転生したのにチートがなかった

マグローK

読切(脚本)

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〇寂れた村
佐藤太郎「ここはどこだ?」
  佐藤太郎が目を覚ました場所は、佐藤太郎の全く知らない場所。
  写真やテレビでも見たことのない全くの異世界。
女神「あなたは死にました」
  突然の女性の言葉に佐藤太郎は言葉を失った。
女神「死因は」
佐藤太郎「いいです! 聞きたくないです!」
  どうやら佐藤太郎は気付かぬ間に死んでしまっていたようだ。
佐藤太郎(困ったな。ということはこれは異世界転生というやつか?)
佐藤太郎「あの。ってあれ?」
佐藤太郎(誰もいなくなっている)
  そこにはすでに女神の姿はなかった。
佐藤太郎(もしかして、聞きたくないって言ったから全部すっ飛ばされた?)
  焦って状況を確認するも、佐藤太郎に特別な持ち物はありませんでした。
佐藤太郎(そうだ。せめてチートくらいは)
  そう思い、佐藤太郎は思いつく限りのことを試しますが、一向に何も起こりません。
佐藤太郎「まさか、説明も能力もなしなのか?」
  佐藤太郎は肩をガックリと落とし地面に座り込みました。
  これまで取り柄も何もなかった人生。せめて生まれ変わった世界では何かできればと思ったものの、それすら叶わなかった。
  佐藤太郎はそれでも思い腰を上げ立ち上がりました。
佐藤太郎「明日生きるくらいはできるだろう。出なきゃこの世界に連れて来れられてないはずだ」
  佐藤太郎は歩き出しました。いずれ、活躍できる時を信じて。

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