この世界(脚本)
〇綺麗な港町
この世界には3つの帝国と28の国がある
ここテレンタ王国の周りには6つの国(ひとつは海国)がある。
エルフの国 アドニス王国。
獣人族の国 イグニス連合王国。
小人族と巨人族共存の国 ガザババ民主共和国。
魔術や魔法などが発達している キャスト共和国。
人魚が住む リンカン海
天人の国 ナイトアセッツ天空王国。
テレンタ王国はその国達と対等な交流関係を持ち、戦争の火種となっている2つの帝国を抑えようとした。
〇荒廃した街
だが帝国相手に勝てる訳も無く、戦力優秀と言われるガザババ民主共和国が破られ、テレンタ王国にも帝国軍が侵攻して来た。
〇雲の上
この危機を救ったのが、ナイトアセッツ天空王国の姫であり、現国王の正妃イエレナ•アセッツ。
彼女は空に立ち、右手を天に上げ、唱えた
その途端に、帝国軍は白い光となって天へ登った。
彼女が地に降り、讃えようと多くの兵士が走り寄った
だがその興奮は、皆(みな)彼女の足を見て冷めた。
彼女の足が、指先が、石になりかけていた
イエレナ「私は、天人の禁忌を犯しました。 この身はもうすぐ石像と化するでしょう」
皆(みな)絶望した様に下を向いた。
鼻を啜(すす)っている音も聞こえる。
イエレナ「悲しまないで下さい。魂が死んでしまうだけで、身体は残るのですから・・・!」
彼女も泣きそうな笑顔で応える
イエレナ「夫と、マーズ・・・私の息子によろしく伝えて下さい」
「必ずや!」と皆が口々に言った。
イエレナ「──この国に栄光を」
それが彼女の最後の言葉だ
彼女はもう動かない。
頬に涙をつ垂らせて、その涙さえ、地に落ちることは無い。
〇西洋の城
数日後、彼女の石像(身体)はテレンタ王国の中央広場に置かれた。
禁忌を犯した彼女は本来良く思われないだろう。
だが、国の為に自身を犠牲にした彼女を、普段から良く接してくれた彼女を、蔑(さげす)んだりする者は誰1人として居なかった
息子の第9王子は、王国が安定するまでまだナイトアセッツ天空王国に留まらせた
あれから帝国軍は攻めてこなくなった。
だが戦争の勝敗は着いていなく、いつまた帝国軍が侵攻して来るかは分からない──
〇暖炉のある小屋
──「天女 イエレナ」著作:不明──
アマーズディレナ•イエレナ「・・・お母さん」
〇飛空戦艦
アマーズディレナ•イエレナ(あ・・・)
アマーズディレナ•イエレナ「最神光人(さいじんかびと)様」
最神光人「おや?」
最神光人「レナじゃないか。丁度良いところに来た」
最神光人「実は、テレンタ王国が落ち着きを取り戻したらしいから。レナと一緒に暮らしたいと申出(もうしで)が出てな」
最神光人「勿論レナが良ければだが・・・どうだ?」
最神光人「いい加減、家族に会いたいだろう?」
アマーズディレナ•イエレナ「・・・はい。迷惑じゃなければ、」
最神光人「決まりだな!では早速荷物をまとめて下界へ降りようか!」
アマーズディレナ•イエレナ「え、最神光人様も降りるんですか?」
最神光人「ん?勿論」
最神光人「それを口実に、業務を少し休めるし・・・」
アマーズディレナ•イエレナ「え、何とおっしゃいましたか?」
最神光人「な、なな何でもないぞ!!」
最神光人「と、兎に角、早く行ってしまおう」
アマーズディレナ•イエレナ「はい」
最神光人(この子が少しは笑える様になれば良いのだが・・・)
〇西洋の城
最神光人「何とか夜には着いたな!」
最神光人「私はここまでだ、この先はレナ1人で行ってくれ」
アマーズディレナ•イエレナ「え、最神光人様は・・・?」
最神光人「私ほどの地位なら勝手に来ても良いのだが・・・」
最神光人「私はこの国とは対等に接したいのだよ」
最神光人「威張るのも慣れんしな!!」
アマーズディレナ•イエレナ「・・・分かりました」
最神光人「門の者に「ピンクダイヤモンド宮」は何処か聞けば案内してくれるだろう」
最神光人「・・・それと、」
最神光人「何時でも帰って来い」
アマーズディレナ•イエレナ「!!」
アマーズディレナ•イエレナ「・・・はい」
アマーズディレナ•イエレナ「・・・誰か」
???「お待ちしておりました」
じぃや「御案内致します」
〇貴族の部屋
じぃや「レナ様のお部屋です」
じぃや「申し遅れました。私(わたくし)ジイドと申します」
じぃや「レナ様の指導係になりましたので、よろしくお願い致します」
アマーズディレナ•イエレナ「・・・はい。じぃや」
じぃや「ホホッ それは親しい使いに言うものですよ。レナ様」
アマーズディレナ•イエレナ「・・・でもいい」
じぃや「恐縮です」
じぃや「明日朝7時から陛下との謁見があります。 朝6時に起こしに参ります」
アマーズディレナ•イエレナ「はい・・・お休みじぃや」
じぃや「えぇ。お休みなさいませ」