宅配アプリカップル

あやのん

読切(脚本)

宅配アプリカップル

あやのん

今すぐ読む

宅配アプリカップル
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇中規模マンション

〇女の子の一人部屋
  私は田所あずさ。27歳OL
  今日は恋人のまさきとお家デートの予定
  まだかなぁ。もうすぐ着く頃だと思うんだけど

〇女の子の一人部屋
  ピンポーン
まさき「遅くなってごめん」
あずさ「待ってたよ〜」
まさき「ははは」
まさき「はい。これ」
あずさ「これなあに?」
まさき「ふふ、開けてみてよ」
あずさ「人気店のケーキ!?どうしたの??」
まさき「今日何の日か覚えてる?」
あずさ「何だろう。記念日はまだだし、誕生日でもないし」
まさき「覚えてないか。そうだよな」
まさき「一年前の今日、俺達は再会したんだよ」
あずさ「あっ」
あずさ「大事に。思っててくれたんだね。嬉しい」

〇女の子の一人部屋
まさき「たくさんの依頼がある中で、たまたまここに来るなんてな」

〇黒
  実は、あれは偶然ではなかった

〇黒
  時間は遡り、2年前

〇女の子の一人部屋
  在宅ワーク中の私
  (今日はオンライン会議もないし、事務作業だけだから寝巻きのままでいっか。すっぴんで髪の毛もボサボサだけど)
あずさ「お腹空いたなぁ。今日のランチは宅配にするか」
  今日はラーメンにしようかな♪っと
  配達員にもこんなカッコ見せられないし、置き配設定と
  決定〜

〇パールグレー
  今日の配達の人の写真か・・・あれ?この人もしかして・・・

〇教室
  まさきくん・・・!!!!

〇教室
  私とまさき君は、高校の時に同じクラスだった。
あずさ「まさき君カッコいいなあ、話したいなあ。でも、運動もできて明るくて人気者だもんね。私なんかに興味ないよね・・・」
まさきの部活仲間「まさき!部活行こうぜ!」
まさき「おう!」
あずさ「はぁ」
  結局私はまさきくんとほとんど話せないまま卒業した

〇女の子の一人部屋
あずさ「どうしよう。まさきくんに会いたいけど、こんなだらしない格好で会えない!」
あずさ「ああ、もうマンションの前まで来ちゃってる」
  結局その日私は、まさきくんが家の前まで来ているのを知りながらも、会うことができなかった。

〇女の子の一人部屋
  その日から私は、毎日のように宅配アプリを利用した。再び、まさきくんが宅配に来てくれることを期待して。
  いつその時が来てもいいように、家の中でもちゃんとした服に着替えるようにした

〇試着室
  洋服やお化粧にも気を配るようになった

〇女の子の一人部屋
  わたしは、宅配アプリの利用を続けた。でも、スマホ画面に再びまさきくんが現れる日はなかなか来ない
あずさ「まさきくん、なかなか来てくれないなあ。もう宅配やめちゃったのかな」

〇黒
  半ば、諦めかけたある日・・・

〇女の子の一人部屋
あずさ「さて、そろそろお昼ご飯の時間・・・と」
あずさ「あ・・・・・・!!!」

〇パールグレー
  まさきくん・・・!!

〇女の子の一人部屋
あずさ「どうしよう化粧しなきゃ!髪の毛も整えなきゃ!」
  ドタバタ
  慌てて身だしなみを整えながら、スマホを確認する
あずさ「あ!マンションに着いたみたい」

