エピソードX 釈放(脚本)
〇岩穴の出口
オヤジ「ぐうううううっっっ!!」
あの戦いから──
およそ200年が経過した・・・
オヤジ「うがぁぁぁぁ!!」
ここ数十年、漸知漸能の発動がおさえきれず
濁流のように自身に流れてくる膨大な知識と能力に
苦しめられていた・・・
オヤジ(い、いったい・・・)
オヤジ(いつまでこの地獄が・・・)
オヤジ「ん!?」
オヤジ「こ、これは!?」
オヤジ「漸知漸能がやんだ・・・!?」
オヤジ「そうか・・・」
〇黒背景
オヤジ「ついに私はなったのか・・・」
オヤジ「全知全能に・・・」
オヤジ「だが・・・」
〇岩穴の出口
オヤジ「こんなもの・・・だったのか」
オヤジ「追い求めているうちは輝かしい力だと思っていたのだが」
オヤジ「得てみないと分からないとは・・・」
オヤジ「真に愚かなのは私だったようだな・・・」
オヤジ「こんなもののために私は多くの者の人生を・・・」
オヤジ「ナツレの民の命を・・・」
オヤジ「奪ってしまったのか・・・」
〇古い洋館
贖罪のしようもなく
自ら死を選ぶことも出来ない私の足は
〇地下室
自然と日本へのゲートが元々あった場所にたどり着いた
オヤジ(全知となった私だが・・・)
オヤジ(唯一分からないことがある)
オヤジ(元にいた世界が、日本がどうなっているか・・・だ)
オヤジ「今の私なら・・・」
オヤジ「『自門自棟』(じもんじとう)」
オヤジ「・・・」
オヤジ(熊井・・・ あなたにつきつけられた無期異世界転生の罰)
オヤジ(少々強引で悪いが釈放とさせてもらう)
オヤジ(あなたの代わりに息子の竜二や羽原兄弟がどう生きたか・・・)
オヤジ(私が確認しよう)
〇基地の広場(瓦礫あり)
オヤジ(ここは・・・!?)
オヤジ(座標は同じはずですが、国会議事堂ではないですね)
オヤジ(まあ、200年経っているから当然ですか)
???「キャーーー!!」
処刑人「最後の1人・・・ ようやく見つけたぞ・・・」
女性「イ、イヤ!! やめて!!」
処刑人「『天聖』の命令は絶対だ」
処刑人「その命・・・貰い受ける!!」
女性(こうなったら・・・)
女性「『あい・・・』」
オヤジ「なんだか穏やかではありませんねぇ」
処刑人「なんだお前は!? 貴様も『天聖』に逆らう者か!?」
オヤジ(天聖?)
オヤジ「どうやら私の価値観や認識が全く通じないようですね」
オヤジ「こんな体験・・・200年ぶりですよ・・・」
処刑人「何をごちゃごちゃ言っている!?」
女性「に、逃げてください!!」
オヤジ「心配ご無用ですよお嬢さん」
オヤジ「事情は存じ上げませんが、殺生など愚かな行為です」
オヤジ「ココは退きなさい」
処刑人「バカが!!血祭りにあげてやる!!」
処刑人「天聖剣術・・・」
処刑人「『龍刀荼毘』(りゅうとうだび)」
女性「イヤァァァァ!!」
オヤジ(ふむ・・・)
オヤジ(何らかの能力のように見えますが・・・ これは一体・・・!?)
オヤジ(日本はどうなっているんでしょうか?)
オヤジ「『原点快気』」
処刑人「な・・・なんだぁ!?」
処刑人「こいつもなのか!?」
処刑人「まだ残っていたとは!?」
オヤジ「私はワケあって殺生をするつもりはありません」
オヤジ「ですが、これ以上戦いを続けるのであれば・・・分かりますね?」
処刑人「・・・」
女性「ありがとうございます・・・」
オヤジ「いえ、お気になさらず」
女性「助けていただきながら申し訳ないのですが・・・」
女性「あなた何者ですか・・・!?」
オヤジ「・・・ただの通りすがりです」
オヤジ「オヤジとでも呼んでください」
女性「はぁ・・・」
オヤジ「訳あって色々と分からない事も多く」
オヤジ「お話お伺いしてもよろしいですかね?」
女性「え、ええ、もちろんです」
女性「私もあなたに聞きたい事がありますので」
女性「向こうに私の隠れ家がありますので、そちらで」
オヤジ「隠れ家とは・・・物騒ですね・・・」
オヤジ「そういえばあなたのお名前は・・・?」
女性「ああ、申しおくれましたね・・・」
羽原 貞代「私は羽原・・・」
羽原 貞代「羽原 貞代です」
まさかのオヤジ主人公!?
重たく後ろ暗い過去を持つ主人公(ラスボス)が新主人公になって無双する展開、好物です…!
終わったと思う話の後日談が読めるのは一ファンとして嬉しいですが、三話で終わらなさそうな始まりに驚きました。
新シリーズの繋ぎなのかな???
これは絶対面白いやつだ…🤭
それなのに3話で終わるのは早すぎる気がしますが、楽しませてもらいます❗🤣💦