それでも世界は続いていく…

本間 ミライ

第1話 ハッピーエンドの終わり 前編(脚本)

それでも世界は続いていく…

本間 ミライ

今すぐ読む

それでも世界は続いていく…
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇黒
  ・・・・・・
  ・・・やめろ
  やめてくれ!
  シホ!
有栖川シホ「ジュンちゃん・・・」
有栖川シホ「さよなら」

〇渋谷のスクランブル交差点
  ・・・やめろ

〇丘の上
  ・・・いかないでくれ!

〇時計
  神様・・・
  どうかこれ以上・・・
  シホを殺さないでくれ!

〇流れる血

〇屋上の隅
  マナミ・・・?
有栖川マナミ「・・・・・・」
有栖川マナミ「何で・・・」
有栖川マナミ「置いていかないで・・・」
有栖川マナミ「一人にしないでよ・・・」
  ・・・・・・
  そうだ。オレはここで・・・
植月ジュン「大丈夫だ!」
植月ジュン「必ず・・・」
植月ジュン「必ず君のことも救ってみせる!」

〇大教室

〇田舎駅の改札

〇繁華街の大通り

〇歯車

〇動物園の入口
植月ジュン「・・・・・・」
有栖川シホ「どうしたの?ぼーっとして」
植月ジュン「ここは・・・?」
植月ジュン「今、何年だ!」
有栖川シホ「ここは動物園で 2022年だけど・・・」
植月ジュン「どうして・・・」
有栖川シホ「どうしてって・・・ ジュンちゃんが誘ってくれたんじゃん!」
植月ジュン「え?」
有栖川シホ「大丈夫?」
有栖川愛実「おーい!お姉ちゃーん! ジュン兄ぃー! お待たせー!」
植月ジュン「愛実か!?」
有栖川愛実「えっ、どうしたの?」
有栖川シホ「さっきから変なの」
有栖川愛実「ふーん」
有栖川愛実「それよりさ! こうして3人で遊ぶのも久しぶりじゃない?」
有栖川シホ「うん! 子供の頃みたい!」
有栖川シホ「ジュンちゃん! 誘ってくれてありがと!」
有栖川愛実「ありがとね! ジュン兄ぃ!」
植月ジュン「お、おう」
植月ジュン(そうだった・・・)
植月ジュン(終わったんだ・・・)
有栖川愛実「あー!お姉ちゃん! あそこアナコンダいるよ!」
有栖川シホ「え!ウソ!?」
植月ジュン「アナコンダて・・・」
植月ジュン(・・・・・・)
植月ジュン(何度も何度もやり直した あの悪夢のような冬から3年・・・)
植月ジュン(無邪気に笑い合う二人を見て、 ようやく実感する──)
植月ジュン(オレは シホを・・・愛実を・・・)
植月ジュン「救うことが出来たんだ!!」
有栖川マナミ「ジュンちゃん・・・」
植月ジュン「ま、愛実・・・!?」
植月ジュン「どうして? お前さっきまで・・・」
植月ジュン「お、おい。 こんなとこで抱きつくなよ」
植月ジュン「それにお前、 その髪どうしたんだ?」
有栖川マナミ「ずっと会いたかったんだよ・・・」
有栖川マナミ「ジュンちゃんが 置いて行くから・・・・・・」
有栖川マナミ「私、ずっと一人で・・・」
植月ジュン「は? どういう・・・」
植月ジュン「えっ・・・」
植月ジュン「な・・・何で・・・?」
有栖川マナミ「嘘つき!嘘つき!嘘つき!」
植月ジュン「や・・やめ・・・!」
植月ジュン「あ・・・がぁ・・・・・・」
有栖川マナミ「私のこと救うって言ったくせに! 嘘つき!嘘つき!嘘つき!嘘つき!!」
植月ジュン(何で・・・?何でだ・・・? どうして愛実が?どうなってる? 3年間何も起きなかったのに! どうして今さら・・・!)
植月ジュン(オレはまだ悪夢の中にいるんだな・・・)
有栖川マナミ「ジュンちゃんの世界はここじゃないんだよ?」
有栖川マナミ「だから帰ろう?本当の世界に・・・」

〇歯車

〇雨の歓楽街
  2022年12月 現在
  本当の世界

〇コンビニの店内
有栖川マナミ「ありがとうございました」
店長「マナミちゃんさ~ もっと笑顔で接客出来ないの?」
店長「そんなんじゃ お客さん怒らせちゃうよ?」
有栖川マナミ「・・・すみません」
店長「その髪もさ~ 黒染めするとかして何とかしてくれないかな?」
有栖川マナミ「すみません・・・ やってはいるんですけど・・・」
堀井マナブ「まあまあ店長 あんまりいじめないで下さいよ」
店長「あ~めんどくさ」
堀井マナブ「有栖川さん、もう上がりでしょ? 後はやっとくから、上がっちゃって」
有栖川マナミ「あ、ありがとうございます お先失礼します」
堀井マナブ「・・・・・・」

