40(脂重)

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苦手なお友達(脚本)

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〇綺麗なリビング
  ダイエットや健康管理を意識した生活の中で、避けづらい、受け入れづらい物事が出てくる事は当然ある
  調理とその片付けは苦でもない。洗濯もそれなりにはやっている。掃除は手を抜きやすい。というより意識が薄くなりやすい
  少し前までの私なら、気にも止めなかったが、今の私は理想の体型作りと、女子力を高める事を目標としている
  嫌いでもないので、生活習慣化する事が鍵なのだと思っている
  昔の私が使っていた、ショッピングや外食の時間
  それを家事や運動の時間へ優先するようにした。もちろんその中に遊びの時間も取り入れて

〇綺麗なリビング
  生活習慣もだけど、食習慣についても考え直す時期かもしれない
  私が普段食べない食材。すぐに思いつくのは魚料理。食べる分には嫌いでないのだが、調理過程がテンションを下げている
  例えば「アジフライ」。大好きだけど、その手間等から家で作った事は一度もない。だいたいスーパーのお惣菜で購入している
  でもうちのお婆ちゃんは、割と高齢になってもパートで働いていたし、家事もしっかりこなしていたと聴いている
  独り身の今だからこそ、日々の家事も、食生活も見直しやすいのかもしれない

〇綺麗なリビング
  食については、調理以前に食材そのものについても見直さなければいかない。いわゆる「好き嫌い」について
  私が食べやすい食材は肉と野菜。あまり食べないのは魚関係。でも別に嫌いではない
  私が苦手な食材。聞かれて真っ先に浮かぶのは海藻類。でも海苔は好きだし、海ぶどうも好き
  ひじきの煮物やもずく酢も、食べる事は出来るけど。でも、ワカメや昆布等の多くの海藻類は苦手。それは小さな頃からずっと

〇テクスチャ
  そんな私にとって、味方なのか敵なのか悩ましい存在な食べ物。それは納豆
  小さい頃の私は嫌いな食べ物が多かったけど、そんな私をいつも助けてくれたのが納豆だった
  野菜は苦味や風味が苦手。肉もあんまり好きではなかった。魚もあんまり好きではなかった
  日中お菓子を食べて、夕食が進まない事も度々合った時期でもあり、大人のおかず、いわゆる和食が苦手な時期でもあった
  和食と言っても懐石料理などではなく、鯖の味噌煮、鰤大根、ヒジキの煮物、山菜料理などの事だけど

〇新緑
  納豆は白米が美味しくなる魔法の食べ物だった。
  栄養価も高いので、私が苦手なおかずに困って納豆へ逃げても、両親は笑って許してくれた
  最初のケンカは私の初恋がきっかけだった。見た目にも自信がなく、滋味だった私。オシャレな女性を目指し始めた時期でもあった

〇白い校舎
  健康についてのブームはいつの時代にもあるもの。その中でも納豆への高い評価は、かなり長い間続いている
  だけど私が思春期だった頃、少なくても当時の若い学生達に関しては、臭い食べ物として嫌っている人の方が多かった。特に女子は
  独特の匂いと、ネバネバしている納豆。思春期だった私は、なんだか運動部で汗を流している男子のように感じていた
  汗を流して互いに密着をして、独特の匂いを出している。うっかり一粒でも落として洋服に付くと、かなり気分もげんなりする
  同じ大豆でも、豆腐の爽やかさと比べたら雲泥の差だった。絹ごし豆腐なんかはさしずめ文化部
  綺麗なピアノや、心地よい香りがする書道の墨の香りが似合う食べ物。私は納豆を避けるようになり、代わりによく豆腐を食べていた
  同じ素材なら栄養価も変わらないと思うのが、まだ未熟な若かりし頃の私の考え。納豆とは絶縁関係にまで発展した

〇渋谷駅前
  その後何度か男性との出逢いと別れを繰り返していくと、再び納豆も取り入れるようになっていった
  匂いは気になったが、味は別に嫌いではないし、何より美容にはやはり良い食べ物だから
  仕事を始め一人暮らしをしてからは、夕食に度々取り入れるようになった

