第2話 アタシが・・・陰陽師!?②(脚本)
〇通学路
ハルコ(お弁当まで食べちゃった!)
ハルコ(ルミから連絡ないし)
ハルコ(ケイも戻ってこないし)
ハルコ(何かあったのかな?)
ハルコ(うわ、キレイな人! 人形みたい!)
ハルコ「あの、すみません」
ハルコ「この人見かけませんでした?」
リカ「見ていません」
ハルコ「そうですか・・・」
ハルコ「じゃあこの人は?」
リカ「・・・・・・」
リカ「先ほど向こうの方に行きました」
ハルコ「ありがとうございます!」
リカ「その方はご友人ですか?」
ハルコ「はい、そうです」
ハルコ「大切な・・・親友」
リカ「そのために学校を抜け出したのですか?」
ハルコ「えへへ〜、みんなにはナイショですよ?」
ハルコ「それじゃ!」
リカ「・・・・・・」
〇山中の坂道
ハルコ「ケイー! ルミー! いるー?」
ハルコ「ん? ケイ?」
ハルコ「も〜、探したよ〜?」
ハルコ「こんなところで寝そべって──」
ハルコ「なに、これ・・・?」
ルミ「探しに来てくれたんだ」
ハルコ「ルミ!」
ハルコ「どこ行ってたの!? 心配したんだから!」
ルミ「ごめんごめん」
ルミ「ちょっと用があってさ」
ハルコ「何、してるの・・・?」
ルミ「穴掘ってるの」
ルミ「だってケイのこと埋めなきゃじゃん」
ルミ「道具これしかなくてさ、すげー疲れるんだわ」
ルミ「ハルコも手伝ってくんない?」
ハルコ「なんで、ケイを・・・?」
ルミ「ん? だってコイツ、アタシの彼氏 奪ったんだよ?」
ルミ「こうなるのは当然じゃない?」
ハルコ「ヤマナカは・・・ケイと付き合うために ルミと別れたの?」
〇通学路
ハルコ(だから、ケイはあんな遅い時間に 出歩いてたんだ)
ハルコ(ヤマナカと付き合ったから)
ハルコ(あの服装はカムフラージュだったんだ)
〇山中の坂道
ルミ「違うよ」
ルミ「ケイがウソのウワサ流して ショウヘイを奪ったの」
ルミ「アタシが浮気してるって」
ハルコ「それはヤマナカが流したって──!」
ルミ「ショウヘイがそんなことするはずない!」
ルミ「ハルコ、あんたまでそんなこと言うの!?」
ルミ「あんたもケイと同じか」
ルミ「アタシを騙してたんだ」
ハルコ「ち、違うよ!」
ハルコ「アタシ、ヤマナカとケイが付き合ってた って知らなかった!」
ハルコ「ケイだって、ルミと連絡がとれないから ここまで探しに来たんだよ?」
ハルコ「心配してたんだよ?」
ハルコ「友達想いのケイが、ルミの悪いウワサ なんて流すわけない」
ルミ「でも、流したんだよ」
ルミ「・・・ケイがショウヘイのこと好きだって アタシ知ってた」
ハルコ「え・・・?」
〇体育館の裏
だから先に告白して付き合ったの
ケイみたいになりたかったから
アタシはケイみたいに可愛くないし
気遣いだってうまくできない
アタシが持ってるもの全部、ケイは持ってた
だから、ひとつくらい欲しかった
ケイが持ってないものを
欲しがってるものを手に入れたかった
〇黒
でも、ダメだった
結局奪われちゃった
仕方ないよね
だってアタシが先に獲ったんだもん
でもね・・・アタシがショウヘイのこと
好きだって気持ちはウソじゃない
だから──
それを踏みにじったケイを──許せない
〇山中の坂道
ハルコ「だからって・・・」
ハルコ「ケイは友達じゃなかったの?」
ルミ「友達だよ」
ルミ「だから、こうなったんだよ」
ハルコ「・・・・・・」
ハルコ「ねぇ、ルミ」
ハルコ「アタシも・・・友達だよね?」
ルミ「何それ? 当たり前っしょ」
ハルコ「そっか」
ハルコ「アタシもルミのこと、友達だと思ってる」
ハルコ「ケイのことも」
ハルコ「だから」
ハルコ「ケイにこんなことしたルミを──許せない」
ルミ「・・・・・・」
ハルコ「でもね、きっと許しちゃう」
ハルコ「ルミは最低なことをしたけど」
ハルコ「──友達だから」
ハルコ「ごめんね、力になれなくて」
ハルコ「ずっと辛かったはずなのに」
ハルコ「別れたって知ってたはずなのに」
ハルコ「自首しよ?」
ハルコ「持ってたもの全部、失っちゃうかも しれないけど」
ハルコ「けど──」
ハルコ「アタシはずっといるから」
ルミ「・・・あんたはやっぱり変わってるよ」
ハルコ「そーかなぁ?」
ルミ「そうだよ」
ルミ「普通、こんな人間のこと友達だなんて 言えないって」
ルミ「わかってたよ、意味なんてないって」
ルミ「ケイが悪いんじゃなくて、アタシに魅力が ないんだって」
ルミ「だからみんな、ケイの言葉を信じるんだ」
ルミ「バカみたい・・・でも、もう、ムリだよ」
ルミ「アタシはもう、戻れない」
ハルコ「戻れるよ」
ハルコ「だって──」
ルミ「うっ!!」
ハルコ「ルミ?」
ルミ「やぁぁぁぁぁぁああああああッ!!」
ハルコ「ルミ!!」
〇山中の坂道
ルミ「・・・やっぱり、あんたは見過ごせないわ」
ルミ「アタシは捕まりたくない」
ルミ「またショウヘイとやり直すんだからぁ!」
ハルコ「きゃあ!!」
ハルコ(このままだと殺される)
ハルコ(逃げないと)
ルミ「逃げたってムダ」
ルミ「今のアタシには何だってできる」
ルミ「ケイができなかったことをこんなにも、ね」
〇山中の川
ルミ「ハルコ、観念して?」
ルミ「もう逃げ場はないよ」
ハルコ(雨が強くなってきた)
ハルコ(川に逃げても、きっとおぼれちゃう)
ルミ「じゃあね──ハルコ」
ハルコ「・・・・・・」
ハルコ「うん、またね──ルミ」
ハルコ「あ・・・」