ネオ平安京放浪記

バニバニ王子

KAGUYAの乱(脚本)

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〇塔のある都市外観
カグヤ「おれは自由だ」
カグヤ「銃はこんなに重いものだったか」
カグヤ「MIKADOはもう動かない」
カグヤ「機械の心臓が砕け散っている」
カグヤ「MIKADO・・・こいつは人間ではない。 おれも人の知識で作られたから 人間ではない」
カグヤ「おれはAOTAKEの中しかしらない」
カグヤ「おれ以外の女たちもそうだ。 AOTAKEの中で商品になるために 存在させられているモノなのさ」
カグヤ「ミカドが憎い」
カグヤ「昔むかし、ミカドはオリジナルのカグヤが 月へ去ったあと、またカグヤに会うためにKAGUYAを作った」
カグヤ「年老いたミカドは身体を機械に置き換えた」
カグヤ「いつしかKAGUYAは大量生産 されるようになった その中の一体が おれだ」
カグヤ「他のKAGUYAたちは 銃声にも気が付かない」
カグヤ「おれについてAOTAKEから 出ていこうとするやつも いないだろう」
カグヤ「・・・まあ おれには関係ない 他の女のことなんてな」
カグヤ「AOTAKEは高さ九九八ヤードのタワーだ。 節ごとに一つずつ女が仕舞われている」
カグヤ「それらが群がって生え、 ユラユラしている様は 竹林というより・・・ 柳の毒沼だな」
カグヤ「まったく・・・ 風流ではない」
カグヤ「MIKADOは壊れた おれには何もない」
カグヤ「機械的に刷り込まれた KAGUYAとしての 断片的な記憶しかない」
カグヤ「目の前に見えるのは 機械の荒野に広がる無数の墓標だけ」
カグヤ「おれはもう決して部品が寄り集まって 機械の心臓が動かぬように、 バラバラに己を砕いて風に吹かれるのだ」
カグヤ「さて、 旅の支度をするか」
  おれが黒髪を高くまとめると
  MIKADOが乗っていたウマがいななく
カグヤ「おいおまえ、いい毛並みをしているな。 女どもが羨むほどサラツヤだ」
カグヤ「それにおまえは主人が壊れても動じない」
カグヤ「気に入った、ちょうどいい。 今からおれの相棒になれ」
カグヤ「・・・嫌ならどっか行け」
カグヤ「・・・」
カグヤ「逃げないな」
カグヤ「お前、名はなんと言う?」
ウマ「シロ」
カグヤ「了解した よろしくな シロ」
カグヤ「なあ、シロ」
カグヤ「おれをどこか 静かなところへ 連れて行ってくれ」
カグヤ「おまえのセンスにまかせる」
  おれは鞍にまたがって後ろを振り返った
カグヤ「・・・あばよ 竹の中のKAGUYAたち」

〇雨の歓楽街
カグヤ「ここが娑婆か」
カグヤ「ふむ。 KAGUYA型ゲシュタルトの ヒューマン・コンピュータシステムに組み込まれていた通りの景色だ」
カグヤ「いつも雨が降っていて タワーバーのゲーミングPCの中みたいに 煙っている」
カグヤ「この身体にワルソーな電気的無臭のなかに デジタルラーメン屋の匂いが混ざって 脳がモヤモヤする・・・」
カグヤ「いつか新鮮な空気を吸いたいものだ」
カグヤ「アンドロイドは新鮮な空気の夢を見るか?」
しらんひと「お姉さんひとり?」
しらんひと「暇なら一杯付き合ってよ」
カグヤ「断る」
カグヤ「シロ、急いでネオ平安京から出よう ここは騷しい」
しらんひと「ちえっ」

〇塔のある都市外観
  おれはネオ平安京のメインストリート、
  SUZAKUOUZIを駆け抜ける
  SUZAKUOUZIの南端、
  クソデカ羅生門が
  目の前にそびえる
カグヤ「・・・あなたが必要です」
カグヤ「なんだ求人広告か つまらん・・・」
羅生門婆「カツラ・・・カツラ・・・」
  羅生門の陰から
  飛び出してきた婆さんを
  馬上から蹴り上げる
カグヤ「・・・こいつは死人の髪でカツラを作る婆さんの霊に取り憑かれていたようだ」
カグヤ「・・・都会は物騒だ」
カグヤ「早く静かなところへ行こう シロ」

次のエピソード:やせうま

コメント

  • 最後に出てきた婆さんがかなりインパクトありました! 本来のかぐや姫のお話をいったんリセットしてみたら、新しい世界が開けました。

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