崩壊学舎と5人の魔法戦士(マジックウォーリアー)

OR@CLE

エピソード1 『試験』(脚本)

崩壊学舎と5人の魔法戦士(マジックウォーリアー)

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〇謎の施設の中枢
エシュカ・アーレンクライン「──セレッサちゃん、そっちはどう!?」
セレッサ・スウェルネー「駄目ね、足跡一つ見つからないわ」
ショウゴ・センザキ 「駄目だ、こっちにもいないみたいだ・・・」
エシュカ・アーレンクライン「そんな・・・」
セレッサ・スウェルネー「全く・・・ 私達ってついてないわね・・・」
コユキ・ヒメシロ「セレッサ、嘆いていても仕方がないわ──」
コユキ・ヒメシロ「奴はアージューが追いかけてくれてるわ、 私達はここのラインを守りましょう」
セレッサ・スウェルネー「そうね、私達は戦うしかない」
ショウゴ・センザキ 「──そうだな。 エシュカ、いけそうか?」
エシュカ・アーレンクライン「うん、まかせてショウゴくん!」
エシュカ・アーレンクライン「一発ドカンと、ブチかましちゃいます!」
ショウゴ・センザキ 「ま、待てエシュカ!! ここでドカンはマズイ────」
エシュカ・アーレンクライン「──アキュアレート・ボンバー!!!」

〇謎の施設の中枢
エシュカ・アーレンクライン「あ、あれ・・・?」
ショウゴ・センザキ 「エシュカ〜!!! こんな精密機器だらけのところで爆発魔法は駄目だろ〜!!」
エシュカ・アーレンクライン「ご、ごめんなさい〜!」
セレッサ・スウェルネー「はぁ・・・ これでまた合格から遠ざかるわね・・・」
コユキ・ヒメシロ「──みんな、一旦バーチャルを切るわね」

〇謎の施設の中枢
コユキ・ヒメシロ「アージュー、戻りなさい」
アージュー・エレド「あーあ、せっかく調子出てきたとこだったのによー」
セレッサ・スウェルネー「いくら訓練って言ったって、 あんたに本気出されたら施設がふっ飛んじゃうもの」
アージュー・エレド「あ?セレッサお前なんか言ったか?」
コユキ・ヒメシロ「アージュー、やめなさい。 とにかく反省会をするわ。 503号室に戻りましょう」
アージュー・エレド「あいよー」
エシュカ・アーレンクライン「コユキちゃん、ごめんなさいね。 私またみんなの足を・・・」
コユキ・ヒメシロ「仕方ないわエシュカ。 戻ってからまた話しましょう」
セレッサ・スウェルネー「行こ、エシュカ」
エシュカ・アーレンクライン「うん、セレッサちゃん、ありがとう!」
コユキ・ヒメシロ「──ショウゴ」
ショウゴ・センザキ 「な、なんだコユキ」
コユキ・ヒメシロ「貴方、エシュカとは長い付き合いよね」
ショウゴ・センザキ 「長いってほどではないけど・・・ まぁ、コユキ達よりは長い・・・かな?」
コユキ・ヒメシロ「教えてくれないかしら。 あの子の持つ『障害』について──」
ショウゴ・センザキ 「・・・!!」
  そう、エシュカは他の人と違ってる。
  彼女は生まれつき『障害』を持っていて、
  その名も──『感覚障害』

〇見晴らしのいい公園
  人気のない、静かな公園。
  俺達がまだ7歳とか、それぐらいのことだったと思う。
  俺とエシュカは同じ学校に通っていたけど、顔を見たことがあるぐらいで付き合いとかは全然なかった。
ショウゴ(あそこにいるのは・・・)
ショウゴ(確かうちのクラスのエシュカさん・・・?)
  遠くから彼女を眺めていると、
  飛んできた蝶々を追いかけて突然走り出した。
  ──自身の目の前にある柵に気づかず。
「あっ・・・!!」
  気づいた頃には、彼女はもう目の前にいなかった。
ショウゴ「えっ・・・・・・!!?!?」
  俺は急いで、エシュカを助けに行った。
ショウゴ「だ、大丈夫ですか・・・?」
エシュカ「痛ったた・・・」
ショウゴ「ど、どこか怪我したんじゃ!?」
エシュカ「わぁ!」
エシュカ「も、もしかして見られちゃった・・・?」
ショウゴ「えっと・・・はい・・・」
エシュカ「は、恥ずかしい・・・・・・」
  今にも泣き出しそうなエシュカの顔、今でも覚えている。
ショウゴ「大丈夫、誰にも言ったりしないから」
エシュカ「え・・・本当に!?」
エシュカ「ありがとう、ショウゴくん!」
ショウゴ「え!?なんで俺の名前知って──」
エシュカ「同じクラスなんだから当然でしょう?」
  いやいや、だって俺はいわゆる”普通”の男子だ。
  言うなれば、下の上ってやつ。
ショウゴ(エシュカさんみたいなキラキラした女子に名前覚えてもらってるなんて・・・)
  ちょっと嬉しかった。
  思わず口が緩む。
エシュカ「ショウゴくん?」
ショウゴ「あ!!」
ショウゴ「す、すいません・・・ ちょっとぼーっとしてました・・・」
エシュカ「うふふ、私のことならもう大丈夫だから」
エシュカ「じゃあまた明日、学校でね!」
ショウゴ「ま、またね!」