〇マンションの共用廊下
まさき「203号室・・・ここだな」
  ガチャ
まさき「あれ?」
あずさ「あ」
あずさ「そろそろ届いた頃かな・・・と思いまして・・・」
まさき「じゃあ直接お渡ししますね」
あずさ「ありがとうございます・・・あ!」
まさき「え?」
あずさ「もしかして、まさき君!?」
まさき「はい、まさき、ですけど・・・?」
あずさ「あの、田所あずさです。高校の時同じクラスだった」
まさき「ああ、田所さん・・・?」
あずさ「あんまり覚えてないよね。ほとんど話もしたことないもんね・・・でも、びっくりしちゃった」
まさき「そうだね・・・。元クラスメイトとこんなところで再会するなんて」
あずさ「まさきくんは、家はこの辺なの?」
まさき「ああ、隣駅の近くに住んでんだ」
あずさ「そうだったんだ」
まさき「このマンションにも何度か来たことあるから、もしかしたら田所さんのところも宅配きてるかも」
あずさ「そうだね(今日で2回目だって知ってるけど)」
  せっかく会えたから、家も近いし、という口実で連絡先を交換することに成功した

〇女の子の一人部屋
  せっかく連絡先を交換したけど・・・デートに誘ってもいいかな・・・調子のってると思われるかな・・・
  こうなったら、また偶然を装って会うしかないか
  なんか私、ストーカーみたい?
  でも、私がまさきくんと近づくためには、これくらいしないと

〇テーブル席
「(ここなら宅配アプリでも人気の店だし、まさき君が来るかもしれない)」
  何度目かの滞在の後・・・
まさき「こんばんは!お料理取りに来ました!」
スタッフ「はいこれ!よろしくお願いします」
まさき「了解です」
あずさ「ま、まさき君!」
まさき「田所さん?!」
あずさ「また会えたね」
まさき「ほんとに、すごい偶然」
まさき「あ、今日この後暇?」
あずさ「えっ、うん。暇だよ」
まさき「飲みにでも行かない?」
あずさ「(・・・・・・!!)もちろん」
まさき「じゃあ、配達終わったら連絡するね」
あずさ「(やった!ここに入り浸っていてよかった)」
  そこから、トントン拍子でまさき君と私は距離を縮めていった

〇商業ビル
  こうして連絡を取るようになった私たちは、時々一緒に食事をしたり映画を見るようになった
あずさ「映画、面白かったね」
まさき「そうだね・・・この後、食事でもどう?」
あずさ「ええ。もちろん!」
  私たちは、いろんな話をした。

〇パールグレー
  まさきは、大学時代の友人たちとバンドを組んで活動しているらしい
  その傍ら、生活費を稼ぐために配達員をしているそうだ。

〇黒
  何度目かのデートをした日の夜

〇見晴らしのいい公園
まさき「あずさ」
あずさ「ん?」
まさき「俺の恋人になってくれないか?」
あずさ「!!」
まさき「やっぱり、だめかな?俺、売れてないバンドマンだし・・・」
あずさ「ううん!そうじゃないの。すごく、嬉しい」
まさき「え、じゃあ」
あずさ「よろしくお願いします」
まさき「良かった!嬉しい!」
あずさ「なんだか私、まさきのこと、ずっと待っていたような気がする」
まさき「・・・嬉しいこと言うよな」
あずさ「(ほんとに、待ってたんだけどね)」

〇女の子の一人部屋
  こうして私は、憧れだったまさきと恋人になった。

〇ローズピンク
  ずっとまさきを待っていた。それは、私だけの秘密だ。

コメント

  • 確かにデートに誘ったり、連絡先聞いたり、積極的にすると相手がどう思うんだろう、って考えてしまうことありますよね。
    でもその積極性が功を奏したようで、よかった!

  • 本当にありそうで夢のあるシチュエーションだな〜という気持ちの片隅にちらっと「これはもしかしてやや本物のストーカーさんでは…?」という不安が芽生えたのを、あとがきで見透かされたようでドキッとしました。ちょっとスレスレのバランス感とお二人の大人な年齢との組み合わせが絶妙です。

  • 今のご時世にもあっている実際あってもおかしくないリアリティーもあるお話で面白かったです。女性の頑張り報われてほんわかした気持ちになりました!

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