エピソード3:「惨劇の真相」(脚本)
〇教室
響「おはよう!!」
響「・・・今日、放課後ちょっといいかな?」
結衣「えっ!? うん・・・。」
結衣(まさか、ほんとに!?)
めぐみ「・・・・・・」
結衣「めぐみが・・・!?」
めぐみ「・・・・・・」
結衣「なにしたの・・・!?」
めぐみ「結衣の目を通して、彼の目を見たでしょ?」
めぐみ「相手の目を見れば、少し心を動かすことができるの。」
結衣「おどろいたぁ・・・」
結衣「──大丈夫なんだよね?」
めぐみ「──もちろん、彼に害はないわ。 呪ったりもしないよ。」
結衣「ありがとう。」
めぐみ「後は放課後を待つだけね──」
〇学校の屋上
響「──ごめんね、こんな所に。」
結衣「ううん、全然!!」
響「あのさ、神楽坂さんはさ──」
響「付き合ってる人とかいるのかな?」
結衣「──いないいない!!」
響「僕、神楽坂さんのことが好きです!!」
響「──僕と付き合ってください。」
信じられないほどに、あっけなく私は響と結ばれた。
〇ゴシック
エピソード3:「惨劇の真相」
〇女の子の一人部屋
結衣「──めぐみ、ほんとにありがとう。」
めぐみ「どういたしまして。」
結衣「さ、次はめぐみの番だね?」
めぐみ「──ありがとう。 その前にさ、ちょっとだけお願いしていい?」
結衣「どうしたの? ──なにか食べたいとか?」
めぐみ「それもいいなぁ。」
めぐみ「私ね、もう長い間ひとりであそこにいたの・・・。」
めぐみ「だからね、結衣の家族に会いたいなって・・・。」
結衣「そんなことでいいなら、全然いいよ!!」
めぐみ「ありがとう。」
結衣「じゃあ、もうすぐお父さんも帰って来ると思うし、下に行こっか。」
〇明るいリビング
「ただいまー。」
結衣「あ、おねえちゃんも帰ってきた!!」
結衣「おかえんなさーい。」
結衣「はやかったねー。」
千尋「いつもと変わらないよー。」
結衣「そうだっけ!?」
千尋「最近、なんかご機嫌じゃん。」
結衣「そ、そうかな!?」
千尋「ふんふん、彼氏でもできたかな。」
結衣「!!」
千尋「図星か!!」
結衣「うん、響くんに告られた。」
千尋「ああ、前からよく電話したり、皆でカラオケ行ったりしてた?」
結衣「そうだよ。」
千尋「やっぱり結衣のこと好きだったかー。」
結衣「そうなのかな・・・・・・!? 友達が、おまじないしてくれたんだよ。」
千尋「アハハ、私の頃にもあったなー。」
千尋「よし、部屋に荷物置いてくる。」
結衣「さ、キッチン行こっか。」
〇おしゃれなキッチン
結衣「おかあさん、ここで宿題していい?」
「──どうしたの?めずらしい。」
結衣「今日はここでしよっかなって。」
めぐみ「・・・・・・」
結衣「──あ!!ちょうどお父さんも帰って来た!!」
結衣「おかえりー。」
「ただいま。 今日はここで宿題?」
結衣「うん!!」
母がまな板の上で野菜を切っている。
めぐみ「──結衣?」
結衣(どうしたの?)
めぐみ「──私、懐かしくなっちゃって・・・」
めぐみ「──結衣のお母さんの顔、近くで見たいなって・・・」
結衣「──そっか・・・いいよ。」
私は立ち上がり、母の元に向かう。
結衣「お母さん。」
──母が私の方を向き、目が合ったその時
めぐみ「──結衣、ほんとに馬鹿ね。」
──次の瞬間、母が後ろを振り返った。
──私の目の前には、包丁を父の腹部に突き立てる母がいた。
結衣「え、なに・・・・・・!?」
状況が理解できない。
──しかし、床に溜まっていく血の赤に、これが現実なのだと気付かされる。
結衣「──いやああああああ!!!!!!」
結衣「どうしたの・・・」
結衣「──めぐみ? めぐみじゃないよね!?」
私の中にいるめぐみが、明らかに動揺していた。
めぐみ「──あっ・・・」
めぐみ「──そんな・・・」
──なんだか、さっきまでと雰囲気が変わったようだった。
めぐみ「──せんせい?」
めぐみ「──ちがう・・・」
めぐみ「──まちがったの」
めぐみ「──わたし・・・」
めぐみ「──いや・・・」
めぐみ「──結衣・・・」
めぐみ「──ごめんなさい」
結衣「──めぐみ!?」
結衣「なんで・・・・・・。 なんで・・・・・・。」
結衣「ちがうの、ちがうの・・・・・・。 わたし、めぐみに・・・・・・。」
──ここから先は、もうなにもおぼえていない
〇黒背景