〇近未来施設の廊下
ショウゴ・センザキ 「最初は注意散漫なだけなのかなって思ってたんだけど、どうも違うみたいでさ」
ショウゴ・センザキ 「本人いわく『空間を把握すること』ができないらしい」
コユキ・ヒメシロ「空間を?」
ショウゴ・センザキ 「うん。 たとえば野菜を切ろうと思って包丁を使おうとすると力が入り過ぎちゃったり」
ショウゴ・センザキ 「ああいう精密機器がある空間でも力量を考えずに大爆発を起こしたり──とかな」
コユキ・ヒメシロ「そう──」
コユキ・ヒメシロ「ともあれ、彼女は私達”第八防衛隊”のメンバーなのよ」
コユキ・ヒメシロ「彼女がハンデを追ってるなら、私達ができるところはフォローしていきましょう」
ショウゴ・センザキ 「・・・そうですね」
ショウゴ・センザキ 「──第八防衛隊か・・・」
コユキ・ヒメシロ「貴方も早く503号室に来るのよ。 振り返りと対策を考えるから」
ショウゴ・センザキ 「はい、トイレに行ったらすぐ行きます。 リーダー!」
コユキ・ヒメシロ「淑女の前であまり下世話な話をしないで頂戴──」
ショウゴ・センザキ 「は、ははは・・・」
ショウゴ・センザキ 「コユキは相変わらず難しいなぁ・・・」

〇学校のトイレ
ショウゴ・センザキ 「ふぅ・・・」
ショウゴ・センザキ 「よし、行くか」
アージュー・エレド「げ、ショウゴじゃねーか」
ショウゴ・センザキ 「アージュー、お前もトイレか?」
アージュー・エレド「別にどうだっていーだろ」
ショウゴ・センザキ 「反省をサボるつもりなら逃がさないぞ」
アージュー・エレド「チッ・・・ 今日俺ヘマしてねーし、参加する意味もねーだろ」
ショウゴ・センザキ 「それとこれとは別問題だ、 俺達第八防衛隊のメンバーなんだから──」
アージュー・エレド「俺だって入りたくて入ったわけじゃねーんだ!!!!」
ショウゴ・センザキ 「そ、そうだったな──」
ショウゴ・センザキ 「だからってサボるのは違うだろ? 発言しなくてもいいからせめて同じ場所にはいろよ」
アージュー・エレド「ヤだね。んなたりーことやってられっかよ」
ショウゴ・センザキ 「──なら、気は進まないが実力行使させてもらうぞ」
アージュー・エレド「あ?なんだよ実力行使って──」
アージュー・エレド「お、おい!!馬鹿!!!! 飛ぶだろうが!!!!!!!!! 小便ぐらいゆっくりさせろ!!!!!!」
ショウゴ・センザキ 「うるさい、とっとと出して行くぞ」
アージュー・エレド「お、おい!!お前いい加減にしろよ!!!」
コユキ・ヒメシロ「アージュー、ショウゴ、早くしなさい」
ショウゴ・センザキ 「はーいリーダー、今行きまーす!」
ショウゴ・センザキ 「────終わったか?」
アージュー・エレド「あ、あぁ・・・」
ショウゴ・センザキ 「じゃあ行くぞ」
アージュー・エレド「わ、わかったから!!掴むんじゃねぇ!!!」

〇空っぽの部屋
コユキ・ヒメシロ「──見てもらった通りよ。 何か意見がある人は?」
ショウゴ・センザキ 「俺は特に・・・」
エシュカ・アーレンクライン「やっぱり私、みんなの足を引っ張っちゃってないかしら・・・」
エシュカ・アーレンクライン「あそこでドカンといかなければ・・・」
セレッサ・スウェルネー「エシュカ、仕方ないわよ。 次同じミスをしなければいいんだから」
エシュカ・アーレンクライン「ありがとう〜!!セレッサちゃーん!!!」
セレッサ・スウェルネー「あはは〜、抱きつき強いよエシュカ」
コユキ・ヒメシロ「とはいえエシュカ、 試験本番では失敗しないように頼むわね」
コユキ・ヒメシロ「──ただでさえ、私達第八防衛隊には余裕が無いんだから」
エシュカ・アーレンクライン「──そう・・・ね コユキちゃんの言う通りだわ」
ショウゴ・センザキ 「ま、まぁ今はそんなに気にしすぎず!な!」
エシュカ・アーレンクライン「うん、ありがとう・・・」
コユキ・ヒメシロ「・・・アージュー、何か言うことは?」
アージュー・エレド「zzz...」
ショウゴ・センザキ 「アージュー!!」
アージュー・エレド「ふぁ〜、よく寝たぜ」
ショウゴ・センザキ 「お前ってやつは・・・!!」
コユキ・ヒメシロ「呆れた──」
コユキ・ヒメシロ「今日はここまでにするわ」
コユキ・ヒメシロ「各自休息をとりなさい」
コユキ・ヒメシロ「明日、また試験演習を行うわ。 各自考えた計画を明日までに提出すること」
コユキ・ヒメシロ「昇級試験まであと1週間も無いわ。 『今度こそ』第一防衛隊を目指しましょう」
コユキ・ヒメシロ「では解散」

次のエピソード:エピソード2『方向』

コメント

  • それぞれの登場人物にしっかりと個性があって、とても覚えやすかったです!
    昇級試験とはどういう内容なのでしょう。
    チームワークならもう少し団結する必要がありそうですが…。

  • 5人のメンバーそれぞれ性格が違って、でもみんなにとても好感もてました。エシュカちゃんへの思いやり、コユキちゃんがリーダーとして適任だと納得させられました。

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