第2ステージ・紹介役紹介(脚本)
〇仮想空間
タケウチ「第2ステージは紹介役紹介。4人の紹介役から、各フレーズの紹介をしてもらいます!」
タケウチ「第1ステージでは誰が見つけたフレーズかは伏せたまま第一印象で投票してもらいましたが、ここで人とフレーズが繋がるわけです」
タケウチ「紹介役の皆さんは、簡単な自己紹介と、そのフレーズを選んだ理由を語ってください」
タケウチ「ただし、そのフレーズが載っていた本、出典については後で語ってもらうので、まだ内緒にしといてくださいね」
タケウチ「大事なのは、どうしてそのフレーズを選んだか、読んでどう思ったか、ってことです。 ぜひそのあたりを語ってみてください」
タケウチ「では、(ア)のフレーズの紹介役、ウサギさんから、お願いします!」
ウサギ「はい、ウサギです。 富士山のよく見える町で、小学校や中学校で本を読んだり語りをしたりするボランティア活動をしています!」
(ア)
「まあ、失礼な! あたしをそのへんの年ごろの女の子といっしょにしないでちょうだい」
ウサギ「その語りのボランティア活動の先輩で、このフレーズの出てくるお話を使う女性が、お二人いらしっしゃるんです」
ウサギ「全く違うタイプの女性お二人なんですが、その語りを聞くのがすっごく楽しくて楽しくて──」
ウサギ「同じお話でも、語り手が変わると全く違う楽しみ方ができるんです!」
ウサギ「何回聞いても笑いが止まらなくなるお話なので、今回はそのお話からフレーズを選びました!」
タケウチ「はい、ありがとうございましたー!」
タケウチ「お次は(イ)のフレーズの紹介役。 ・・・って、実は僕なんですけどね。 司会役と紹介役、兼務でやってます」
(イ)
「そうだね、ホシノちゃん」
タケウチ「考案者としては、意表をつきたいというか、外したフレーズを選びたくなるんですが、今回は昔ばなし大学での勉強も踏まえてます」
タケウチ「教科書としてマックス・リュティや小澤俊夫先生の昔話理論を読んでいる中で、何度も「一次元性」って言葉が出てきましたよね」
タケウチ「昔話=メルヒェンの中では、日常的な世界と超自然的世界との間に精神的断絶がない、同一の次元にいる、ってな意味で「一次元性」」
タケウチ「動物と普通に話ができる、魔物と出会っても驚かない、なんて物語、多いですよね。でもそういうお話って、最初から一次元でしょ?」
タケウチ「ある時、世界がぐるっと転換して一次元になる──なんて展開も面白いと思うんです。 今回、そういう場面の台詞を選んでみました」
タケウチ「ある小説でこの台詞を初めて読んだとき、僕は最高だなーって思ったんです。そして昔ばなし大学で学ぶ間、何度も思い出してました」
タケウチ「今回、小説にも昔話理論をあてはめて読むと面白くなるぞってのを紹介したくて、このフレーズを選んでみました!」
タケウチ「・・・というわけで、お次は(ウ)の紹介役の方、お願いします!」
スナネズミ「はい、(ウ)のスナネズミです。 東北の田舎町で、図書館で話を語ったり、小学校で話を語ったりしています」
(ウ)「世界ぜんたいが、人間の生活のすべてが、ひとつの長い物語なのさ」
スナネズミ「このフレーズを選んだ理由は・・・ 私の好きな作品の中の・・・なんていうか、心を打たれた台詞だったものですから、ぜひここで」
スナネズミ「あのー・・・一度、表に出してあげたいなーと思って、選びました」
ハクビシン「(エ)の紹介役のハクビシンです。 今日はちょっと遅刻しちゃってすみません・・・保育園から駆けつけました!」
(エ)
大ばん小ばん さんごに宝珠!
金銀ざいほうが ざっくざっくとでてきました。
ハクビシン「このフレーズは、昔ばなしにはよく出てくる、夢のある言葉で、とても想像力が膨らむかなと思ったんです」
ハクビシン「そして、どの昔話にも出てきそうな言葉なので、逆に出典が分かりづらいかな、とも考えました」
ハクビシン「ヒントをちょっとずつ出していって、みんなに出典を当ててもらえたら楽しいかな、と思って、あえてよくあるフレーズを選びました」
タケウチ「さて皆さん、こうして紹介役からの紹介を聞いた後では、フレーズに抱くイメージも第一印象とは違ってきていませんか?」
タケウチ「それを踏まえて、再び投票を行いたいと思います。 いま気になるフレーズに、1人1回、挙手してください!」
タケウチ「さて、第2投票の結果は・・・」
(ア)・・・1票
(イ)・・・1票
(ウ)・・・3票
(エ)・・・1票
タケウチ「・・・第2ステージで3票を獲得、ステージフレーズに選ばれたのは、(ウ)のフレーズとなりました!」
タケウチ「やっぱり、結果はガラッと変わってきましたねー」
タケウチ「面白いもんで、第1ステージと第2ステージ、投票の条件はそう変わらないのに、投票結果は必ず違うもんなんですよね」
タケウチ「紹介役の人柄や、その方の思いと結びつくことで、フレーズから受ける印象も変わってくるのかもしれません」
タケウチ「それでは(ウ)の紹介役のスナネズミさん、第2ステージのしめくくりに、ステージフレーズを朗読していただけますか?」
スナネズミ「はい。第2ステージのステージフレーズは、(ウ)の「世界ぜんたいが、人間の生活のすべてが、ひとつの長い物語なのさ」でした!」