エピソード3 暗闇たち(脚本)
〇明るいリビング
南野正「はぁ・・・」
南野正は大きな溜息をついてソファーに寄りかかった
南野優子「どうしたの?溜息なんかついて」
南野正「ちょっと色々仕事でね・・・」
南野優子「そっか あんまり無理しないでね?」
南野正「うん ありがとう」
南野優子「明日も早いからもう眠るね? おやすみ」
南野正「おやすみ」
南野正(また小説が送られてきた 第二話)
南野正(それらしいものは俺のところに直接持ってくるように言っておいてよかった)
南野正(俺以外は誰も読んでいないはずだ)
南野正(あのバーで男に会ったことも書いてあったな)
南野正(あの小説だとあの男は英子の旦那ってことになるのか)
南野正(ちょっと確認してみるか)
〇カジノ
北川英子のスマホが鳴った
着信は南野正だった
北川英子「もしもし」
北川英子「大丈夫よ」
北川英子「え?どうしたのよ? うちの旦那はセラピストじゃないわよ?」
北川英子「うちのはどうしようもないやつよ」
北川英子「なによ?」
北川英子「ミュージシャンよ たいして売れてないけどね 言ったことなかった?」
北川英子「もういい? 写真?そんなの持ってないわよ」
北川英子「何なの?ちょっと今は忙しいのよ」
北川英子「ハイハイ もう切るわよ」
島田島男「あの女王様、そろそろよろしいいでしょうか?」
北川英子「今回は何なの?」
島田島男「王様をイジメ抜く銀行員という設定でお願いします」
北川英子「それで今回も脚本書いてきたの?」
島田島男「はい、こちらでございます」
北川英子「何立ったまま渡してんのよ? 床を舐めながら渡しなさい」
島田島男「はい!喜んで!」
〇地下に続く階段
〇明るいリビング
南野正(あんまり眠れなかったな)
南野正(優子はもう出掛けたのか)
南野正(結局バーで会った男は英子の旦那じゃなかったってことだよな?)
南野正(やっぱりあれはただの小説だよな・・・ 考え過ぎだったってことか)
〇高い屋上
南野優子「ふぅ・・・」
北川亜紀「先生! こんなところにいたんだね?」
南野優子「亜紀くん・・・ お昼ご飯はもう食べたの?」
北川亜紀「うん!食べたよ 先生は?」
南野優子「ちょっと食欲なくて・・・」
北川亜紀「ええ!? ダメだよ!ちゃんと食べないと!」
南野優子「うん。心配してくれてありがとう」
北川亜紀「何かあったの?」
南野優子「ちょっとね・・・」
北川亜紀「話してくれないの?」
南野優子「亜紀くんが心配するようなことじゃないのよ」
北川亜紀「もしかしてぼくとのこと?」
南野優子「違うよ」
北川亜紀「じゃあ旦那さんのこと?」
南野優子「それは・・・ うう・・・」
北川亜紀「先生泣いてるじゃん! 旦那さんに何かされてるんでしょ?」
北川亜紀「旦那さんがいなければ先生が悲しむこともないよね」
北川亜紀「ぼくは絶対先生を悲しませることなんてしないよ」
南野優子「大丈夫・・・ いいのよ」
北川亜紀「よくないよ! ぼくがなんとかするから!」
南野優子「ちょっと亜紀くん!」
南野優子「ふぅ・・・ 亜紀くんいい子だねぇ〜 何してくれるんだろう?」
南野優子「楽しみ楽しみ!」
〇体育館の裏
白戸美希「北川くん お待たせしました」
北川亜紀「遅い 呼んだらすぐに来いよ」
白戸美希「ごめんなさい」
北川亜紀「今夜だ いいな?」
白戸美希「はい」
〇教室
南野優子「はぁ」
立川政宗「お疲れですね」
南野優子「それで何が目的なんですか?」
立川政宗「簡単なことですよ 愛ですよ愛」
南野優子「ふーん つまり愛があるから盗撮するってこと? 愛があるから脅迫するってこと?」
立川政宗「好きな女の子のことはいじめたくなるでしょ?」
南野優子「そうね」
立川政宗「しかし驚きました」
南野優子「何が?」
立川政宗「先生みたいな人が生徒に手を出すなんて、しかもその父親とも関係を持つなんて想像していませんでしたよ」
南野優子「人間なんてそんなものよ? それで結局何が望みなの?」
立川政宗「あなたがぼくのものになってくれれば満足です」
南野優子「いいわよ? 簡単に壊れないでね?」
〇シックなバー
マスター「いらっしゃいませ」
南野正「ああ マスター」
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