〇骸骨

〇明るいリビング
南野正「おはよう」
南野優子「おはよう」
南野優子「朝ご飯用意してくれたんだ？ ありがとう！」
南野正「今日からだよね？」
南野優子「そう 部活の顧問なんてちょっと気が重いよ」
南野正「ははは！ でも文芸部でしょ？昔小説書いてたのが役立つんじゃない？」
南野優子「正くんの方が話考えるの上手いじゃない 教えるのなんて自信ないな」
南野正「俺だってもう自分じゃ書いてないし、書ける気しないよ」
南野優子「また正くんの書いた小説読みたいけどな」
南野正「俺だって優子の書いた小説読みたいよ！」
南野優子「敏腕編集長にそんなこと言ってもらえて光栄です」

〇オフィスのフロア
北川英子「あら？まだいたの？」
南野正「ああ。ホンジョウ先生の原稿のチェックだよ」
北川英子「わんこ君は仕事熱心ね」
南野正「会社でその呼び方はやめてくれよ 誰か聞いてたらどうするんだ」
北川英子「先週はここであんなことしておいて何言ってるのよ？ケモノみたいだったわよ」
南野正「あんまり虐めるなよ」
北川英子「もっと虐めてほしいって顔にかいてあるわよ？」
南野正「まったく・・・」
北川英子「やりたくないの？」
南野正「やりたいよ」

〇生徒会室
南野優子「やだ！すごい雨降ってきたわね」
北川亜紀「本当ですね」
南野優子「もうこんな時間になっちゃった！何かあっという間だったね！」
北川亜紀「うん 先生と話してると 楽しくて時間忘れちゃうな」
南野優子「嬉しいこと言ってくれるね ありがとう 先生もそう思うよ」
北川亜紀「でもよかった」
南野優子「何が？」
北川亜紀「先生最近元気なかったから・・・」
南野優子「そう？そんなことないけどな・・・」
北川亜紀「ずっと先生の事を見てたからわかるよ！」
北川亜紀「何かあったなら言ってよ！ ぼくはずっと先生の味方だし、それに！」
南野優子「大丈夫よ？でもありがとう そんな風に言ってくれるだけで先生は嬉しい」
南野優子「さぁ！もう遅いし帰りましょう！車で送ってあげるから・・・キャ！」
　　亜紀は後ろから優子を抱きしめた
南野優子「ちょっと亜紀くん・・・ ダメだよ？」
北川亜紀「先生が好きなんだ！ 文芸部も先生に顧問になってもらうために作ったんだよ」
北川亜紀「二人で長く一緒にいられるように」
南野優子「こんなところじゃダメだよ 続きは車の中で」

〇貴族の部屋
南野正「ホンジョウ先生 原稿確認させていただきました 素晴らしかったです」
ホンジョウ「南きゅんに褒められると嬉しいね」
南野正「ハァ それでこれはうちで連載していただけるんですよね？」
ホンジョウ「うーんどうしようかな〜」
南野正「何かぼくにして欲しいことはありますか？」
ホンジョウ「そうだね〜 そしたらこの前みたいにぼくの全身を犬のように舐めて欲しいかな〜」
南野正「お安い御用です」

〇車内
南野優子「雨、少し弱くなったかな」
北川亜紀「うん」
南野優子「今日のことは二人だけの秘密だよ？」
北川亜紀「うん・・・ でもぼくが卒業したら・・・ 先生はぼくだけの先生になってくれるんだよね？」
南野優子「もちろん」
南野優子「さぁ帰りましょ 家まで送るわ」

〇地下に続く階段

〇シックなリビング
北川亜紀「ただいま」
北川龍「おかえり 遅かったな」
南野優子「お邪魔します」
北川龍「え？どうして・・・」
北川亜紀「父さん、こちら顧問の先生 遅くなったから送ってもらったんだ」
北川龍「そうでしたか ありがとうございます」
南野優子「いえ、それではもう遅いので帰りますね」
北川龍「それじゃあ下までお送りします」
南野優子「いえそんな大丈夫ですよ」
北川龍「いえいえ、ちょっとコンビニ行こうかと思っていたので」
南野優子「そうですか それじゃあ亜紀くんまた明日 おやすみなさい」
北川亜紀「気をつけて帰ってね？」
南野優子「ありがとう」

〇マンションのエントランス
南野優子「雨なかなか止まないな〜」
北川龍「おい！」
南野優子「何？」