エピソード1(脚本)
〇城門沿い
その景色は誰も知らない
何度行っても変わることのない
そして、それを知っているの
私と彼以外は・・・・・・
〇城門の下
前世の彩「キャ!」
前世の・・・・・・「すまない、怪我はないか・・・」
前世の彩「いえ、立派な馬ですね」
前世の・・・・・・「本当ですか?」
前世の彩「私が見た中で一番元気そう」
前世の・・・・・・「ありがとうございます」
前世の・・・・・・「馬に乗ってみませんか」
前世の彩「良いんですか?」
前世の・・・・・・「見せたい場所があるんです」
〇大樹の下
私は彼の言葉を信じて、馬に乗った
しばらくすると林の中に入っていった
前世の彩「どこまで行くの」
前世の・・・・・・「もう少しで着きます」
私は甘い香りに包まれた広い空間に出た
そこはピンク色のバラが咲いた大きな木が立っていた
前世の彩「綺麗〜まるで香水瓶の中にいるみたい」
前世の・・・・・・「ここは誰にも教えていないんです」
前世の彩「じゃあ、私が初めてなの」
前世の・・・・・・「貴方ほど素敵な人は初めてです」
前世の彩「ありがとう、また連れて来てくれますか」
前世の・・・・・・「もちろんですよ」
〇城門沿い
私が彼と話したのはそれで最後
次の日、彼は城門の下で見つかった
私は彼のすぐそばで泣いた
生きる希望を失くした私は静かにこの世を去ることにした
〇幻想2
前世の彩「ここはどこ?」
「今度はあなたが迷い込んだのね」
前世の彩「誰?」
生まれ変わりの精霊「私は生まれ変わりの精霊」
生まれ変わりの精霊「現世でやり残した人を生き返らせる役目を持っています」
前世の彩「本当?」
生まれ変わりの精霊「ハイ、生き返りたいとおっしゃる方は多くいらっしゃいますよ」
前世の彩「私、前世で恋をした相手がいるの」
生まれ変わりの精霊「ほぉ~それでどうしたいんです」
前世の彩「その人とあの景色をもう一度見たい」
生まれ変わりの精霊「分かりました、ではその男性と巡り会えますように」
〇黒背景
それから何度も生まれ変わりを繰り返した
同じ記憶を持ったままで生きることは多くの人に苦労をかけてしまう
同時に思い出せなくなることが怖かった
〇病室のベッド
お母さん「彩世、生まれて来てくれてありがとう」
私が彼と出会うことができたのは6回目が終わった後だった
好きでもない相手と結婚したためにもう諦めようと思っていた
〇歴史
それから何度も出会いを求めた
中学、高校、街に出て
でも、運命の人には出会えなかった
前世で出会った人に会える確率って何%なんだろう
ほぼ0%に近い再会を信じ続けていると私は大学受験をする歳になっていた
〇講義室
美紗「彩、いよいよ入学試験ね」
彩「うん、そうだね」
私は塾で知り合った美紗と私立大学の試験会場に来ていた
美紗「彩は前から何列目?」
彩「3番目かな、2ーCって書いてある」
美紗には前世のことを冗談で話したことがある
美紗は引き笑いをしながら聞いて、それがきっかけで仲良くなった
美紗「彩はそこなんだ、私は一番後ろの席だからリスリングの時は大変かも」
彩「大丈夫なの」
美紗「平気、英語はほとんど点数に入らないから」
彩「え、そうなの」
美紗「うん、このBFだから滑り止めにしてる人が多いから」
彩「そうなんだ」
美紗「まぁ、大丈夫よ」
〇大学の広場
結局は合格通知が2週間後に来た
ちなみに私が持っている記憶は彼と一緒にいた時のことだけ
生まれ変わりを何度もしているのは覚えているけれど、それ以外は徐々に薄くなる
私は前世の親のことも忘れてしまった
今、私の親は一人だけ
お母さん「彩、入学おめでとう」
そう、私のことを育ててくれたこの人だ
こんにちは!
生まれ変わってもまた会いたい、テーマがロマンチックで素敵でした🙌
とってもステキな恋愛シーンと、その恋心を抱いたまま生まれ変わる展開、とってもドラマティックですね!相手の方と出会うことができるのか、それはいつどのようにか、とても気になります!
恋が実ってある一定の時期を過ごせた恋人より、前世の彼女のようにやっとその恋に手が届いたばかりで離ればなれになってしまったという状況のほうが、きっと取り戻したいという気持ちが大きいのでしょうね。無事に彼に再会できることを祈ってます。