ロスト陰陽師-HARUKO-

シュウ

第3話 アタシが・・・陰陽師!?➂(脚本)

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〇電脳空間
ハルコ「ここは・・・?」
ハルコ「そっか、アタシもう・・・」
ハルコ「でも、これできっとルミは元に戻れる」
ハルコ「邪魔者はいなくなったんだから」
???「ご自分がいなくなることで得られる 幸福に意味などあるのでしょうか」
ハルコ「え!? なになに!? 神様!?」
ハルコ「それっぽいこと言うじゃ~ん!」
???「・・・・・・」
???「貴方に後悔はないのでしょうか」
ハルコ「・・・あるよ、たくさん」
ハルコ「もっとルミたちと一緒に遊びたかった」
ハルコ「それに、伝えたいこともあった」
???「世界平和のために命を投げ出す 覚悟はおありでしょうか」
ハルコ「スケールでかいねぇ~!」
ハルコ「好きだよ、そーゆうの!」
ハルコ「ま、世界平和なんてどうでもいいよ」
ハルコ「アタシは周りの人が幸せならそれでいい」
???「いいでしょう」
???「ならば、貴方に『力』を授けます」
ハルコ「え!? 頼んでないのに!?」
ハルコ「どうせ何かさせようとしてるんでしょ?」
ハルコ「マンガで読んだよ? そーゆうの」
???「はい」
???「私(わたくし)には目的があります」
???「そのために貴方を利用します」
???「願いを言いなさい」
???「叶えてさしあげましょう」
ハルコ「え〜! 世界平和頼んじゃおっかな~!」
???「常識の範囲内でお願いします」
ハルコ(使えな)
ハルコ「じゃあいいや」
ハルコ「常識的に考えてムリだし」
ハルコ「で、アタシはどーすればいいの?」
ハルコ「契約書とか書く?」
???「口約束で構いません」
???「この場のやり取りは録音させて いただいております」
ハルコ(コールセンターかな?)
???「では──安倍晴子(あべのはるこ)」
???「貴方は私と契約を交わしますか?」
ハルコ「交わします」
ハルコ「あ、でも、アタシもう死んじゃ──」
???「何とかします」
ハルコ「ふぅ~♪」

〇山中の川
ハルコ「あれ? ほんとに生き返った?」
ルミ【鬼】「何で・・・何で、生きてるのッ!?」
ルミ【鬼】「確かに、この手で・・・!」
ハルコ「ルミ!?」
ハルコ「・・・そっか、原因はコレか」
ルミ【鬼】「どういうこと!? 答えて!」
ハルコ「んー、よくわかんない」
ハルコ「でも、また会えたね」
ルミ【鬼】「・・・もう2度と会うはずなかったのに」
ルミ【鬼】「アタシは地獄に落ちるはずだったのに」
ハルコ「いいじゃん、またこうして会えたんだから」
ルミ【鬼】「何で・・・何で・・・!」
ルミ【鬼】「だったら、ケイも生き返らせてよッ!!」
ハルコ「よっと」
ハルコ「それが本音?」
ハルコ「後悔してるんでしょ?」
ハルコ「友達だもんね」
ルミ【鬼】「うるさいうるさいうるさい!!」
ルミ【鬼】「アタシにだってよくわかんない!!」
ルミ【鬼】「ケイはアタシから大事なものを奪った!!」
ルミ【鬼】「でも・・・アタシは、自分で自分の大事な ものを奪った・・・!!」
ルミ【鬼】「ハルコも、ケイも、この手で・・・!!」
ハルコ「わかってるじゃん」
ハルコ「大丈夫、アタシはここにいるから」
ルミ【鬼】「うっ・・・うううっ・・・!!」
ハルコ「ルミ、もうやめよう?」
ルミ【鬼】「うううううううううっ・・・!!」
ルミ【鬼】「やぁぁぁああああああッ!!」
ハルコ「なんでッ・・・!?」
???「貴方にはわかっているはず」
???「『陰陽五行(いんようごぎょう)』の力を その身に宿しているのですから」
ハルコ(頭に直接声が・・・)
???「唱えなさい 九字護身法(くじごしんぼう)を──」
ルミ【鬼】「うあああああああああああああああッ!!」
ハルコ(アタシは──)
ハルコ(ルミを助けたい)
  右手で刀印を結ぶ──
ハルコ「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前 (りん ぴょう とう しゃ かい  じん れつ ざい ぜん)」
  左手の鞘(さや)から右手を取り出し
  横に5回、縦に4回、交互に九字を
  切ってゆく
ルミ【鬼】「消えろぉぉぉぉぉぉッ!!」
ハルコ「オン キリキャラ ハラハラ フタラン バソツ ソワカ」
ハルコ「破邪の法──【解】」
  格子状の紋様──九字が
  ルミの身体を突き抜ける
ルミ【鬼】「あがぁぁぁああああああッ!!」
ハルコ「ルミ!!」
ハルコ「良かった、無事で」
ハルコ「・・・・・・」
ハルコ「本当に、無事で良かった・・・!」

