Forth star(脚本)
〇広い屋上
剣持 はづき「本日の課題は、」
剣持 はづき「プラネタリウムを作りましょう!」
田代 銀二「なぁーに天文部みたいなこと言ってんだよ」
箕輪 公「銀二、俺ら天文部だから;」
箕輪 公「でも、剣持さんがここまで やる気を出すなんて」
箕輪 公「どういう風の吹き回し?」
剣持 はづき「実は♪」
剣持 はづき「近年まれに見かける、未確認飛行物体の UFOが、明日(あす)この地球に やってくるんですよ!」
田代 銀二「ええっ?それってつまり、 墜落するってことか?」
剣持 はづき「墜落するかは分かっていませんが」
剣持 はづき「UFOを呼ぶことができるおじさんが、 「明日UFOがくるよ」って予告したんです」
剣持 はづき「そのおじさんが予告した時は 99%の確率で、UFOが現れたそうな」
剣持 はづき「そこで!せっかく宇宙人が やってくるんだから」
剣持 はづき「挨拶代わりに、プラネタリウムで おもてなししようかと♪」
箕輪 公「そういう魂胆か、理解できた」
箕輪 公「うん。天文部としてプラネタリウムを 作ることは大賛成だよ」
田代 銀二「そんなん、スマホのライト付けて 振り回せばいいんじゃねえの?」
剣持 はづき「そんな失礼なことできませんよ!」
剣持 はづき「というわけで、協力してください パイセンたち?」
〇広い屋上
箕輪 公「ふぅ・・・こんな感じでいいかな」
田代 銀二「ほぼアルミホイルで作ったやつだけど」
田代 銀二「こんなんでいいのかよ」
剣持 はづき「このアンティークな雑誌に書いてた 洒落てるプラネタリウムなので」
剣持 はづき「きっと、宇宙人たちも喜んでくれます!」
箕輪 公「それじゃあいくよ、点灯!」
田代 銀二「おおー!すげぇー」
剣持 はづき「眩しいですね、この光」
箕輪 公「うん、なんか感動するなぁ~」
田代 銀二「こんなことしてっと、天文部でよかったーって感じるな」
箕輪 公(あ・・・そうだ)
箕輪 公(今なら聞けるかもしれない──)
箕輪 公「ねえ、なんで二人は天文部に入部したの?」
剣持 はづき「わたしは──」
剣持 はづき「星を見ることはロマンチックだから観察したいな、って希望しました」
田代 銀二「絶対もちけんの内心と裏腹の理由だな」
田代 銀二「ホントは星より、得体の知れねえもんを 見つけたかったんだろ?」
田代 銀二「うちはオカルト部がねえからな」
剣持 はづき「もちの論です。星なんて まったく関心無いですから」
田代 銀二「俺は──」
田代 銀二「こー見えてぇ、運動苦手なんすよ だからぁ~文化部で☆」
田代 銀二「つって、一番楽そうなとこに 入りてえなって」
箕輪 公「銀二は文化部なら なんでもよかったんじゃん」
田代 銀二「んなことねえよ、単純に暗くて落ち着ける場所がねえかな~って考えて」
田代 銀二「見つけたのがここだったんだ」
剣持 はづき「あ、わたしも同じです」
剣持 はづき「暗いところはゴブリンが居そうで、 つい探したくなりますから」
箕輪 公「実は俺も、星より夜空が好きだって理由で 入部したんだ」
剣持 はづき「なぁんだ、パイセンたちと同じような 動機だったんですね」
星に興味なんて無いのに──
なぜ、天文部に入っているのか
それは──
単に、暗い場所を好む
クズたちの溜まり場が
天文部だったというだけの話だ