クラークコードー愛to憎しみの歴史IF小説ー

神テラス

第四話「黒い動き」(脚本)

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〇綺麗なコンサートホール
小柄な政治家「いやー実に、素晴らしかったですな。先生の北方領土威嚇奪回論!」
  小柄な地元の有力政治家が「先生」と呼ばれる男に話しかけた。
小柄な政治家「最先端の偵察衛星を打ち上げて、ロシア極東を隅々まで偵察し、その威力効果によって、北方領土返還交渉を有利にすすめる」
小柄な政治家「凄い構想だ!」
  その小柄な政治家は感心していた。
小柄な政治家「しかも、種子島からではなく、ここ北海道の札幌からも、偵察衛星のロケット打ち上げが可能だとはね!」
  その小柄な政治家は、心底、驚きながら、「先生」と呼ばれる男に話をしていた。
  「先生」と呼ばれる、その男は、不敵な笑みを浮かべながら話しをした
「先生」とよばれる男「もうすでに、偵察衛星打ち上げのための、試作ロケットが完成しつつあります」
  「先生」と呼ばれる男がそう述べると、会場のスクリーンにはロケットの映像が映し出された。
  「おお!」
  「もう試作機まで。こりゃ凄い!」
  参加者達は皆、一様に驚いている。
  その「先生」と呼ばれる男は、会場で参加者達に取り囲まれながら、時折、不敵な笑みを浮かべ、話しをしている。
女性秘書「先生、もうそろそろ、会合の時間です」
  秘書らしき女性が、「先生」と呼ばれる男の元へと近寄る。
「先生」とよばれる男「そうか、分かった」
  「先生」と呼ばれるその男は、話を切り上げた。
小柄な政治家「先生もお忙しいですな。やはり、今、一番、注目されている人は違いますな」
「先生」とよばれる男「まあ、科研費の簡単な事務手続きですよ」
  そういうと、その男は、不敵な笑みを浮かべながら、女性の秘書とともに会場を後にした。
ワタシ「石竹警部補。あの教授はどうなんですか?」
  ワタシは、会場で提供されている飲み物(オレンジジュース)を飲みながら、石竹警部補に尋ねた。
  ワタシは、東京の指導教官の代わりに、札幌市内のホテルで開かれた、講演会に参加していた
  一方、石竹警部補も、要人警護の名目で講演会に参加していた。
石竹警部補「あの教授(参加者から「先生」と呼ばれていた男)にはアリバイがあります」
石竹警部補「事件の翌日、東京で早朝に研究会議があって、泊りがけでホテルにいました」
石竹警部補「ホテルにもチェックインしています」
石竹警部補「仮に、東京のホテルから札幌に向かって晩に犯行したとしても、飛行機の始発でない限り、翌朝の東京には戻れません」
石竹警部補「その飛行機の乗員名簿には、名前がありませんでした」
石竹警部補「何か気になる点があるのですか?」
  石竹警部補はワタシに質問した。
ワタシ「いえ、何も証拠もありません。ただ、あの男、同じ研究者として、なんか気に食わないんですよね。専門領域は全く別ですが」
  ワタシはただ、率直な感想を述べた。無論、殺人事件とは無関係な人物だろう。
石竹警部補「(あの男=)野村教授は、北海道を代表する、宇宙ロケット工学専門の研究者ですね」
石竹警部補「確かに、殺された丸中教授とも同じ大学の教員でもありますね」
ワタシ「あの人は、自分達、研究者の間でも有名ですよ。過激なナショナリストとしてね」
  ワタシは石竹警部補に述べた。
ワタシ「他の専門分野の研究費を、根こそぎぶった切って、国防費に回せ!という過激な発言を東京の学会でもしてて、話題にもなってますね」
石竹警部補「北海道の新聞やテレビでも取り上げられていますね」
石竹警部補「北海道には、彼の意見に賛同する政治家や官僚も多いですよ。ワタ先生には全く関係がない話ですが、、、」
ワタシ「何よりも平和が一番です。抑留を経験した自分の祖父は生前、良く言っていました」
石竹警部補「私もそう思います」
  石竹警部補はうなずいた。

〇国際会議場
  札幌市内某所の会合室にて、制服を着た自衛官達と、スーツを着た男達が集まっている。
野村教授「防衛省からどれぐらい金を引っ張れたか?」
  野村教授は会合の参加者からの報告に対して、逐一、質問していた。
野村教授「メーカーは?」
野村教授「よし、量産化の暁には、アジアの軍事バランスが、これでひっくりかえるぞ!」
  そう野村教授が述べると参加者達の大半が「おー!」と声を上げて気勢を上げていた。
  野村教授も、満面の笑みを浮かべた。
  「しかし、野村教授よろしいのですか」
  将官の制服を着た、古老の老人が顔を少ししかめながら、教授に質問した
  「あまり、研究費を引っ張りすぎると公安の連中に感づかれますぞ」軍服を着た、その古老の老人は少し怪訝な顔をしながら述べた。
野村教授「完成してしまえば我々のものだ。あとは既成事実を作ればよい」
  野村教授は不敵な笑みを浮かべながら、古老の老人に答えた。
野村教授「この最先端のステルス弾道大量破壊兵器 SI-MAKAESEロケット(エスアイ型マカエセロケット)の完成まであと一歩だ!」
野村教授「諸君、我々、帝国鉄砲団の時代が、間もなく戻って来るぞ!」
  そう野村教授が言うと、参加者達の大半が喜び、ますます気勢をあげて応えた。

次のエピソード:第五話「北の大地 明治札幌①」

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