねぇんだ!速く仲間を探さねぇと・・・」
華「仲間・・・?」
遥輝「・・・そうだ。魔王を倒すための、強力な仲間だ!」
俺の言葉に、彼女は考え込んだ後、小さく口を開いた
華「それって・・・もしかして、魔法を使える方をお探しですか・・・?」
遥輝「魔法・・・?」
聞き覚えのない単語に、思わず首を傾げると、彼女は少し悲しそうに呟いた
華「えぇ・・・。この世界の者は、魔法が使えるのです・・・。ですが、魔法を使うには条件があるんです・・・」
遥輝「条件・・・?」
華「はい・・・。希望を取り戻すこと。それが条件なのです・・・」
遥輝「お前も、魔法が使えるのか・・・?」
俺が真剣に問いただすと、彼女はコクッと小さく頷いた後、ワッと泣き出してしまった
遥輝「ど、どうしたんだよ!?」
華「魔法の強さは・・・個人差があって・・・。私は、ちっぽけな魔法しか使えません・・・。なのに、家族は全員希望をなくして・・・」
途中で言葉を詰まらせた彼女の言葉に、グッと拳を握り込んだ
華「私のような弱い者・・・役になんてたちはしない・・・」
その弱気な言葉に、俺は思わず声を荒げる
遥輝「そんなことねぇよ!」
遥輝「お前は、家族の中で唯一、希望を失わなかった・・・。それだけ、強いってことなんじゃねぇの?」
遥輝「てか、魔法使えんの、すげぇじゃん!俺、お前と一緒に魔王と戦いたい!」
俺がそう言うと、彼女は涙をそっと拭い、少し照れたように笑った
華「・・・ありがとう・・・。そんなこと言われたのは初めて・・・」
華「私も、貴方と共に戦いたいです!」
こうして、仲間が1人、出来たのであった