紅の華と青い風

にーな

エピソード6(脚本)

紅の華と青い風

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紅の華と青い風
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〇児童養護施設
リーダー「・・・・・・陽菜乃、本当にいいのか?」
陽菜乃「うん、決めたの」
「お待たせ致しました。此方へ」

〇漫画家の仕事部屋(物無し)
職員「この子は紅蓮。お嬢様より歳は上ですが、女性でも扱い易い細身の剣です」
紅蓮「初めまして、紅蓮です」
リーダー「笑った・・・・・・?その子は誰かのパートナーになった事が?」
職員「ありません。この子は既に自我を持っており、ある意味異例の子となっています」
紅蓮「お名前、聞いてもいい?」
陽菜乃「え?えっと、陽菜乃、です」
紅蓮「じゃあ、ヒナだ。ヒナはパートナー探しに来たの?」
陽菜乃「う、うん」
紅蓮「どうして?パートナー探しはもっと大きくなったらって聞いてるよ」
陽菜乃「・・・・・・私のお母さんもそうだったから」
紅蓮「おかあさん?」
陽菜乃「うん。もういないけど・・・・・・私も、お母さんみたいになりたいし、お母さんを食べた人喰いを許せないから」
紅蓮「・・・・・・そうなんだ」
職員「こら、紅蓮!何でも聞くんじゃない」
紅蓮「駄目な事なの?分かった・・・・・・おとうとにも言わなきゃ」
リーダー「兄弟がいるのか」
紅蓮「うん。まだ小さいんだ」
職員「弟の方は、お嬢様と同い年ですが・・・大型ですので」
リーダー「・・・・・・そうか」
紅蓮「ねえ、ヒナ」
陽菜乃「何?」
紅蓮「俺とパートナーになって。君の夢を一緒に叶えさせて」
陽菜乃「・・・・・・うん、お願い」

〇おしゃれな居間
紅蓮「ねぇ、ヒナ」
陽菜乃「なぁに?」
紅蓮「ヒナは髪伸ばさないの?」
陽菜乃「うーん・・・私ね、髪伸ばすと跳ねちゃうの」
紅蓮「そんなに気になる事なの?」
陽菜乃「女の子は気になるの」
紅蓮「そうなんだ・・・・・・でも、綺麗だと思うよ」
陽菜乃「そうかな?」
紅蓮「うん。だって、お花みたいだから」
陽菜乃「お、おはな・・・・・・ありがとう。紅蓮の目も、夕陽みたいで綺麗」
紅蓮「ありがとう」
リーダー「お前達、そろそろ稽古の時間だぞ」
「はい!」

〇農村
陽菜乃「はあっ!」
陽菜乃「・・・・・・ふぅ、これで終わりかしら」
紅蓮「お疲れ様、ヒナ」
陽菜乃「あ、また勝手に武装解除して」
紅蓮「大丈夫。もう気配もないから」
陽菜乃「・・・・・・仕方無いわね」
紅蓮「さて、あの村もこれでもう大丈夫だね」
陽菜乃「ええ、そうね」
紅蓮「ヒナは凄いなぁ」
陽菜乃「え?」
紅蓮「だって、沢山の人の笑顔を護ってるんだから」
陽菜乃「・・・・・・当然よ。お母さんの様な悲劇はもう、起こしたくないもの」
紅蓮「そっか」
陽菜乃「そ、の、た、め、に、も・・・・・・貴方が必要なんだから」
紅蓮「・・・・・・うん、そうだね」
紅蓮「一緒にヒナの夢を叶えよう」
陽菜乃「ええ、よろしく」

〇おしゃれな受付
紅蓮「・・・・・・ねぇ、ヒナ」
陽菜乃「何?」
紅蓮「今度さ、また時間をくれないかな」
陽菜乃「いいけど・・・・・・今度は何かしら」
紅蓮「連れて行きたい所があるんだ。あの施設とは、また違う・・・・・・大事な所」
陽菜乃「大事な所?」
紅蓮「そう・・・・・・特別な場所。ヒナにも見せたいんだ」
陽菜乃「そうなの・・・・・・楽しみにしておくわね」
紅蓮「うん」
  ビー!ビー!

〇可愛らしい部屋
陽菜乃「はっ・・・・・・ぁ・・・・・・ゆめ、なのね」
陽菜乃「・・・・・・懐かしい夢」
陽菜乃「今日はまだ、青蘭も来てないのね・・・・・・たまには、私が行ってもいいかもしれない」

〇廊下の曲がり角
陽菜乃「青蘭?起きてる?」
陽菜乃「・・・・・・・・・・・・」
陽菜乃「青蘭?寝てるの?」
陽菜乃「ぁ・・・・・・開いた」

〇本棚のある部屋
「青蘭?入るわよ」
陽菜乃「居ない?・・・・・・こんな朝早くから、どこに行ったのかしら」
陽菜乃(そういえば、契約するのにも半年近く時間が掛かるくらい、どこかに・・・・・・)
青蘭「え、ヒナ?」
陽菜乃「・・・・・・ぐれん・・・・・・?」
青蘭「あ、ごめん」
青蘭「珍しいね。どうかした?」
陽菜乃「あ、い、いえ、何でもないわ」
陽菜乃「仕度が出来てるなら、行くわよ」
青蘭「・・・・・・うん」

〇おしゃれな受付
陽菜乃(青蘭を紅蓮と呼んでしまうなんて・・・・・・夢の所為ね)
青蘭(・・・・・・兄貴に似てるらしいから髪上げてるのに。よりによって、上げるのを忘れた時にヒナが早起きするなんて)
黄花「二人とも、おはよう」
陽菜乃「おはよう、黄花」
青蘭「おはよう、オウカ先輩」
黄花「二人とも、何か考えてる様子だけど何かあったのかしら?」
陽菜乃「何でもないわ。先に行かせて貰うわね」
黄花「・・・・・・青蘭君」
青蘭「ん?」
黄花「貴方が例の件を聞き回ってるのが噂になってるわ。そろそろ気を付けた方がいいわよ」
青蘭「そうなんだ。えっと、忠告ありがとう」
黄花「・・・・・・あの子、何処まで知ってるのかしら」

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