黄金の蟻

ジョニー石倉

エピソード4(脚本)

黄金の蟻

ジョニー石倉

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〇稽古場
円城寺敏郎「隣の竹垣に竹立てかけたのは、竹かけかけかけ・・・、隣の竹垣にたけたけ・・・隣の」

〇CDの散乱した部屋

〇稽古場
  講師の手拍子の元、大勢の若者がダンスを踊っている。
  その中で円城寺も汗まみれで踊っている。
ダンス講師「今日はいいねー! 円城寺!」
円城寺敏郎「はい! 表現の幅広げて、立派な役者になりますんで!」
ダンス講師「いいよー。もっと音と一体になって!」
円城寺敏郎「音と一体・・・。はい!」

〇CDの散乱した部屋
円城寺敏郎「あ〜♪ 俺は世界一の〜♪」
「うるせー! ヘタクソ!!」
円城寺敏郎「黙って聴いてろ! 近い将来、聴きたくても簡単には聴けなくなるぞ!!」

〇商店街
  ザワザワ・・・ザワザワ・・・

〇たこ焼き屋
「はいよ!」

〇たこ焼き屋の厨房
円城寺敏郎「ダブルチーズトッピングで500円ね! 熱いからふーふーして食べな」
中杉銀太「おー悪い悪い。待たせたな」
円城寺敏郎「もう頼んますよ店長。たこ焼き屋がタコ切らしたら、何入れればいいんすか」
中杉銀太「嬉しい悲鳴じゃねーか。 商売繁盛万歳だなこりゃ」
円城寺敏郎「笑ってる場合じゃないっすよ。 てか、そんだけ儲かってるなら時給あげてください」
中杉銀太「おう。その件だけどよ。考えてくれたか? 例の話」
円城寺敏郎「いやー、俺は今のままでいいっすよ」
中杉銀太「もっと稼ぎたいんだろ? バイトじゃせいぜい時給20円しか上がらねーぞ」
円城寺敏郎「うーん、でも・・・」
中杉銀太「悪い話じゃねえだろ? 最初から恵比寿の新店を任されるってんだから」
中杉銀太「なかなかないぞ、こんな抜擢」
円城寺敏郎「いやーありがたい話なんすけどねえ」
中杉銀太「敏郎もいい歳だ。 いいかげん目を覚まして、真面目に社会人やる時期なんじゃねえか?」

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