〇ダイニング
  再び納豆と別れたのは、離婚をする一年くらい前、いやもっと前だろうか
  ラーメン好きの元旦那だが、納豆も大好きで、結婚したての頃から家ではよく食べていた。
  結婚当初は私も時々食べていたが、あまりに頻繁に食べる元旦那を見続けていたら、なんとなく再び苦手になっていった
  2年が経過した頃からが最悪だった。テレビや何かから影響を受け始め、アレンジを楽しみだしたのだ
  納豆チャーハン、納豆味噌汁、インスタントラーメンにも納豆を入れたりしていた
  本人は臭いけど旨いと大喜びだった
  しかし私はその臭いに耐えられなかった。特に味噌汁やラーメン。食べ終わってなお部屋に充満する納豆臭
  離婚の理由は生活習慣の不一致。この元旦那の納豆ライフも大きく関係していたのだと、今でも考えている

〇綺麗なリビング
  納豆の再挑戦。実は数年前から考えていた。美味しかった時の記憶も、頭の中には残っていたから
  しかしテレビ等を見ていて、納豆を食べるシーンが出ると、鼻の奥から頭の中に、あの時の悪臭が送られてくる
  食べたらきっと嘔吐してしまう。そんな感覚になる事もある。それでも時々美味しかった頃の記憶が、小さな手で私を手招きしている
  ただ結局は、離婚してから今まで一度も納豆に再挑戦する事が出来ていなかった。あの当時に嗅いだあの臭いがどうしても怖くて

〇綺麗なリビング
  でも、それでも食べなければいけない。来年40歳になる私。これはダイエットだけの問題ではないのだ
  カラダの内側も健康でなければ、肌つやにもきっと影響がでてくるから

〇スーパーの店内
  ダイエットを始めてから、改めて納豆と真剣に向き合い、数ヶ月かけてようやく購入を決意した
  ここで厄介なのが、3個1パックの組み合わせがほとんどな事
  1人で生活をしている中で、1個目の納豆で挫折した時、残りの2パックとは決して向き合えないだろう
  とはいえ、スーパーの納豆売り場はかなり種類が豊富に揃っている。よく探すと、数は少ないが2パック入りのものもあった
  購入する納豆は決まった。それと久しぶりの納豆。葱、鰹節、からしなどの定番の薬味は絶対必要だ
  念入りとまでではないかもしれないけど、かなりの覚悟で準備を整えた

〇綺麗なリビング
  家に帰ると早速夕食の準備をした。ちなみに今回のご飯はダイエット開始前の0.5合。納豆が好きだった時のバランスにした
  容器から少し底の深い器に入れて、刻んだ葱、鰹節、からし、醤油を入れて軽くかき回せる
  パックに入っているタレは使わない。後日お浸し等にかけて使う。逆にからしはさらにねりがらしを加える。これも昔の好み
  納豆はたくさんかき混ぜた方が美味しいと言うが、ネバネバすぎるのも見た目が苦手なので
  玉子は卵黄と卵白を分ける。ちなみに卵白は味噌汁の具として加える
  白いご飯の上に納豆をかけて、真ん中に卵黄を落とす。それと卵白とインゲンの味噌汁が今晩のおかず
  それ以上おかずが増えると、多分今の胃の大きさでは食べきれないから

〇水玉
  久しぶりの納豆。卵黄を箸先で軽く潰して少しだけ混ぜて状ご飯と一緒に口に入れてみる
  美味しい。昔の美味しかった記憶が蘇った。同時に元旦那にかけられた「臭いの魔法」も解けたようだった
  とはいえ、しっかり咀嚼(そしゃく)して味わう程の勇気はまだ持てなかった。少しかき込むように食べた、久しぶりの納豆
  思っていた以上に満足が出来た。冷蔵庫にあるもう1パック。それも数日後、今度はさらに落ち着いて美味しく食べることが出来た

〇綺麗なリビング
  まだ少し恐怖心は残っているが、月に数回なら食べれそうだ
  この年からの納豆リスタート。人に話すには少し恥ずかしいが、自分の中ではかなりの成長
  次の壁はフルーツだろう。嫌いではないんだけど、なにせ値段がお高めな食材達だから
  美容にはかなり良いようだから、こちらは残業で頑張ろうかな

次のエピソード:ヴィーガンやってみました

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