〇山中の坂道
ケイ「ルミ、良かった」
ケイ「こんなところで何してたの?」
ルミ「ただの散歩」
ルミ「ちょっと学校ダルくて」
ケイ「そう」
ケイ「・・・・・・」
ケイ「ルミ、私・・・ショウヘイ君と別れようと 思ってるの」
ルミ「ッ!?」
ケイ「それでさ」
ケイ「ルミも・・・もう、ショウヘイ君とは 付き合わないでほしい」
ルミ「なん、でッ・・・!?」
ケイ「ルミには・・・合わないと思うから」
ルミ「・・・・・・」
ルミ「・・・そうやって、アタシが欲しいものを あっさりと手放すのかよ」
ケイ「ルミ・・・?」
ルミ「アタシから奪っておいて白々しいんだよ!!」
ルミ「ウソのウワサまで広めて・・・!」
ルミ「ずっと友達だと思ってたのに・・・!」
ケイ「待って、ルミ! それは──!」
ルミ「うるさい!!」
ルミ「うるさいうるさいうるさい!!」
ルミ「あんたが捨てたものでも アタシにとっては大事なものなの!!」
ルミ「ずっとずっと欲しかったものなの・・・!」
ケイ「ルミ・・・ごめん」
ケイ「でも──」
ルミ「うるさいって言ってんじゃん!!」
ケイ「ッ!?」
ケイ「うっ!」
ルミ「ぁ・・・ア、アタシ・・・アタシィ・・・!!」
???「──我ニ委ネヨ」
ルミ「な、何・・・!?」
???「羨マシイノダロウ?」
???「妬マシイノダロウ?」
???「ナラバ、奪エバヨイノダ」
???「ソノ権利ガ、アルノダカラ──」
ルミ「う、うぅぅぅううううううッ・・・!」
???「我ニ委ネヨ」
???「我ハ望ミを叶エシ者──」

〇山中の坂道
ルミ(ここは?)
ルミ(いっ・・・頭が、ズキズキする・・・!)
ルミ(でも何だか、モヤが晴れたような──)
ハルコ「ルミ! 良かった〜、ほんとに!」
ルミ「ハルコ・・・ア、アタシ、ケイを──」
ケイ「呼んだ〜?」
ルミ「で、ででで、出たぁぁぁああああああッ!!」
「アーメン」
ルミ「こっちのセリフだわ!」
ハルコ「お、生き返った〜!」
ケイ「私に何か用があった?」
ルミ「いや・・・その・・・」
ルミ「・・・アタシ、自首するよ」
「えっ!?」
ルミ「ごめんねケイ、ひどいことして」
ルミ「アタシのこと、探しにまで来てくれたのに」
ケイ「そんな・・・当たり前じゃん!」
ケイ「心配だったんだから!」
ルミ「ハルコも・・・ごめん」
ルミ「せっかく助けてくれたのに、こんな・・・」
ハルコ「・・・・・・」
ハルコ「待ってるね」
ハルコ「もしもし、事件です」
ハルコ「女子高生同士で刃傷沙汰がありました」
ルミ「ハルコ・・・」
ルミ「自首するって言ったのに・・・」
ルミ「ほんと、あんたらしい」
ルミ「──ありがとう」
ルミ「ケイも・・・探してくれて、ありがとう」
ルミ「ケイのこと、信じるよ」
ケイ「ルミ・・・」
ケイ「ルミィ〜!」
ハルコ「ええ友達もったな、ルミ」
ルミ「あんた誰よ?」