〇渋谷のスクランブル交差点
  私は他の人より耳が良いのか
  地獄耳なのかわからないが
  街行く人の話を聞くのが
  昔から得意だった・・・
  そんな私の耳に聞こえてくるのは
  これからどこに行って何をするのか
  今日の予定の話──
  明日の会社のこと
  それから──
電光掲示板の声「著名な科学誌に若干20歳の黒瀬ルリさんの論文が掲載され、脚光を浴びています。 黒瀬さんは──」
  今話題の有名人の話──
  みんな未来の話をしていて
  過去の事を話す人は少ない・・・
  まるで時間は私だけを置き去りにして
  どんどん前へと進んでいく──
有栖川マナミ「雨・・・」
有栖川マナミ(そう言えば あの日も雨だったっけ・・・)
有栖川マナミ(あれから もう3年が経つんだ・・・)

〇屋上の隅
有栖川マナミ「ジュンちゃん。 何してるの?」
有栖川マナミ「そんなとこ立って危ないよ」
植月ジュン「・・・・・・」
植月ジュン「なぁ・・・ もしシホを救う道があったとしたら どうする?」
有栖川マナミ「え?」
植月ジュン「過去に戻って シホを救えるとしたら?」
植月ジュン「その為に オレは死ななきゃいけないとしたら?」
有栖川マナミ「ジュンちゃん? 何・・・言ってるの?」
植月ジュン「シホを・・・」
有栖川マナミ「や、やめてよ!」
有栖川マナミ「お姉ちゃんが死んだのは ジュンちゃんのせいじゃないでしょ!?」
植月ジュン「・・・」
植月ジュン「そうだとしても・・・」
植月ジュン「シホを助けたい! それが出来るのはオレだけなんだ!」
有栖川マナミ「ねぇ・・・変なこといわないでよ」
有栖川マナミ「ジュンちゃんまで居なくなったら 私は本当に──」
植月ジュン「マナミ! オレを信じてくれ!」
有栖川マナミ「・・・・・・」
有栖川マナミ「何で・・・」
有栖川マナミ「置いていかないで・・・」
有栖川マナミ「一人にしないでよ・・・」
植月ジュン「大丈夫だ!」
植月ジュン「必ず・・・」

〇黒
  必ず君のことも救ってみせる・・・!

〇屋上の隅
  そう言って
  ジュンちゃんはここから飛び降り──
  死んだ
  そして私は・・・
  全てに捨てられたんだ
有栖川マナミ「・・・・・」
有栖川マナミ「ジュンちゃん・・・ お姉ちゃん・・・」
有栖川マナミ「私もここから飛び下りたら 二人に会えるかな?」
「会えるぞ ただ、ちょーっとばかし 僕の手助けがいるけどね」
有栖川マナミ「えっ?誰!?」
有栖川マナミ「あれ・・・?」
「下だよ」
有栖川マナミ「ね、猫!?しゃべ・・・!」
黒猫「そう言うの良いから良いから」
有栖川マナミ「・・・・・・」
黒猫「植月ジュンに会いたいか?」
有栖川マナミ「えっ?」
有栖川マナミ「何言ってるの? ジュンちゃんは・・・」
黒猫「ちゃんと生きてるぞ もっともこの世界では無いけどね」
有栖川マナミ「は?」
黒猫「別の世界で それはそれは幸せに暮らしているぞ」
有栖川マナミ「だからさっきから何言ってるの!」
黒猫「タイムリープは知ってる?」
有栖川マナミ「タイムリープ?」
黒猫「この時代の映画とか漫画とかで 結構題材にされてるから 名前くらいは知ってるでしょ?」
有栖川マナミ「・・・・・・」
黒猫「し、知らないみたいだね・・・」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:第1話 ハッピーエンドの終わり 後編

コメント

  • タイムリープの新解釈ですね。
    確かに、ジュンを取り巻く世界は変わったけど、変わらない世界の彼女の立場にしたら許せないですよね。
    黒猫の言う通りにして、世界を元に戻せるのか?続きが気になります!

  • 応募作でパラレルワールドを扱っていたのでに勝手に親近感を抱いてしまいました😆
    タイムリープ、面白いですね!しかも違う世界で……ジュンは違う世界だということに気付いていなさそうですね。ヒロインが平行世界でどうなってしまうのか、何を見るのか……続きが楽しみです☺️

  • タイムリープ×愛憎劇!? は斬新ですね😆
    2人を救うために行動してたジュンが普通は主人公っぽいですが…
    何がどうなってマナミがジュンを😨気になります😆

コメントをもっと見る(4件)

ページTOPへ