不穏な探索―2(脚本)
〇豪華な部屋
10番「やっぱり、いませんね」
11番「そうだね 12番もどちらかというと慎重な性格に見えたし、うろつく人間ではないだろうけど」
13番「どうしましょうか」
11番「・・・少し、聞いていいかな」
10番「何でしょう」
11番「・・・10番さんってさ、僕の一個下の学年だよね」
10番「わかりません」
11番「・・・じゃあ、質問変えるよ」
11番「君、学部の頃に毎年首位表彰されてたよね?」
10番「・・・っ!?」
13番「・・・ちょっと待ってください。 知りませんよそんなの」
11番「知らないって何が? 君はなんで10番くんと同じ大学だって知ってるの?」
11番「知らない人って言ってたよね?」
13番「・・・っ」
11番「どういう立場なのかは聞かないけど」
11番「詰めが甘いよ」
10番「大学院は別のところに行ったんです」
11番「ふーん、誤魔化すんだ」
11番「俺サポート部だったの」
13番「サポート部って・・・あの、学生支援とオーキャン運営の、団体ですか」
11番「そう。 そこまで言えばわかる?10番くん」
10番「・・・!? そういえば、一個上の先輩にサポ部の人が・・・」
11番「君、優秀すぎるから有名なんだよ」
11番「工学部で四年間同じ人が首位表彰受けるなんてめったにないから」
11番「友人が言ってた。 『あの子が学部卒なんてもったいない』って」
11番「君、9番さんのところの会社で働いてるんでしょ」
10番「・・・その通りです」
11番「君がウェルニアに入ってるかどうかなんて興味はないけど、少なくともコミツナの人間ではあると」
10番「・・・そう思ってくださって、構いません」
11番「で、君は?」
13番「・・・」
11番「10番さんとどういう関係?」
13番「・・・えっと」
10番「コミツナの長期インターンの子なんです」
10番「と言っても、まだ挨拶しかしてませんけどね」
13番「夏からお世話になろうと思って・・・。 それで応募したんです」
11番「(この子達はたぶん同い年なんだよな。 ただ・・・表彰されていることを掲示で見たとしても)」
11番「(大きな大学だし、知り合ったのが最近なら知らないと言われても違和感はないな)」
11番「わかった。 そういうことにしておくよ。 もちろん、怪しまれないように秘密にしとくし」
10番「・・・ありがとうございます」
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