〇空
  その後、ルミは駆けつけた警察官により
  連行されていった
  罪状は『銃刀法違反』
  ルミは殺人罪を訴えたけど退けられた
ケイ「アタシを殺した? 何言ってんの?」
ケイ「スタントウーマンの本気出しすぎちゃった?」
  被害者であるケイに命の危険どころか
  外傷すら見当たらなかったからだ
ケイ「ルミ、本当に・・・ごめん」
ケイ「はじめに告白された時点で相談するべき だったんだよね」
ケイ「私、ショウヘイ君と付き合えると わかって嬉しくて・・・」
ケイ「でも、やっぱり違うなって思った」
ケイ「だって、私もルミも似た者同士だから」
  翌日、学校にルミの姿はなかった
  ぽっかりと胸に穴が空いたようだった
  ルミは友達だ
  また会えると信じている
  それでもやっぱり──寂しい

〇教室
  後日
ケイ「ショウヘイ君・・・別れさせてくれる?」
ショウヘイ「え!? 何で!?」
ケイ「だって、ウソのウワサ流したの ショウヘイ君でしょ?」
ショウヘイ「えッ!?」
ショウヘイ「な、何のこと・・・!?」
ケイ「だったら、誰からあのウワサ聞いたの?」
ケイ「私に教えてくれたの、ショウヘイ君だよね?」
ショウヘイ「ちょ、ちょっと、場所変えない?」
ケイ「変えないよ」
ケイ「これ以上話す気もないから」
ケイ「浮かれてた私もバカだったよ」
ケイ「──じゃあね」
ハルコ(ケイ・・・)
ショウヘイ「な、何? みんなして・・・」
ショウヘイ「あんなのアイツの妄想だよ!」
ショウヘイ「アイツぅ・・・!!」
ハルコ(ふふ、やるじゃん)
タクミ「ホームルーム始めるぞー! 席につけー!」
タクミ「アベノ! 何だその髪は!?」
ハルコ「地毛で〜す!」
タクミ「一緒に病院行くか?」
ハルコ「マジメか〜!? ボケだったのにぃ〜!」
タクミ「0点」
ハルコ「うわぁ、墓穴掘ったぁ〜!」
ハルコ「『ボケ』だけに、つってね!」
タクミ「・・・・・・」
  アタシは謹慎処分を食らった

〇通学路
ハルコ「らんら らんら ら〜ん♪」
ハルコ「あ、貴方はッ・・・!?」
リカ「私(わたくし)の名前はリカ」
リカ「どうやら無事お役目を果たしたようですね」
ハルコ(やっぱりこの声・・・)
リカ「貴方の力は【鬼】を祓いし星詠みの力」
リカ「陰陽五行(いんようごぎょう)」
リカ「そして、ヒトの心を守るための力──」
リカ「その力をもって、諸悪の根源である 【大鬼(おおおに)】を退治するのです」
ハルコ「その力でアタシを生き返らせてくれたの?」
リカ「身体を治すことなど造作もありません」
ハルコ「そっか」
ハルコ「じゃあ、貴方はその力でケイのことも 助けてくれたんだね」
ハルコ(ケイはどう見ても危なかった)
ハルコ(なのに外傷もないなんて、きっと──)
リカ「いいえ、古(いにしえ)の医療技術で 治療しました」
ハルコ「どっひゃ〜! 文明の力ってすげぇや〜!」
リカ「・・・・・・」
リカ「ついてきなさい」
ハルコ「その前にひとつだけ教えて」
リカ「何でしょうか?」
ハルコ「髪の色は戻らないの?」
リカ「戻りません」
ハルコ「そっか」
ハルコ「・・・・・・」
ハルコ(留年確定したわ)

〇実家の居間
ハルコ(──そして今に至る、と)
ハルコ(謹慎中だし、ちょうど良かった〜)
リカ「ハルコ、わかっているのですか?」
リカ「【大鬼】を倒すには、世界各地に点在する 【星の楔(くさび)】を解放しなければ なりません」
リカ「そのためには旅費を工面しなければ ならないのです」
ハルコ「ダイジョブダイジョブ!」
ハルコ「まずは日銭を稼がないとね〜!」
タダシ「その心意気だぜ、ハルコ!」
ハルコ(クソニートめ)
  こうしてアタシの陰陽師ライフが始まった

次のエピソード:第4話 商売敵、現る!①

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